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堀越学園元理事長が横領で逮捕――群馬県警の初動捜査に疑義

取材に応じる朝堂院大覚氏。(撮影/編集部)

 学校法人「堀越学園」の元理事長が一一月三〇日、古美術を横領したとして逮捕された。同学園は東京の堀越高校とは無関係。

 実は、その横領された被害者とは弊社近刊の対談集『悪名正機』に登場する朝堂院大覚氏だった。早速、取材を申し込むと「本では私の息子を関東連合だとか、グレーゾーンで親子は生きているとか、トライアスロンを恐喝したとか書いていたが事実無根ですぞ」と記者はお叱りを受けたが、朝堂院氏は詳細に経緯を語ってくれた。

 朝堂院氏は二〇〇九年一月に熊本の知人を介して元理事長を紹介された。元理事長は学債二〇億円を暴力団に盗まれており、相談を受けた朝堂院氏が全額を回収。その後元理事長は同氏の事務所を日参し、同氏は学園顧問になる。そのうち群馬の学園を訪れると学内に立派な古民家があった。朝堂院氏はそこに空手道本庁を設置し、同年八月には古伊万里と桃山時代と江戸時代の甲冑計三七点を展示。ところが元理事長はそれを借金の担保に入れた挙げ句、翌年の五月に売却までしてしまう。朝堂院氏は高槻警察署に被害届を出すが、警察はなぜか二週間で捜査班を解散、電話にも出なくなったという。

経営者時代の朝堂院氏。「モーレツ経営で冷蔵庫を1年間で1000台」売り、美術品を蒐集したという。腕に突き刺している刀は「関孫六」だとか。(提供/朝堂院大覚氏)

「警察はすぐに逮捕できたのにしなかった。そのため美術品は散逸した。元理事長は俺の身柄は大丈夫だと吹聴していたそうだ」

 今年九月に入り、朝堂院氏は警察があてにならないと前橋地検に乗り込み検事正に直談判。ようやく今回の事件化につながった。

 同法人経営の創造学園大学は、資産不足などから文科省命令により来年三月に解散する。

(本誌編集部、12月7日号)

関電支社を訪問した市民が「建造物侵入」容疑――「運動つぶし」が目的か

取り調べのため愛知県警東警察署に入る木村穣さんら。(撮影/竹内一晴)

 関西電力大飯原子力発電所の再稼働に反対する抗議行動に「不当な圧力」が加わっている。

 関電東海支社(愛知県名古屋市)を訪問しただけの市民二人が「建造物侵入」の容疑で一〇月二九日以降、何度も愛知県警東警察署から出頭要請を受けていたことが明らかになった。この「訪問」は五月二五日の出来事であり、捜査の必要性も含め疑問の声が巻き起こっている。

 関電東海支社前では東京の首相官邸前での行動に呼応し、今年五月から毎週金曜日夕刻に市民による抗議が繰り広げられている。

 五月二五日に抗議行動の様子を見にきた木村穣さん(非参加者)は興味本位で関電支社を訪問しようと同支社が入居するビルに入ろうとした。警備員に用件を聞かれ、木村さんは「受付に用事がある」と言って、関電株主(祖父から譲受した五〇〇株を所有)だと告げると警備員は引き下がった(担当弁護士によれば警察は「制止を振り切った」との見方)。Aさん(抗議行動に参加する女性)と支社のある階まで行くと受付は閉鎖。職員から閉店していると告げられた木村さんは、トイレを借りたのち、Aさんと退去した。

 一方で、被害届を提出した関電グループ企業、関西電力不動産東海支店の担当者は「当社としてはビルを安全に管理する責任がある。二人は当社の規定に違反する行為があった。今後は入ってほしくないので(時間がだいぶ経過したが)被害届を出した」と言う。

 事件後、五カ月以上もたって捜査が始まったのは実に奇異なことだ。担当の東署警備課長も現場に居合わせたというが「現行犯逮捕」は行なわれなかった。そもそも、株主の一人が会社を訪問しただけで「建造物侵入」としている点など異常さが際立つ。

 一〇月五日に関電本店前で起きた不当逮捕事件と同様に「運動つぶし」の意図が濃厚だ。

(竹内一晴・ライター、12月7日号)