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「新専門医制度」に全国1560人の反対署名 地域医療の弱体化懸念

新専門医制度を批判する安藤哲朗代表(中央)ら=7月21日、厚生労働省。(撮影/片岡伸行)

一般社団法人日本専門医機構(吉村博邦理事長)が2018年度からの導入をめざす「新専門医制度」に対し「反対」の声が上がっている。「専門医制度の『質』を守る会」(代表・安藤哲朗安城更生病院副院長)は7月21日、東京・霞が関の厚生労働省を訪れ、全国1560人の反対署名を塩崎恭久厚生労働大臣と「今後の医師養成の在り方と地域医療に関する検討会」遠藤久夫座長宛に提出した。

同制度については昨年、地域からの強い懸念の声を受けて塩崎厚労大臣が「立ち止まって考えるべき」と発言。今年4月からの導入予定が延期された経緯がある。

提出後の会見で安藤代表は「1年経っても根本的な問題は変わらず、専門医研修の質の担保はない。地域医療の弱体化につながる恐れがある新専門医制度をゴリ押しすべきではない」などと述べた。共同代表の坂根みち子医師(茨城県つくば市)は「女性医師にとって現状でも医療現場は過酷なのに、この制度では結婚・出産という時期に5年間も複数の研修施設を転々とすることになる。法的根拠のない第三者機関がこんなことを勝手に決めてしまっていいのか」と批判。福島県南相馬市の神経内科医・山本佳奈医師は「産科の専門医を取りたいと思ったが、この制度では南相馬から離れなければならず、私は南相馬に残ることを選んだ。医師の希望の芽を摘んでしまう制度だ」と指摘した。

また、仙台厚生病院の遠藤希之医師は「機構には1億4000万円の負債があり、そのうち8000万円を貸しているのは日本医師会。審査される側がカネを貸すという利益相反の関係だ。一任意団体のために日本の医療と若手の夢を潰してはいけない」と訴えた。

日本専門医機構は8月4日に理事会を開くが、“紛争の火種”を残しながら制度開始を宣言することになれば医療界の混乱を招きかねないと懸念する声も出ている。

(片岡伸行・編集部、8月4日号)