超高齢化社会の恐怖

超・高齢化社会へと突き進む日本の社会保障が、大きな岐路に立っている。かつて「家庭介護から社会介護へ」とのかけ声で導入された介護保険が変質し、国は社会保障の責任を個人や地域社会に押しつけようとしている。「自助・共助」で破壊される高齢者福祉……。このままでは高齢者の尊厳が守られない“恐怖の超高齢化社会”が訪れる。

●政府や経団連は「自助・共助」を強調認知症など介護家族にのしかかる重い負担矢吹 紀人●縮小される「公助」と、増えゆく介護難民「地域包括ケア」という名の国の社会保障“責任放棄”平舘 英明●岩村充・早稲田大学教授に聞く「縮小する経済」下で発想の転換を●「自助の共同化」が生存権を踏みにじる「報告書」は“解釈改憲の社会保障版”だ二宮 厚美

  • インタビューオリバー・ストーン & ピーター・カズニック戦争と歴史を語る ベトナム戦争を描いた『プラトーン』などの映画で名高い米国のオリバー・ストーン監督と、同氏と共著で『オリバー・ストーンが語るもう一つのアメリカ史』(早川書房、原題はThe Untold Histry Of The United States)を出版したアメリカン大学のピーター・カズニック准教授がこのほど広島・長崎両市と沖縄等を訪れた。両氏に、米国の暗部である戦争を語ってもらった。歴史の真実だけが、戦争を正当化する企みを打ち破れる―― ピーターシリア軍事介入を企むオバマ大統領はとんでもない偽善者だ―― オリバー
  • 対談知の怪物・佐藤優×鬼才の精神科医・斎藤環 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』で描かれた「悪」村上春樹を論じることのできる人が減っている2013年上期、単行本売り上げランキング1位になり、文芸書として最速で100万部を達成した村上春樹氏の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』。酷評も多い新作だが、そもそもその日本の文芸批評の力がなくなってきているのではないか。村上春樹を読み込んできた二人が『多崎つくる』を深く深く読み解いた。ゼロ年代以降、批評家は「何でも屋」になることを迫られてきた――斎藤日本では文芸批評家の「読み」が本当に影響力を持たなくなりました――佐藤
  • 満腹の情景写真・文 木村 聡新工場で詰める新たな“希望”  それは「希望の缶詰」と呼ばれた。津波ですべて失われたと思った石巻の港町に。奇跡的に残された水産缶詰。救援物資が届くまでの数日間、人々を救ったその缶詰は復興の第一歩となった。 あれから2年。宮城県石巻市の水産加工品メーカー・木の屋石巻水産は、工場を建て直し、今年から現地での缶詰生産を再開した。真新しい機械が置かれた新工場。地元出身の若い世代も多く入社した。従業員の一人が震災前を振り返って話す。「いまさらながら、すごい作り方をしてたなと思います」 同社は缶詰作りを熟知した工場長と副工場長を、震災とその後に失っていた。余計な調味料を使わず、新鮮な魚そのままを手詰めする商品。復活への試行錯誤は続いたという。「前と同じ味の缶詰。いや、それを超えないと、そのための再開です」
  • 金正恩が「経済強国建設」の先駆け狙う北朝鮮・元山開発計画図の最新版を入手 金 承 在日本政府が拉致問題などを理由に入港を禁止した万景峰号によって、新潟と結ばれていた北朝鮮・元山市。日本に縁の深いその元山市で、大きな開発計画が進行している。国際的に孤立を深める北朝鮮が狙うものは何か――。韓国のジャーナリストが、最新の情報をもとに、全体像を明かす。
  • 放射能汚染水漏れ対策より五輪招致を優先?後手の対応で、リスク管理能力の欠如を国際社会に印象づけた安倍政権 横田 一国際原子力事象評価尺度「レベル3」に引き上げられた汚染水漏れ事故。対策のための国会審議を、五輪招致への影響も考慮して、安倍政権は先送りに。技術的な問題はもとより、事態の正しい認識を日本のトップが持ち合わせていないことを、国内外に強く印象づけた。
  • 諫早湾開門の最終期限まで4カ月追い込まれる漁民と逃げる農水省 永尾 俊彦2010年に福岡高裁で漁民らが求めた諫早湾排水門の「開放」が確定し、最終期限が迫るものの農水省は一向に実行しようとしな。その陰では、追い詰められた漁民らの自死が相次いでいる。
  • 新わたしと憲法シリーズ和田秀子 「3・11」で原発の恐怖を知り憲法の素晴らしさに目覚める今でも原発事故被害者の人権は侵害されているのに、自民党の改憲草案が実現したらどうなる?

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