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異例の10日間の勾留延期と接見禁止処分――経産省前テントで初の逮捕者

 経済産業省前にテントを建て座り込みを続け、政府の原発政策に抗議している市民の一人のAさんが五月一〇日、「暴行」と「器物破損」の容疑で警視庁丸の内署に事情聴取のため任意出頭したところ、その場で逮捕・留置された。一昨年九月のこの「経済産業省前テントひろば」設置以来、テントの関係者が逮捕されるのは初めて。

 当日、Aさんとテント前にいたBさんの証言によれば、同省の係官三人がAさんやBさんらをビデオで撮影。そのうち一人が、Aさんの顔面すぐそばまでレンズを寄せて撮影したためAさんが「肖像権の侵害だ。なぜこんなに近づいて撮影するのか。こうやって撫でられたらいやだろう」と言いながら相手の顔にふれたところ、この係官は「暴力だ」と叫んだという。

 係官らはその直後、警察に通報。三分後には私服刑事や機動隊員ら五〇人が押しかけてきたが、その場はテント側が事情を説明し、いったん警察は引いた。ところが、Aさんが「事情聴取のため」との丸の内署の要請を受けて署に任意で同行したところ、「省から被害届が出ている」として、逮捕されたもの。しかも東京地検は一二日、Aさんを一〇日間の勾留延期と接見禁止処分にしており、任意で事情聴取に応じた被疑者に対しては異例の扱いとなっている。

 このため、「テントひろば」の責任者である淵上太郎氏は一三日、同省を訪れ、大臣官房情報システム厚生課厚生企画室の金子洋悦課長補佐ら二人と会見。「省側でビデオ撮影の必要がかりにあったとしても、なぜ嫌がらせのように顔のすぐ近くまでレンズを寄せて撮影する必要があったのか。暴力というなら係官の方が問題だ」と抗議した。省側は何も釈明しなかった。

 また本誌が同企画室広報担当官に対し、(1)なぜ当日係官がビデオ撮影したのか(2)Aさんの顔を至近距離で撮影した理由は何か――について質問したところ、(1)については「テントの撤去を省として要請している現場を記録するため」と回答。だが、(2)については「お答えできない。丸の内署に聞いてほしい」などとして、省が被害届を出しているにもかかわらず無責任な態度に終始した。また、係官がAさんを至近距離で撮影した事実の有無についても、「確認できていない」として明言を避けた。

(成澤宗男・編集部、5月17日号)