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下品な首相に下品な官僚(佐高信)

2017年4月6日5:04PM

前略 財務官僚殿

私が学生時代に入っていた郷里の寮の寮監の佐藤正能(さとうまさよし)先生は歌人でもありましたが、「聞きたきは抱負にあらず国政の重きを畏(おそ)る一言なるを」という歌をつくっています。聞きたいのはビジョンとやらではない、国の政治に携わる重大さを畏れる一言だ、ということでしょう。

「バカな大将、敵より怖い」という言葉がピッタリの安倍首相に当てはめて言えば「聞きたきは言いわけにあらず国政の重きを畏る一言なるを」となります。

この首相と呼びたくない首相は森友学園の籠池泰典を最初は評価していたわけですが、こうしたウサン臭い人間しか周囲にいないということが問題なのです。安倍個人の問題であると同時に首相という地位、権能を汚しているのだということが安倍にはまったくわかっていません。

それ以上に哀れにさえ思うのは、プライドのかけらもない財務官僚の醜態ですね。

いまは亡き元首相の橋本龍太郎氏のお父さんの龍伍さんは、東京帝国大学を出て、旧大蔵省(現財務省)に入ったあなた方の先輩ですが、つねづね、こう言っていたということです。

「国家公務員にせよ、政治家にせよ、株は持つべきではない。公務員も、政治家も、一般の者が手に入れることのできない情報にしょっちゅう接する。その人間が株を扱ってはいけない。もし知っている情報を使わなかったと言いはっても、あらぬ誤解を受ける」

     「総理も俺も長州人」と自慢する迫田長官

今度の問題に関わって言えば、首相の友人なら、なおさら認可や土地取得で疑われるようなことをしてはいけないし、首相もそうした人を近づけてはいけないでしょう。

この基本の基の字が、安倍はもちろん、「安倍に最も近い財務官僚」といわれる田中一穂(たなかかずほ)や、「総理も俺も長州人」などと自慢する迫田英典(さこたひでのり、理財局長から国税庁長官)にはまったくわかっていません。

かつて、大蔵官僚が過剰な接待を受けていたことが発覚してスキャンダルになった時、匿名での彼らの放言をまとめたテリー伊藤編著の『お笑い大蔵省極秘情報』(飛鳥新社)が話題になりました。この中で私も名前を挙げて脅されたので訴えたのですが、その第2弾『大蔵官僚の復讐』(同)で、彼らは厚かましくも開き直っています。

キャリアもバカ、国民はもっとバカと罵るノンキャリアに、たまりかねてテリーが、
「あなたは反省の色が全然ないじゃないですか」
と迫ると、
「我々は反省する必要がないんだから。間違ったことはなんにもしてない」
と蛙のつらにションベンなのです。

そして、怪しげな石油商から絵をもらった主計局長(当時)の湧井洋治(わくいようじ)について、ダーティさがわかりやすい湧井の手が後ろに回らない理由を、こう語っています。

当時、法務省は旧館がきれいに手入れされて残っている上に、裏に真新しいハイテクビルが建ちました。

それに対して大蔵省が、法務・検察は気に入らないから、コンピュータそのものは導入させません、その予算は認めません、と言ったら、あのビルはがらんどうになってしまう、というのです。

検察が証券局長室のガサ入れまでやりながら、証券局長だった長野厖士(ながのあつし)を逮捕しなかったのは、職務権限にからんで公判を維持できないかもしれないと思ったこともありますが、結局、大蔵省が怖いからだ、と匿名大蔵官僚は主張しています。証券局長以上に怖いのは、予算を握る主計局長の湧井であり、だから踏み込めなかったというわけです。

(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、3月24日号)

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