忘却に抗う  編集委員による「311後」考

編集委員には「いま、伝えたいこと」、そういう題目で執筆を依頼した。もちろん東日本大震災が主題になることは想定していた。これを無視して今年を終え、新しい年を迎えるわけにはいかないだろう。ただ年を越したからといって、何が変わるというのか。変わることもあれば、変わらないこともある。そうとしか言えない。忘れてしまってはいけないこともある。その反面、忘れたいことは忘れていいとも思う。忙しいし、つらいし、記憶しなければいけないことも溢れている。人は忘れることによって、破裂せずに生き抜くことができる。忘れてはいけないことを引き受ける人がいるということ、それを知ってさえいればいい。『週刊金曜日』は忘却に抗いつづける。(編集長・平井康嗣)

◆本当に大切なものはなんですか 雨宮処凛◆橋下主義=ハシズムを支えるもの 中島岳志◆渦巻く「怒り」と感情の大河 田中優子◆ひとりから、はじまる 落合恵子◆「真の豊かさ」とは何か 宇都宮健児◆「いい人」とフェアプレイを撃つ 佐高信

  • 闘論 沖縄と差別 上 無理な「嘘」を通す官僚の劣化下地幹郎×佐藤優米軍普天間飛行場移設に伴う環境影響評価書の提出時期について、田中聡・沖縄防衛局長(当時)が女性暴行にたとえる発言をした。田中局長は更迭され、停職四〇日の懲戒処分となったが、「沖縄の怒り」は収まらない。問題の背景と今後について徹底討論する。田中前局長と一川大臣の発言をかばう役所の嘘ぶりに役人の劣化を感じる――下地国民の前に事実関係を明らかにして責任を取ってもらわないと困る――佐藤「犯す前に言うか」――田中局長(当時)が発言
  • 飲水思源 文化の仕掛け人 徳間康快 第一回 「オレはだまされた」 佐高信”出版界の黒幕”とも呼ばれた徳間康快氏(1921年?2000年)。徳間書店の立ち上げで知られる徳間氏は東京タイムズ、大映の社長、子開成学園の理事長も務めた。徳間氏の波乱に満ちた生涯を佐高信が描く。
  • 元原発労働者・美術作家・市民ジャーナリスト 竹内公太 原発労働問題と「あの事件」を語る 彼が「指差し男」の正体なのか?!
  • N・リクテンスタイン『小売革命』を手がかりに ウォルマートは世界をどう変えたか 佐々木 洋米国の中下層を相手に成功した安売り商法の巨大小売業者・ウォルマートが、今年も「フォーチュン500」で断トツの首位を占めた。米国の雇用関係を変え、産業の空洞化を促し、グローバル資本主義創出の陰の主役となったウォルマート。その史的展開を追う。
  • 韓国「慰安婦」1000回目の「水曜日集会」「居心地の悪さ」に目を背けず 写真・文 宇田 有三アジア太平洋戦争で各地を占領・侵略した日本軍は、その先々で若い女性を性奴隷にした。その総数約20万人と推定されている。1990年代になって続々と名乗り出た韓国の被害者は、毎週水曜日にソウルの日本大使館前で日本政府の謝罪と賠償を求めて「水曜日集会」を重ねてきた。以来、約20年。今月14日の水曜日、集会は1000回目を迎えた。◆私は死なない――証言を語るその想い 村山 一兵
  • 北朝鮮情報を売り歩く脱北者が背景に!? 日韓拉致情報”狂騒曲” 成田 俊一北朝鮮による拉致被害者の安否を気づかう家族たちは、存否情報が入る度に一喜一憂させられている。一方で、それをいいことに日韓の議員やマスコミは、出所不明の情報を入手しては大々的に騒ぎ立てる。そこには怪しげな裏事情もあるという。ジャーナリストが真相に迫った。
  • 福島県南相馬市ルポ なぜ「安全」の基準がないのか 避難と除染の狭間で 星 徹

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