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開沼博氏への質問状を公開します

『週刊金曜日』は4月7日号・4月14日号で、社会学者の開沼博氏を取り上げました。

筆者の明石昇二郞さんが4月14日号の後編に記しているように、明石さんは『週刊金曜日』編集部を通じて3月27日、6項目にわたる質問を開沼氏のオフィシャルサイトから送りましたが、回答期限までに返答はありませんでした。

読者の理解を深めていただく参考になればと願い、以下に質問を公開します。

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開沼博様

※弊誌担当者名やメールアドレスを
含む連絡先などは省略します

ご多忙中、突然このようなご連絡を差し上げることをお許しください。現在、『週刊金曜日』では開沼さんのこれまでのご著書などについて検証する企画をルポライターの明石昇二郞氏と進めております。
つきましては下記の項目について4月3日(月)午後5時までにご回答いただきたく、質問項目をお送りいたします。よろしくお願いいたします。

質問事項

1、開沼さんは2011年4月10日に東京・高円寺で行なわれた「反原発デモ」について、たびたび批判されています。この「反原発デモ」をどのようにして取材したのでしょうか。
・デモの当日、高円寺で取材したのでしょうか。
・新聞など報道を参考にしたのでしょうか。
・インターネットの情報を参考にしたのでしょうか。

2、開沼さんのご著書『漂白される社会』に掲載されている「過激派」ルポ冒頭の「脱原発デモ」の記述の中で、過激派らしき人々の描写があります。この人々は、そのすぐ後に登場する過激派「A」の人々でしょうか。
・過激派「A」アジトの取材は、いつ行なわれたのでしょうか。
・過激派「A」アジトの描写では「脱原発デモ」の話題が一切ありません。「脱原発デモ」の取材と「アジト」の取材は、どちらが先に行なわれたのでしょうか。

3、2016年4月21日付『WEDGE REPORT』において開沼さんは、次のような発言をされています。
「甲状腺がんの問題もよく話題になりますが、『福島で甲状腺がんが多発している』と論文にしている専門家は、岡山大学の津田敏秀さん以外に目立つ人はいない。その論文も出た瞬間、専門家コミュニティーからフルボッコで瞬殺されています」
・岡山大学の津田敏秀さんは医学雑誌『エピデミオロジー』誌上で「フルボッコで瞬殺され」たのでしょうか。
・いつ、どの機会に津田さんは「フルボッコで瞬殺され」たのでしょうか。
・津田さんを「フルボッコで瞬殺」した「専門家」とは誰のことでしょうか。
・「専門家コミュニティー」とは何のことでしょうか。どんな「専門家」たちのコミュニティーなのか、名前と肩書を教えて下さい。

4、開沼さんのご著書『はじめての福島学』の冒頭の「クイズ」で、震災後、福島県から県外に避難した人の割合の正解は「2%」とのことですが、震災後、避難した人には「県外」だけでなく「県内避難」した人もいます。今年1月時点の「県外避難者」「県内避難者」はほぼ同数ですが、あえて「県内避難者」を入れずにクイズにしている意図をご説明下さい。

5、『北海道新聞』2017年1月14日付紙面で開沼さんは、地震や津波による1次被害の死者数より2次被害による死者数のほうが多いことを指摘した上で、次のように書かれています。
「この理由の一つとして考えられるのは、福島の惨事に便乗して過剰に不安をあおる人が現れ、『過剰避難』が生じたことです」
福島第一原発事故後の反原発運動が被災者の死者数を増やし、いじめや差別の原因にもなっているとの指摘ですが、「過剰避難」の規模を人数等のデータで示すことは可能なのでしょうか。
・「過剰避難」による死者数は何人なのでしょうか。
・「過剰」とは、避難する必要がないのに避難したことを意味するのでしょうか。
・「避難する必要がない」かどうかは、どのような立場の者がどのような基準で判定するのでしょうか。その基準は、福島県等の行政機関も認めているものなのでしょうか。

6、『琉球新報』2016年11月10日付紙面で開沼さんは、沖縄県で起きた大阪府警機動隊員による「土人」発言を論じた際、
「今、インターネットで『福島』『子ども』と検索すると『奇形』『健康被害』という関連ワードが自動的に出てくる」
「このようなワードを関連させて検索しているのは反原発の立場で福島を応援したいという人々である」
と書かれています。「このようなワードを関連させて検索しているのは反原発の立場で福島を応援したいという人々である」と断定されていますが、どのようにして事実であると確認したのでしょうか。

 

追記)質問項目6に2カ所〈反原発の立場で福島を応援したいという人々〉とありますが、『琉球新報』記事では〈反原発の立場で福島を応援したいと願う人々〉でした。(2017年4月17日)

869号目次


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《869号注目記事》

対談 「フクシマ」を語るということ
二項対立の狭間でこぼれ落ちた物語
開沼博×中島岳志

ある枠組みをもって住民たちについて語ろうとしている人の
その枠組みこそが、もっとも強烈な植民地主義者の態度。――中島

原発があるという幸せを、無意識的にせよ選んでしまっていたことを、
どれだけ自分たちに引きつけて考えるのか。――開沼

大阪パチンコ店放火殺人事件
絞首刑は合憲か違憲か、裁判員裁判で異例の審理が行なわれた
粟野 仁雄

二年前の七月に大阪市此花区のパチンコ店がガソリンをまかれて放火され、
五人が死亡した無差別殺人事件をめぐる裁判員裁判。
「絞首刑はその残虐性から憲法違反か」という異例の審理が行なわれ、
死刑存置論者の刑法学者として知られる土本武司氏が弁護側証人となった。

「企業の社会的責任」を考える4
政府は頼りにならないから企業の力が欠かせない
河口真理子

地球規模で起きる環境問題や貧困問題。
政治に頼っていても、いっこうに解決しない。
というわけで、企業の出番なのでした。

黒風白雨16
大逆事件死刑執行一〇〇年
宇都宮 健児

辻元清美の永田町航海記リターンズ
番外編
より悪くない方を選択し続ける

昨年、約一五年間所属した社民党を辞め無所属になった辻元衆議院議員が九月、民主党に入党届けを出した。与党に「しがみつく」のか、本当に民主党でやっていけるのか、連立政権のいま何を目指すのか、本誌編集長が聞く。

聞き手・平井 康嗣(本誌編集長)

前原さんが以前よりリベラルに感じますが、辻元さんの影響?(平井)
安保の考え方などは対極ですが、そういう人ほど対話しないと(辻元)

原発震災とヒッピー・コミューン
福島原発から逃れ逃れて避難旅
もう一つの別の暮らしに出会った
高崎 咲耶子

震災と、それに続く原発事故から逃れて西へ西へと避難。
そこには、原発を支える都市文明とは異なる、
ゆったりとした時間の流れ、豊かなつながりがあった。

「こぞ見てし秋の月夜は照らせども」
写真・文 前田 実津

福島・獏原人村で今年も「満月祭」を開催

日本のヒッピー・コミューンの源流
あぱっち