学び合う「介護カフェ」開催――「介護保険は国家的詐欺」
2016年7月8日11:47AM
参院選も近づくこの18日、埼玉県・所沢市で「出版フリーランス」のための「介護カフェ」(主催・ハイカイ倶楽部)が開催された。出版産業に携わるフリーランスのための労働組合「ユニオン出版ネットワーク」の自主活動サークルによるもの。親の介護を担う組合員もいて、介護そのものについて学んだり介護の悩みなどを語り合ったりしようというのが目的。
参加者はフリーランスの編集者やライター、校正者に加え、訪問介護員や介護福祉士と多彩。三部制の「介護カフェ」もまた盛りだくさんな中身となった。
講師を、訪問介護員歴約25年で、『介護ヘルパーは見た』(幻冬舎新書)の著者でもある藤原るかさんが務めた。
一部の講演では、「介護保険とこれからの超高齢化社会」がテーマ。介護保険がいかに国家的詐欺なものであるかを、自身の仕事での体験を交え紹介。合間には介護を体感する演習も行なわれた。二、三部では参加者らによる語り合いや、介護の悩みや疑問解決にあてられた。「親との二人暮らしで居宅介護をしている。入院中の母が自宅に戻ってきたときの、今後の生活が不安」「(施設で働いて感じるのは)利用者不在で働く側がその人の顔が見えていない。今の介護は年寄りの体を使って金儲けしているだけなのではないか」などの声が上がった。
前出の藤原氏は、「国は、介護の費用が膨大で高齢者への負担も一杯になっているとか言い、マスコミもそれを煽るようにして報道しています。ですが、介護保険給付費の総額約10兆円(2015年度)の国の保険料負担割合である25%、2・5兆円しか国は負担していません。今年度の政府予算96・7兆円の僅か3%しか使っていない! それなのに(介護保険対象の)生活援助サービスを削るなんてセコいことを言っている」と憤りつつ最後を締めくくった。
(西村仁美・ルポライター、6月24日号)