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「君が代」停職処分取消訴訟――根津さんらに不当判決

2011年4月23日8:26PM

 卒業式等の「君が代」斉唱強制を強化する都教育委員会の「10・23通達」後、四回以上の不起立等の累積加重で懲戒処分中、免職に次ぎ重い停職処分にされた、都立特別支援学校の根津公子教諭と河原井純子元教諭が処分取り消し等を求めた訴訟で、東京高裁(加藤新太郎裁判長)は三月二五日、控訴を棄却する判決を出した。

 都立学校では「君が代」斉唱時、起立しない生徒に司会の主幹教諭が「立ちなさい」と促したり、生徒会が開いた「君が代」テーマの討論会の顧問教諭を都教委が厳重注意にするなど強制が進むが、判決は「国家主義的な価値観を一方的に押し付ける教育は、少なくとも公立学校の教育現場には存在しない」と決め付けた。そして「控訴人の思想・良心の核心的部分の保持と、外部的行為として(起立せよと)命じられた行為の拒否とが、客観的・密接不可分に結び付くと評価できない」などの理由で、起立強制の職務命令を「憲法第一九条に違反しない」と判じた。

 また、「国旗・国歌の尊重という普遍性のある基礎的知識の付与は、普通教育で必要なこと」とし、「通達と職務命令は、教育への不当な支配を禁じた改定前教育基本法第一〇条には当たらない」とした。処分については「一定期間職場に立てない停職処分の選択は、より慎重な配慮が求められる」としつつ、「裁量権の濫用、逸脱なし」とした。ただ、「処分が極めて適切かつ合理的だとの評価を含意するものではない。許容される裁量権の範囲の上限というべき」と明示。免職処分なら違憲・違法、との見解を示した。

 会見で根津さんは「原発事故も国家の言うことを鵜呑みにさせる教育が主因。判断力・批判力を持てる生徒が育つためにも、上告して闘いを続ける」と語った。

(永野厚男・教育ライター、4月1日号)

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