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陸自配備で「受け入れ」表明――住民裏切りの石垣市長

陸上自衛隊の配備「受け入れ」をめぐり首長判断に注目が集まっていた沖縄の石垣島。中山義隆市長は昨年12月26日の会見で突然、配備に向けた各種手続きの開始を「了承する」と発表した。このことに市民間では「許せない裏切り行為」との不信感が高まっている。

石垣島への陸自配備計画については2015年11月、若宮健嗣防衛副大臣が同市を訪れ、中山市長に配備方針を伝達した。概要は、島のほぼ中心に位置する平得大俣地区を候補地とし、地対空・地対艦ミサイルの運用部隊や警備部隊(500~600人規模)を配置するというものだ。

防衛省はこれまで二度(昨年4月、5月)住民説明会を開いたが、市民から事前に受け付けた質問への対応もおざなりで抽象論に終始したため、「説明不足」との批判が相次いだ。昨年10月の公開討論会(同市主催)では、会場で実施された市民アンケートの結果、反対(46%)が賛成(27%)を上回っている。さらに見逃せないのは、候補地に近接する4地区の住民が計画への「反対」を表明している事実だ。陸自配備は生活や生態系を破壊する危険性があるとし、中山市長も12月14日の市議会では、4地区の代表と早期に面会し、意見聴取した上で判断したい、との旨を答弁していた。ところが26日には態度が一変。市長は「防衛省の説明会、市の公開討論会、新聞投書、市への要請などをみて、賛成反対双方の意見はほぼ出尽くしている」などと豪語したのだ。

太平洋戦争時、少年兵の鉄血勤皇隊に動員された潮平正道さん(84歳、陸自配備撤回を求める八重山大地会共同代表)は、こう憤る。「市長は戦争体験者をはじめ地元住民の意見も聴かず、個人プレー甚だしい。防衛省の発想も島嶼の地理や歴史にうとく、素人かと疑ってしまう。戦時は島も食糧難に陥り、軍隊は収奪を繰り返しました。あの恐怖が蘇ります」。

(内原英聡・編集部、1月13日号)