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福井地裁が運転差し止め仮処分を決定――高浜原発再稼働に司法判断

福井地方裁判所は、4月14日、関西電力株式会社(以下「関西電力」)に対し、高浜原子力発電所(以下「高浜原発」)3号機及び4号機の原子炉について、運転の差し止めを命じる仮処分決定を発令した(以下「本件決定」)。

福井地裁では、昨年、関西電力大飯原子力発電所(以下「大飯原発」)3、4号機について、運転差し止めを認める歴史的判決を言い渡した。同判決は、原告が主張立証した2005年から11年というわずか6年の間で、基準地震動を超える地震動が原発を襲った事例が5例あることや、外部電源や主給水ポンプといった重要な設備について耐震基準がSクラスになっていない等の理由により、原発事故により放射性物質が飛散し、人格権を侵害する具体的危険性を認めた。その後の大津地裁決定も、規制委員会の設置変更許可が未了であったことから保全の必要性こそ否定したものの、地震等による原発事故の危険性については福井地裁の上記判決と同様の認識に立っている。

それにもかかわらず関西電力や規制委員会は、こうした複数の裁判所の指摘を無視して、平均像を元にした基準地震動の策定方法を抜本的に見直すことも、外部電源や主給水ポンプ等の耐震基準を見直すこともしないまま、高浜原発の再稼働を図り、また許可した。これは、露骨な司法軽視であり、三権分立という民主主義の根幹を揺るがしかねない。

本件決定は、このような国と電力会社の暴挙、とりわけ規制委員会による基準の不合理性を指摘したものであるが、国と電力会社は、今度こそ司法の判断を厳粛に受け止めるべきである。一方、私たち市民にも、裁判所のみに任せるのではなく、安倍政権の数々の暴挙を投票その他の手段により、主体的に変えていく責務がある。

前日の太陽が最も遅くまで輝く地こそ、翌日の太陽は最も早く昇るもの。ここ福井県は今世紀に入ってから3・11が起きるまで、衆参両院選挙の比例区における自民党得票率が全国一位だったが、今、福井は、脱原発の夜明けを作ろうとしている。全国各地で、原発等を抱えるそれぞれの現場での、新しい時代に向けた運動に勇気を与える決定だ。

(笠原一浩・大飯原発差止訴訟・福井弁護団事務局長、4月17日号)