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841号の注目記事

■判決 秋葉原事件 私たちは問われている
人は孤独ゆえに人を殺すのだろうか――。2011年3月24日、東京地裁、「被告人を死刑に処する」。3年前の6月8日、東京・秋葉原の歩行者天国にトラックで突入した上、ナイフで歩行者を次々と刺し、7人を殺害、10人に重軽傷を負わせたとして殺人罪などに問われていた加藤智大被告(28歳)は、判決の瞬間、身じろぎもせず、直立不動のまま、裁判長を見つめていた。1年前の初公判で「償いは事件を明らかにすること」と語った加藤被告だが、計30回に及んだ公判を通じ、無表情でただ一点を見つめ続け、淡々と自己を分析し証言をする。その姿は、被害者や遺族からは本心を明らかにしたとは映っていない。なぜ彼は事件を起こしたのか。判決は、事件を起こした主な動機が !居場所であった掲示板上での荒らしやなりすましに対してやめてほしかった@ ことと認め、また、虐待とも言えるような不適切な養育歴が彼の人格を形成する一端を担ったと指摘した。他者への共感性の欠如、それによって他者と信頼関係を築くことができず、周囲への不満と非常に強い孤独感を抱いていたという加藤被告。「家族や友人、仕事もなくなり、今、思い止まったとしても、もう自分の居場所はどこにもない」と、3回躊躇しながらも、犯行を実行した加藤智大という人間が抱えていたモノは――。現代日本社会に生きる私たち誰しもが同じような孤独に陥る可能性
は――。今後、同様の悲劇を繰り返さないためにも、今、問われているのは私たちである。

◆生と死の境界線を彷徨う若者たち
 雨宮 処凛

秋葉原事件は、「派遣社員の物語」へと回収されるには完璧すぎた、
と語る雨宮処凛本誌編集委員。裁判傍聴に通い、間近で
加藤智大被告を見ても深まるのは「わからなさ」ばかり。
彼はいったい何に対して怒ればよかったのだろうか。

◆掲示板とリアル社会承認の場はどこにあったのか
 佐々木 俊尚

「(掲示板は)家族同然の人間関係」
「掲示板を奪われたことが事件の動機」――加藤智大被告の言葉は、
ネット上のコミュニケーションに潜む闇を浮き彫りにした。
承認・不承認が大きな意味を占める世代にとって、
秋葉原事件とは何だったのか。

◆「加藤くん」が抱えた孤独とは
 弓削田 理絵

ケータイの電話帳が友だちの数を計る指標となり、
履歴の少なさが孤独を物語る――。
公判を一年間傍聴し続けた、
加藤被告と同世代の本誌編集部員が、
この時代に生きる若者の苦悩について綴る。

◆虐待が人格形成に与える影響とは
 「事件の原因は、私のものの考え方」
 西村 仁美

加藤智大被告への被告人質問の中で、
母親による「虐待」問題が浮かび上がった。
自分の体験と重ねて公判を傍聴し続けた女性もいた。
虐待は人格形成にどんな影響を与えるのか。
非行に結びつくことはあるのか。

◆秋葉原事件と”私”は向き合う
 対談 大澤信亮×中島岳志
 現実と仮想の狭間で繋がる身体と言葉

言葉と現実のギャップを抱えている人はたくさんいる――中島
日常的な現実ではない、言葉へのリアリティがすごく強い――大澤
言葉と身体が繋がった、彼に届いた言葉があった――中島
誰の声も入れない自分のなかにも、言葉という他者だけはいる――大澤

■〔震災〕
 少しでもお役に立てれば幸いです
 避難生活支援情報

1日も早く元の生活を取り戻せるよう、被災者の方々の生活を支援する情報をお届けします。

■メディア一撃

◆ 原発震災報道
“専門家”の「安全」解説の危険
 山口正紀

◆ボランティア主体の
 番組「いま私たちにできること」が開始
 岩本太郎

◆東日本大震災であらゆるメディアは”減災”を目指せ
 砂川浩慶

■辻元清美の永田町航海記リターンズ94
現場と政府を経験した一人として被災者の心に寄り添い力を尽くしたい

■残夢 第8回 革命修行
 鎌田慧

■「ただちに健康に影響をおよぼすことはないが」の意味を読み解こう
 植田武智

 放射性物質について、政府はいつも同じフレーズを繰り返してばかり。本当はどうなの?

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796号の注目記事

■もっと君を見せてくれませんか
 秋葉原事件・加藤被告人との「対話」
 松元 千枝

二〇〇八年六月に起きた秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大被告人から謝罪の手紙を受けとって、
返事を送り続ける被害者がいる。手紙には何が書かれていたのか。
被告人に向き合い、事件の意味を問い続ける湯浅洋さんの姿を追う。

■マクトゥーブ

 連載にあたって
 パオロ・ペレグリン氏に聞く
 聞き手・西山俊一

2001年9月11日、ニューヨーク、マンハッタンで起きた出来事は、イスラム世界に住むほとんど全ての人々の生活に衝撃を与える激しい反応を引き起こした。そして、この反応の余波はイスラム世界だけでなく、あらゆる場所の、全ての人々に影響を及ぼし、それは現在も続いている。写真家・パオロ・ペレグリンは「9・11」後のイスラム世界とそこに住む人々の生活を垣間みる旅へと導かれた。イスラム世界をグローバルな視点で探求するプロジェクト「マクトゥーブ」の連載にあたり話を聞いた。

■編集長×編集長
 SPA! 渡部超さん × 週刊金曜日 北村肇

時代によって
「サブカル誌」と言われたり、
「サラリーマン雑誌」、ある時期は
「下流雑誌」とも(笑)。全体を見渡しながら、
鵺のように立ち位置を変えてきた。
それが『SPA!』という雑誌です。

■岩国米軍住宅建設に予算が付いた
 鳩山内閣は住民を敵に回すのか
 成澤 宗男

鳩山内閣は厚木からの米軍空母艦載機移駐に必要となる岩国基地の住宅建設のため、
本年度予算で支出を決定した。四年前の住民投票以来、移駐に反対している岩国市民に対する、露骨な挑戦だ。

■櫂未知子の金曜俳句
 いい俳句をつくるコツとは

はじめまして、櫂未知子です。「俳句」といえば、芭蕉の〈古池や蛙飛びこむ水の音〉を思い浮かべるかたが多いのではないでしょうか。良さはわからなくてもなぜか覚えてしまう、それが俳句の面白さです。ちなみに、〈古池〉の句は、どんなに鄙びた町の中学生でも、すらすらと言えます。こんな詩は、世界中のどこにもありません。

■浮躁中国
 山西省毒ワクチン事件の行方
 麻生 晴一郎

メラミン混入毒ミルク事件を起こした中国で、今また、新たな問題が発生している。
山西省を中心に用いられたワクチンで、多くの子どもたちに健康被害が出ているという。

■破壊と希望のイラク 第15回
 イラク人医師と米国の平和活動家が語る(下)
 高遠菜穂子

最善策は「米軍の完全撤退」