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「関電労組」政治団体が無届け組織に多額支出――6000万円超が使途不明に

2014年2月24日6:58PM

関電労組政治活動委員会が無届けの下部組織に支出した際の領収証。具体的使途は不明だ。(撮影/三宅勝久)

関電労組政治活動委員会が無届けの下部組織に支出した際の領収証。具体的使途は不明だ。(撮影/三宅勝久)

 原発推進を掲げて、舛添要一氏を支援した日本労働組合総連合会(連合)傘下にある政治団体「関西電力労働組合政治活動委員会」(大阪市北区・壬生守也代表、的井弘会計責任者)が、政治団体届け出のなされていない23の下部組織に対して、5年間で6000万円を超す支出を行ない、結果的に全額が使途不明になっていることが政治資金収支報告書などから明らかになった。

 政治資金規正法では、無届けの政治団体による寄附受けや支出は禁止されている(8条)。違反した場合は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金という罰則もある(23条)。届け出をせずに政治活動をすれば収支が報告されず、政治とカネが闇に包まれてしまうからだ。「関電労組政治活動委」から無届け団体への支出はこれに抵触する恐れが高い。

 関電労組政治活動委が総務大臣に提出した2012年分政治資金収支報告書には、同年の支出総額は約6600万円。このうち計1041万円を、「政策研修会費」などの名目で同委員会の下部組織23団体に払ったと記載されている。一度の支出額は6万円から155万円で、延べ35回。1万円未満の端数はなかった。

 23団体の名称・所在地は次のとおり。

▽関電労組政治活動委員会北地区推進委員会=大阪市北区

▽同南地区推進委=大阪市住之江区

▽同兵庫地区推進委=神戸市

▽同姫路地区推進委=姫路市

▽同京都地区推進委=京都市

▽同和歌山地区推進委=和歌山市

▽同奈良地区推進委=奈良市

▽同滋賀地区推進委=大津市

▽同若狭地区推進委=福井県美浜町

▽同東海地区推進委=名古屋市

▽同北陸地方本部推進委=富山市

▽同本店地区推進委=大阪市北区

▽同大阪北地区本部=大阪市北区

▽同大阪南地区本部=大阪市住之江区

▽同兵庫地区本部=神戸市

▽同姫路地区本部=姫路市

▽同京都地区本部=京都市

▽同和歌山地区本部=和歌山市

▽同奈良地区本部=奈良市

▽同滋賀地区本部=大津市

▽同若狭地区本部=福井県美浜町

▽同東海地方本部=名古屋市

▽同北陸地方本部=富山市

 23団体は、近畿・北陸・東海9府県という広範囲にまたがっていた。またすべてに「関電労組政治活動委員会」の名称がついていた。明らかに政治団体だ。

 そこで各地の選挙管理委員会に問い合わせたところ、23団体のいずれも設立届けは出ていなかった。無届けの任意団体だったのだ。

 2011年以前についても調べたところ、同様の支出が多数見つかった。

▼11年=無届け23団体に対して延べ32回・計1047万円を支出

▼10年=無届け21団体に対して、延べ32回・計1379万円を支出

▼09年=無届け21団体に対して、延べ34回・計1304万円を支出

▼08年=無届け21団体に対して、延べ46回・計1480万円を支出

 以上の支出に先述した2012年の1041万円を合わせると、08年から12年の5年間に6251万円ものカネが無届け団体に支出されたことになる。具体的使途が不明なので、裏金に化けたと勘ぐられても仕方がない。

 取材に対して関電労組政治活動委関係者は「(23団体は)内部組織」と回答。「内部組織に払った金を支出に計上するのは間違いではないか」「なぜ政治団体届けをしないのか」との質問には「政治資金規正法にのっとって処理している」と繰り返すだけだった。

 同政治活動委は関電労組と表裏一体の関係にある。経営者の言いなりになって原発を進めてきた御用組合のモラルは、とことん堕落してしまったのか。

(三宅勝久・ジャーナリスト、2月14日号)

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