外国人参政権と排外主義

■外国人参政権と排外主義 議論置き去りに煽られる「外国人恐怖」感情 古川 琢也永住外国人に地方参政権を付与すべきか? 民主党政権が誕生し、にわかに現実みを帯びたこの問題。「国家主権を移譲するのか?」といった声高な反対論も街頭をにぎわせている。今後の争点とは?■「在日特権を許さない市民の会」会長 桜井誠さんに直撃 左翼政権になって話し合いの余地はなくなった朝鮮学校などで過激な排外主義デモを行ない、さらにその動画をネット配信することで、急速に会員を増やしている保守系市民団体「在特会」。「日本版ネオナチ」とも称される同会の桜井誠会長に、在日外国人参政権反対の理由を尋ねた。◆在日コリアンと政治参加 推進の大韓民団 反対の朝鮮総聯在日外国人参政権をもっとも強力に推進しているのは在日本大韓民国民団(民団)である。韓国では、在韓外国人の地方選挙権や在外韓国人の国政選挙権を認める法案も通っている。◆意見割れる地方の現場 右往左往した市川市議会のプリティ長嶋議員に聞いた「パンドラの箱は開いた。議論をタブーにしてはいけない」日本全国に暮らす定住外国人は地方自治体の構成員である。もはや「鎖国」はありえないのが国際社会の流れだ。地方議会は在日外国人の政治参加をいかに考えるべきか。■園部逸夫元最高裁判事が証言「時代の中庸を守った判決だったということですよ」永住外国人を選挙人名簿に載せないことが違憲であると争われた訴訟は最高裁にまで進んだ。最高裁は違憲ではないと判断したが、一方で、選挙権付与も違憲ではないとの見解を示した。以後、地方参政権法案成立の動きは活発化する。当時関わった元最高裁判事に話を聞いた。■各党に聞く「永住外国人地方参政権」に関するアンケート「永住外国人への地方参政権付与法案」について今国会での提出は見送られる見込みとなった。が、今後「外国人参政権」はどうなるのか。各党にアンケートを実施した。

  • 普天間飛行場、県内移設案が急浮上沖縄の怒りが爆発する 伊田 浩之米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、キャンプ・シュワブ(名護市など)陸上案が政府内で急浮上している。名護市議会は三月八日、陸上案に反対する意見書を全会一致で可決した。沖縄県議会も二月二四日、県内移設に反対する意見書を全会一致で可決しており、基地被害に耐えてきた “沖縄の怒り” が爆発しようとしている。(関連二六?二七ページ)
  • 盛岡正博 長野県厚生農業協同組合連合会代表理事長再構築という賭けに挑む医療経営のドクター 山岡 淳一郎二世代、三世代先を見すえた、新しい医療環境づくりとは? 医師として、そしてJA長野厚生連理事長として、佐久総合病院をはじめとする傘下の医療機関の「再構築」に踏み出した盛岡正博の経営手腕に注目が集まっている。沖縄米軍政府が統治する「島」に生まれた呪縛を抱えながら、荒廃する医療と全力で格闘し続けてきた盛岡の創造力は、「まちづくり」という大きな構想に向かっている。
  • 格闘する思想高度資本主義下での「哲学への権利」をラディカルに問う本橋哲也×西山雄二 〈自分が依って立つ足場を崩すのではなく、批判的に検討せよ〉――ジャック・デリダの「脱構築」理論を用いて、高度資本主義下で蝕まれた自らの足場である「大学」を一人の若手日本人研究者が問い始めた。それは『哲学への権利』という映画制作・上映会のかたちで、いま国内外に静かなうねりを起こしている。
  • 東京・大阪国税局が本部の“リベート隠し”に関心セブン=イレブン会計の闇にメスが入るのか 渡辺 仁税務調査など関係なかったセブン-イレブン加盟店に東京・大阪国税局の調査が入った。この動きに担当税理士は「コンビニ会計への反面調査では?」と疑いの目をむける。一方の税務調査官も「この不明朗な会計にもっと声をあげてほしい」ともらす。長年、タブーになっていたセブン-イレブン会計にメスが入るのか。
  • にこやかに闘う北のブロガー 栃内 新さん紙でもおおいにつぶやく ブログ、Twitterなどで今や自己表現は誰でも簡単にできる時代。でも、多くの人が注目し信頼するブロガーは案外少ない。そんなブロガーの一人を北海道に訪ねた。
  • きんようぶんか 廣瀬純の生の最小回路(14)ホタルについてパゾリーニ/ディディ=ユベルマン/ゴダール 美術史研究と哲学とを横断するユニークな活動で知られるフランス人思想家ジョルジュ・ディディ=ユベルマンは昨年一〇月、『Survivance des lucioles』すなわち「ホタルたちの残存」あるいは「生き延びるホタルたち」と題された著作(未邦訳)を発表した。ポケットに収まる大きさのこの新著で彼は、「大きな光」(luce)に対する「小さな光」(lucciola)としての「ホタル」を語ったピエル・パオロ・パゾリーニの有名な議論を取り上げつつ、とりわけここ一〇年ほどのあいだに彼自身が練り上げてきた思想をこの上なくコンパクトに再提示してもいる。
  • ビルマ難民「棄民」となったロヒンギャーたち 宇田 有三バングラデシュに逃れたビルマ難民「ロヒンギャー」は、イスラームというだけで自国からも隣国からも受け入れられない「棄民」となっている。現地にある公式・非公式キャンプでの越年取材をもとに報告する。

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