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「君が代」不起立・不伴奏処分訴訟――最高裁が全員一致で上告棄却

「君が代」不起立・不伴奏処分取り消しなど四つの訴訟の最高裁判決言い渡しが九月五、六の両日あり、高裁判決を不服とした教職員らの上告がすべて棄却された。

司法記者クラブで会見する原告ら。左から2人目が筆者。(提供/レイバーネット)

司法記者クラブで会見する原告ら。左から2人目が筆者。(提供/レイバーネット)

 訴えていたのは筆者を含む小中高校・特別支援学校教職員と元教員ら計七四人。最高裁判決は「主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする」などというもので、これによって東京高裁判決が確定。二四人・二八件の減給・停職処分は違法とされ取り消されたが、五一人・五二件の処分が確定することになる。

 処分が違法か否かの判断基準は、(1)「思想および良心の自由」への一定の制約はあるものの最も軽い戒告処分は違法ではない(2)原則、戒告を超える重い処分は違法(3)ただし過去の処分歴等、学校の秩序などを壊した具体的事情が「処分の不利益」を上回れば重い処分も許容される、というもの。これは二〇一二年一月一六日の最高裁判決を踏襲しており、筆者に対してのみ(3)を適用して減給・停職一カ月の処分を妥当とする不当な判決だ。

 最高裁の判決文は、「裁判官全員一致の意見」と明記。退官した宮川光治裁判官(昨年一月の最高裁判決で「すべての処分を取り消すべき」との反対意見)と交替した弁護士出身の山浦善樹裁判官は自己の意見を表明していない。

 吉峯啓晴弁護士は「判決全体は評価できないが、戒告処分以上は問題だという基準はかろうじて立ちつつあり、それはゼロではなく第一歩」としつつ、「司法が政府に追随するがゆえに、結論先にありきの判決なのだ」と批判した。

 上記(3)の判断基準は、処分者側(東京都教育委員会)にフリーハンドで累積加重処分をしてよいとのお墨付きを与えた。今春、不起立四回の田中聡史さんに減給処分を出した現実は、それを実証している。今回それがより固定化されてしまったことを懸念する。

(根津公子・被処分者、9月13日号)