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原発と戦争法反対集会に2万5000人――一掃された政治的冷笑主義

2015年10月13日5:46PM

福島の仲間と登壇した武藤類子さん(原発事故被害者団体連絡会共同代表、右)は「戦争も原発事故も、起きてしまったことから学ばなければ、悲劇は何度でも繰り返されるのです。犠牲になった人々の怒りと悲しみは決して慰められはしません」と訴えた。(撮影/伊田浩之)

福島の仲間と登壇した武藤類子さん(原発事故被害者団体連絡会共同代表、右)は「戦争も原発事故も、起きてしまったことから学ばなければ、悲劇は何度でも繰り返されるのです。犠牲になった人々の怒りと悲しみは決して慰められはしません」と訴えた。(撮影/伊田浩之)

戦争法(安全保障関連法)の暴力的成立や原発再稼働など、世論の多数を無視する安倍晋三首相への怒りが結集しつつある。この動きを可視化したのが、9月23日に東京・代々木公園で開かれた「さようなら原発さようなら戦争全国集会」。主催した「『さようなら原発』一千万署名市民の会」によると、2万5000人が参加した。

安全保障関連法に反対する学者の会発起人の一人、上野千鶴子さん(67歳)はこう訴える。

「反安保・反原発・反基地の闘争がいま大合流する響きが私の耳に聞こえます。それに反知性・反理性に対する闘いが加わりました」「学者と学生が共闘できたことに特別の感慨を持っています。私は70年安保闘争世代です。あのとき、学生と学者は対決しました。私たちは闘って負けました。そして深い敗北感と政治的シニシズム(冷笑主義)のもとに沈みました。私たちの世代の後ろ姿を見ていた若い世代は、やってもムダ、バカなことをして自滅したバカな奴らという冷笑的な視線を向けました。しかし2015年夏の経験は、四十数年間にわたる政治的シニシズムを一掃したと私は確信しています」「(国会前で戦争法案反対を訴えてきた)『SEALDs』の若者たちが言ってくれた大変うれしかった言葉があります。『この戦後70年、殺し殺されない社会を維持してきたのは、自分たちの先輩たちがこの平和と憲法9条を維持してきてくれたからだ。自分自身も自分の子どもも、これから先の戦後70年を絶対に経験したい』。私たちの闘いは終わりません。民主主義はいまや国会の中ではなく外にあります。頑張りましょう」

【新しい言葉への希望】

SEALDs中心メンバーの奥田愛基さん(23歳)は、メンバーは落ち込んでいないという。

「まったく悲壮感がないんですね。(戦争法が成立した9月19日)国会前で朝5時まで僕らは(抗議行動を)やりました。それは終電がなかったからなのですけれども。(午前)2時に通った後に解散とは言えなかった。朝までやったのです。新年を迎えた朝のような気がしました。法案が通ったことは負けかもしれないし、重く受け止めないといけない。今までとはもっと違うやり方を試さないといけない。しかし、その新しいやり方や世代を超えて闘える準備がもうわれわれにはできている。政党を超えて、信条を超えて、保守革新を超えて、改憲も護憲も超え、われわれは安倍政権を倒す」

集会呼びかけ人の一人で作家の大江健三郎さん(80歳)も熱い。

「若いみなさんがいまの志と感情を失わないで持続し続けることを心から願う。若い学生諸君や女性たちが発している言葉や文章はすっかり新しい。深い思いを誘われる言葉が若い人たちによって担われている。その新しい言葉に望みを託しながら、この大きな困難をあらためて自覚しながら、この集りをこれからの自分たちの生き方の核心の一つにおいて生きていくんだと考えます」

言葉が新しいのは、思想が新しいからだ。安倍晋三首相という“わかりやすい敵”に対して対抗勢力が結集しつつある。来年の参議院議員選挙に向けて野党共闘の話が動き始めた。戦争法案に賛成した議員への落選運動も盛り上がりそうだ。民主主義を取り戻す動きはより活発になっている。

(伊田浩之・編集部、10月2日号)

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