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携帯電話電磁波遮蔽に一定の効果――小学校にシールド設置

シールド・フィルムを設置する様子。(提供/太宰府東小シールドの会)

シールド・フィルムを設置する様子。(提供/太宰府東小シールドの会)

 携帯電話電磁波を遮蔽するシールド・フィルムに一定の効果が見られた。

 福岡県太宰府市の市立東小学校の保護者らが結成した「太宰府東小シールドの会」が、昨年六月から、携帯基地局に面した北側の窓にシールド・フィルムを設置する活動を始めた。

 四月中旬、専門家に依頼して電磁波の精密な測定を行なったところ、窓を閉めると被曝量が一〇分の一に減衰することがわかった。

 東小学校の校舎から約一〇〇メートルの場所に携帯電話基地局が設置されてあり、設置後間もなく児童や周辺住民の間で体調不良が発生していた(詳細は「金曜日」刊『本当に怖い電磁波の話 身を守るにはどうする?』)。

 症状は「いらいらする」「体がだるい」「朝起きられない」など多様で、被曝量が最も高い校舎三階で症状を訴える子どもが多かった。

 子どもは細胞分裂が活発なので、電磁波被曝によって、大人よりも大きな影響を受け、発達障がいとの関連を指摘する報告もある。同会の保護者によると、「この小学校では、入学した一年生の間で鼻血が頻繁に出ていた。ある子どもは、教室で座った際に基地局側(北側)に面した耳に炎症があったが、シールド・フィルムを設置した後は耳鼻科検診でも異常が見られなくなった」という。

 これまでに、約半分の窓に設置したが、シールド・フィルムの購入資金が不足している。

 同会によると、「約三〇万円のカンパを集め、出費を抑えるためにドイツからシールド・フィルムを直輸入し、保護者自身の手で設置してきた。新年度までにすべての窓に貼りたかったが、あと二〇万~三〇万円が必要だ」という。

 なお、同会はカンパの協力を呼びかけている。振込先は下記。ゆうちょ銀行、記号:01700-8、番号:149816、名義:太宰府東小シールドの会

(加藤やすこ・ジャーナリスト、5月17日号)

専門家グループがパブコメで指摘――原発新規制基準は根本的問題

新規制基準の問題点を指摘する「原子力規制を監視する市民の会」のメンバーら。(撮影/赤岩友香)

新規制基準の問題点を指摘する「原子力規制を監視する市民の会」のメンバーら。(撮影/赤岩友香)

 東京電力福島第一原発事故の収束のメドすらつかない中、パブリックコメントにかかっていた原発の「新規制基準」が五月一〇日で締め切りを迎えた。

「原子力規制を監視する市民の会」は専門家である「新安全基準監視プロジェクト」アドバイザリーグループと同日、東京・参議院議員会館で会見を開き、新規制基準の根本的な問題点を指摘した。

 そもそも同グループは、今年二月のパブコメの際、新基準の骨子案について、原子力規制委員会に四三七九件にのぼる意見を提出したが、ほとんど反映されなかった。今回の二度目となるパブコメであらためて意見書を作成した。

 意見書では(1)パブリックコメントはやり直すべき(2)原子炉等規制法を遵守して立地評価を行なうべき(3)「重大事故対処設備」に五年年猶予期間を設けるべきではない――などと指摘している。

 今回のパブコメの対象は、新基準に加え、研究開発段階での発電炉などに対する規則もあり、合計三〇〇〇ページを超す文書となっている。この大量の文書に対して、期限は一カ月となっており「(市民の)意見を聞く気があるのか疑わしい」(市民の会・阪上武さん)。七月一八日までの新規制基準の施行をめざす規制委が「拙速」に進めている感は否めない。

 また元原子力安全委員会事務局技術参与の滝谷紘一氏は、新基準がこれまでの安全審査で最重要項目だった「立地評価」をやめていることを「大改悪」だと批判。立地評価とは、原子炉の位置が周辺住民から十分に離れているかどうかを、敷地境界での被曝線量が目安以下になっているかで判断することだ。「評価をすると多くの原発が立地審査基準に不適合となるからではないか」と滝谷氏は言う。

 会見後には、市民有志がこれら問題点を指摘したパブコメを東京・六本木にある規制委に持参した。

(赤岩友香・編集部、5月17日号)