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被災者、除染、復興政策を――福島の地元議員が大批判

被災地の議員が切り捨て政策を報告した全国シンポ=7月11日、福島市。(撮影/藍原寛子)

被災地の議員が切り捨て政策を報告した全国シンポ=7月11日、福島市。(撮影/藍原寛子)

「我々が求めるのは、ダイヤモンドなどではない。長年耕してきたあの豊かな農地だ。平和な生活と原発は両立しない。静かな眠りを返せ」。――7月11日、反原発自治体議員・市民連盟が福島市で開いた全国シンポジウムで、放射能汚染地域の福島県川俣町、浪江町、伊達市、葛尾村、飯舘村などの市町村議員が、いまだに続く原発事故後の厳しい現状と、民意を無視した除染のやり方や強制帰還政策の現状を報告。避難生活中の議員は、国の棄民政策に強く抗議した。

原発からの汚染水を凍土でブロックする計画が、いまだに「凍らない凍土壁」で役に立っていない問題を詳報した浪江町の馬場績議員・浪江町津島区賠償を求める会共同代表。「原発は今も危険な状態だ。戻っても果たして町民が安心して暮らせるのか」と疑問を投げた。「国は除染をやり切れなくなっており、個別交渉で農家に除染費用を払って、被害者である農家自身に除染をやらせ、それで除染を終えたことにしようとしている。被災地にカネをばらまき、被災者を分断して、早く東京オリンピックに目を向けさせようとしている」と実態なき除染を暴露したのは葛尾村の松本静男議員。カネという「アメ」をもらい、思考停止させられた住民の姿が浮かぶ。

原発から30キロメートル圏外に位置し、風下被曝地になった飯舘村。佐藤八郎村議は「飯舘村民をモルモットにするのか。将来の子孫まで被害者になってしまう」と、被曝予防対策なき除染、帰還政策の問題点を挙げた。

福島原発被害弁護団共同代表の小野寺利孝弁護士は「全面賠償と勝訴を勝ち取り、その司法判断をもとに国の政策の誤りをただし、医療補償を得る『政策形成訴訟』を闘っている。市民の脱原発・反原発運動と被害者救済により、大きな潮流を作り、国民の側に立った政治の実現で、国の暴挙を止める」と述べた。

(藍原寛子・ジャーナリスト、7月24日号)