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福島原発告訴団の思い【番外編】 1324人もの福島県民による集団刑事告訴

「原発事故の責任をただす!」

 そう大書きされた横断幕を先頭にして、総勢230人からなる福島原発告訴団が訪れた福島地検(福島市)の空間放射線量は、敷地内の駐車場で毎時1マイクロシーベルトを超えていた。

 福島原発告訴団は6月11日、原発事故を引き起こした東京電力の幹部や国の関係者ら33人の刑事責任を問う告訴・告発状を福島地検に提出した。容疑は業務上過失致死傷罪など。原発事故で直接の被害を受けた「告訴人」として告訴・告発状に名を連ねた福島県民の数は、県外に避難中の人も含め実に1324人。前代未聞の規模である。

 この日の告訴・告発の模様は新聞・テレビがこぞって全国ニュースで取り上げた。「事故の責任を問わずに福島の真の復興はあり得ない」と考える告訴団の「思い」が、全国に届けられた瞬間だった。

 告訴・告発状提出後の会見で、弁護団の保田行雄弁護士は「原子力安全・保安院のしたことは、薬害エイズ事件の際の厚生省薬務局とまったく同じ。福島県放射線健康リスク管理アドバイザーとして住民に被曝を強いた山下俊一・福島県立医大副学長らにしても、今回の告訴を受け、さっさと福島県から去っていただきたい」と発言。会場は拍手で包まれた。

 告訴団と弁護団では、全国に告訴人の輪を広げた第2次の告訴・告発状提出を、この10月にも予定している。

【福島原発告訴団のHP】http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/

〈明石昇二郎・ルポライター。近著に、福島原発告訴団発足の模様を描いたルポ『刑事告発 東京電力』(金曜日刊)。6月15日号〉

佐高さん、労組に「恥宣言」を勧告――脱原発署名、一次集約722万超

集会終了後、参加者は夜のデモ行進。東京電力本店前に来ると、参加者の声は高まり「東電は事故の責任を取れ!」などとアピールした。(撮影/星徹)

「さようなら原発1000万人署名 第一次集約集会」が六月六日、東京・日比谷野外音楽堂で行なわれ、約二三〇〇人が集まった。昨年五月に始まった署名は七二二万筆を超え、署名用紙が詰まった段ボール箱が壇上に積み上げられた。

 署名呼びかけ人のルポライター・鎌田慧さんは、野田佳彦首相が関西電力大飯原発三・四号機(福井県)の再稼働に「責任を取る」と発言したことに対し、「福島第一原発事故で誰が責任を取ったのか」と疑問を呈した。「責任」どころか、事故の原因究明さえ不十分なままで、再稼働に突き進もうとしているのだ。

 本誌編集委員の佐高信さんは、電力総連に加盟する東電労組の中央執行委員長が「裏切った民主党議員には報いを」などと発言したことに対し、「チッソの労働組合が水俣病問題での対応を反省して『恥宣言』を出したが、電力総連も『恥宣言』を出すべきだ」と批判。会場は大きな拍手に包まれた。

 さようなら原発福井ネットワークの山崎隆敏代表は、現地報告をしたうえで、福井県内には廃止措置中の新型転換炉ふげんを含め一五基の原子炉があるが「地域の繁栄には役立っていない」とし、「原発依存の地域振興はもうやめるべきだ」と語った。

 主催のさようなら原発1000万人アクションは、第一次集約分の署名を野田首相や衆参両院議長に提出し、大飯原発などの再稼働中止を訴える予定だという。

(星徹・ルポライター、6月15日号)