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麻生邸見学ツアー訴訟で証人に――公安警部、尋問しどろもどろ

2013年11月27日8:50PM

山口警部(中央)と現場を指揮した栢木國廣公安二課長(右)。(提供/国家賠償請求訴訟団)

山口警部(中央)と現場を指揮した栢木國廣公安二課長(右)。(提供/国家賠償請求訴訟団)


麻生太郎首相(当時)の邸宅を「見学」する「リアリティツアー」のために東京・渋谷を歩いていた市民三人が逮捕された事件の国家賠償請求訴訟で、最初に市民一人に体当たりして取り押さえた公安刑事の証人尋問がこのほど、東京地裁で行なわれた。

 この事件は二〇〇八年の一〇月二六日に起き、歩いているだけの市民に警察が襲いかかる現場の動画がインターネットで流され、大きな反響を呼んだ。近年、反原発デモなどで混乱なく行進している市民が突然警察に理由なく逮捕されるケースが多発しているが、国家賠償請求が起こされるのは稀だ。実際に市民を逮捕した公安が裁判で尋問される例も、珍しい。

 今回出廷したのは、現在都内高島平署に勤務し、当時警視庁公安第二課にいた山口悟警部。

 当日は「ツアー」の主催者に対し、現場で渋谷署の警備担当者が事前に「五、六人で(麻生邸に)行くだけなら大丈夫」と確約していたにもかかわらず、逮捕したことについて弁護側から追及されたが、「無届けでデモをした。都公安条例違反だ」などと答弁。

 だが弁護側が、「渋谷署側は事前にデモではないと理解していた。最初に逮捕されたAさんも人混みの中で他の参加者の前を歩き始めただけなのに、逮捕するのは不自然ではないか」と質問すると、しどろもどろになりまともに答弁できなくなった。また山口警部は、「ツアー」を主催した「フリーター全般労働組合」を以前から内偵していた事実を公判で認め、「何をするかわからない集団」「(麻生邸に)行かせたくなかった」などと、最初から政治的な予断で現場に臨んだ事実を認めている。

 傍聴したAさんは、「本人は『危険なことがあったらまずいと思った』などと逮捕を正当化しているが、ただ首相邸を見に行くだけの行動にこれだけ過剰反応する公安の体質こそ危険だ」と話している。

(成澤宗男・編集部、11月15日号)

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