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ベルリンでシンポジウム――日独メディアの原発報道検証

2011年8月11日2:36PM

 七月七日、ドイツのベルリン日独センター(両国出資の財団法人・一九八五年設立)で、日独のメディアがどのように東日本大震災および福島原発事故を報道したのかを検証する「東日本大震災と新旧メディアの役割」と題するシンポジウムが開かれ、日独メディア関係者らが参加した。

 今井義典元NHK副会長が、関東大震災時の朝鮮人虐殺を含む大惨事をきっかけに公共放送としてのNHKが始まり、これが今日にもNHKに引き継がれている報道姿勢の”遺伝子”であると報告。これに対しベルリン自由大学のアレクサンダー・ゲルケ教授は「NHKが福島原発事故発生直後のメルトダウンに関しても事実を把握するため自ら積極的に動いてきたとは思えない」と指摘。これは今井氏の「日本政府が教えてくれなかった」という発言に対するもの。

『読売新聞』ベルリン支局長の三好範英氏は「ドイツの原発事故報道は一言で言えば落第点。被害者感情にまったく配慮のないものだった」と批判。ドイツでは原発事故を連日センセーショナルに報道してきた面もあり、この点を批判する声はドイツ側参加者の中からも聞かれた。しかし一方でマリオ・シュミット・元ARD(ドイツ公共放送連盟)日本特派員が「原発事故をめぐる “真実”の追求という点ではドイツは独自の調査報道を重視したのに対し、日本は政府・東京電力発の情報ばかりを伝えた」とし、日本の商業ジャーナリズムが原発推進派の意見を流し、危険性を指摘する専門家の声を取り上げようとしてこなかった点にも触れた。これに続き『朝日新聞』欧州総局長の沢村亙氏は「原発事故に際して”安全性”をどう伝えればいいかという点、そして人々がどう行動すればいいかという点の報道に関して日本のマスメディアは反省する点があるのではないか」と指摘した。

 こうした中メディアジャーナリストの津田大介氏の報告は新たなメディアの存在を強くアピール。「twitterやmixiなどのソーシャルメディアは旧メディアがカヴァーできないところで有効に機能している。被災地との通信網が途絶えた中でも連絡機能を果たし、脱原発の流れやデモもソーシャルメディアを通して拡散していった」と紹介した。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、7月15日号)

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