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元陸自レンジャーなど自衛官OBらが平和願う団体設立 「日本は戦争に不向き」

ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン代表に就任した井筒高雄氏。(撮影/斉藤円華)

平和を願う元自衛官らで作る団体「ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン」が6月に発足する。団体の設立を記念するプレイベントが5月25日に東京都内で開催。同会代表で元陸自レンジャー隊員の井筒高雄氏は「日本は地勢的に戦争に不向きで、レンジャー教育もない自衛官が大半なのに戦場に放り込まれる。日本は専守防衛に徹し、北東アジアの集団安全保障の確立をめざすべきだ」と訴えた。

米国では退役軍人の平和団体「ベテランズ・フォー・ピース(VFP)」が1985年に発足し、全米で活動している。

井筒氏は今回の設立理由について「集団的自衛権が容認される中、勇ましい言葉で自衛隊を実戦に派遣するのは簡単だ。しかし戦費調達や戦場でのPTSDなど、戦争のリアリティと社会負担を巡っては国民の間でほとんど議論されていない。元自衛官の立場から、こうした問題を提起していく」と述べた。団体には井筒氏のほか、5月3日に亡くなった泥憲和氏(名誉会員)など、合計7人の元自衛官が会員に加わる。

昨年6月には、VFP会員で元海兵隊兵士のマイク・ヘインズ氏らが沖縄を訪れ、辺野古の反基地運動に参加している。イベントではヘインズ氏らを取材した琉球朝日放送のドキュメンタリー番組「テロリストは僕だった」を上映。制作した同局元ディレクターの大矢英代氏が登壇し、「米国では退役軍人が毎日22人自殺し、若者が貧困を理由に軍隊に志願している。軍隊が内包する大きな暴力性を伝えたかった」と語った。

日本でも「反戦自衛官」や旧軍人による「不戦兵士」の活動が知られるが、「現職・元自衛官や旧軍人など、さまざまな立場からゆるやかにつながるようにしたい」と井筒氏。6月9日には衆院第一議員会館で、VFP米国本部のサム・コールマン氏らを招き設立記念シンポジウムを開催予定だ。

(斉藤円華・ジャーナリスト、6月2日号)