おしらせブログ 週刊金曜日から定期購読者の皆様へのおしらせを掲載しています。

第21回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

ハイチ地震の傷跡

 水島伸敏

ハイチ地震の傷跡(ハイチレポート第一部)

 23万人という犠性者を出した、ハイチ地震。4ヶ月以上経った今ではほとんどニュースや新聞では目にしない、人々の記憶からはもう過去の出来事として薄らいでいる、その一方で最貧国に残された震災のつめ跡は広く、深い。

 首都ポルトープランスから東に車で約20分走った郊外にペルマーという地域がある、ここに孤児院やシェルターホームが何カ所か隣接している。数ヶ月前、キリスト敵バプティスト派の団体がハイチの子供を許可なく海外に連れ出そうとした事件があった。彼らが人身売買に関わっているかどうかは別として、この国には手助けを必要としている子供が大勢いるのは事実である。
 孤児院と呼ばれる所には養子が認められている施設と禁止されている施設との二つに分けられる。その一つ、養子ができるほうの施設H.I.S.Home For Childrenを訪ねた。中に入ってアメリカ人のスタッフが多いのにびっくりする、聞いてみたらみんなアメリカからのボランティアで、中には昨日着いた人もいるそうだ。個人差はあるが、1、2週間から数ヶ月居る人もいるそうだ。出迎えてくれた責任者の一人のクリスさんが案内をしてくれた。
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第20回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

修復的正義は機能しないのか
~高知県警白バイ事件の真相究明を求める~ 

 山下由佳

 平成一八年三月三日、高知県春野町で、スクールバスと県警交通機動隊の白バイが衝突して隊員が死亡した交通事故をめぐり、業務上過失致死罪で禁固一年四カ月の実刑判決を受けた片岡晴彦さんの冤罪の訴えが繰り広げられている。この事故処理と裁判の経緯については、ブログや雑誌やテレビ報道によって、全国で「合理的な疑い」が湧き起こり、ありのままの事件の真相究明が要請されている。
 筆者も、県内の人権活動仲間から救援依頼の手紙を受け取って後、さらに、事件を雑誌『冤罪File』で知って以来、支援者達と同様の疑問を抱き、現在、学術調査研究中。筆者の最大の疑問は、対向車線遠方から事故の一部始終を目撃したとして、裁判で証言台に立った同僚隊員の証言の信憑性である。というのも、高知県の交通機動隊の損害賠償事案の人身事故は年間一件程度であり、ましてや死亡という特殊なケースである。確率論から考えても、あまりにもできすぎた偶然だと思うからだ。同僚の市川幸男隊員の「私は白バイが時速六〇km、バスが時速一〇kmで動いて衝突するのを目撃した」との供述が、片岡晴彦さんの有罪を確定させた。
 片岡晴彦さんは昨年、高知県警を「証拠隠滅罪」で告訴。その不起訴処分に対して、検察審査会は、平成二一年一月二八日、捜査不十分と「不起訴不当」決定。その後、検察庁の再不起訴処分を経て、現在、被告高知県知事や県警本部長以下の関係者に対する一〇〇〇万円の「国家賠償請求事件」が係争中。また、事故処理から裁判経緯に納得がいかない片岡晴彦さんは再審請求を準備中である。
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第20回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」審査員特別賞入選作

マハラバの息吹―もうひとつの1960年代―

 藤井孝良

 コンクリートの岸辺に打ち上げられた魚。
 舞台の上の「彼ら」の肉体は演技としての動きを超えた生々しさがあった。どんな名役者であったとしても「彼ら」を超えることはおろか、その演技を真似することすらもおそらくできないだろう。なぜならば、「彼ら」は今こうして「」を付される存在だからだ。
 『平成18年身体障害児・者実態調査結果』等によれば、日本における障害者の延べ人数は、724万人。これは現在の埼玉県の人口を上回る。しかし舞台上の「彼ら」はこの724万人の中で、いや埼玉県民の誰よりも強烈な存在を私たちに印象づける。
 連休最後の日曜日、私はJR土浦駅前にある茨城県南生涯学習センターの大ホールにいた。脳性マヒ、ポリオなどの重度障害者9名によって構成される演劇集団、「劇団態変」の公演がある。「マハラバ伝説」と題されたその劇の存在を知ったのは2009年4月24日の『茨城新聞』朝刊の「伝説の”障害者解放区”描く」という見出しの小さな囲み記事だった。

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第19回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

北朝鮮の日本人妻に、自由往来を!

 西村秀樹

ドロボー暮らし

「北朝鮮でどうやって暮らしてきたんですか」とわたしが訊くと、
「泥棒ですよ、ドロボー」
 目の前にいる、少しやせ気味で高齢の女性の返事は、わざと冗談めかした口調で、それまでよりちょっと大きな声で、そう応えた。自嘲的というのか偽悪的というのか照れた表情だが、目は笑っていなかった。
 こうして北朝鮮から命からがら逃げてきた日本人女性へのインタビューが始まった。
「そうでもしないと、六人の子どもを抱えて生きていけない。だから…………」
と言い訳した。いたずらを先生に見つけられた小学生のような、はにかんだ表情を見せた。と同時に、母は勁(つよ)しと、わたしは心に刻んだ。
 女性は松川淑子という。まだ家族が北朝鮮に残っているから、世間に発表するなら仮名にしてくれとやさしくお願いされたので、本名を替えてある。目尻にくっきりと刻まれた皺、ささくれだった指先がままなく七〇歳代半ばを迎える年齢と、それ以上に、かの地の苛烈な暮らしぶりを想像させた。
 二年前(二〇〇六年六月)、二女マミ(仮名)といっしょに北朝鮮の鴨緑江を渡り、中国国内で活躍するNGOグループの手助けを得て中国のあちらこちらを転々と移動し、九月、中国国内の日本領事館に駆け込み、いまは大阪府八尾市内で娘と二人、静かに暮らしている。

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第19回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」佳作入選作

この壮大なる茶番

和歌山カレー事件「再調査」報告プロローグ

片岡 健

 

 和歌山カレー事件の発生は今から一〇年前、一九九八年七月二五日のことだ。和歌山市郊外の園部という町で催された夏祭りで、ヒ素が混入されたカレーを食べた六七人がヒ素中毒に罹患し、うち四人が死亡した。この事件の被告人・林眞須美(四七歳)は、一、二審で状況証拠のみ、動機も未解明のままに有罪・死刑判決を言い渡されたが、今も無実を訴えて上告中である。
 本稿は、公判記録などを元にこの事件を再検証した結果の一端を報告するものだ。最初に表明しておくが、私はこの事件を冤罪だと思っている。この事件が冤罪と聞き、ピンとこない人も多いだろうが、公判でも林眞須美が犯人とは断じがたい事実が数多く明らかになっている。それが、報じられてこなかっただけである。
 ただ、規定の紙幅で同女の無実を論証し尽くすのは、私の筆力では難しい。そこで本稿の目標にしたのは、事件発生当時に洪水のように報じられた同女の保険金殺人・殺人未遂疑惑――夫や知人にヒ素や睡眠薬を飲ませ、保険金を詐取していたらしい――に関する誤解を少しでも解くことだ。あの「別件」の疑惑が、同女がカレー事件の犯人だという世間の予断の大本と思えるからである。
 結論から言うと、この事件の初期報道は大半がデタラメで、林眞須美は保険金詐欺はやっていたが、保険金目的で人の命を狙った事実は一切ない。本稿によって、少しでも多くの方がそのことを理解し、同女がカレー事件の犯人だという思い込みを捨ててくれることを私は期待している。
 ではまず、林眞須美の保険金殺人・殺人未遂疑惑がどんなものだったか確認しておこう。これは「別件」の疑惑ではあるが、裁判でも、カレー事件の状況証拠として有罪の立証・認定に使われている。
 公判で検察は、同女が夫や知人ら計六人に対し、保険金目的でヒ素や睡眠薬を使用した事実がカレー事件以前に計二三件あると主張。うち六件が一、二審で同女の犯行、もしくは関与があったと認定され、「被告人は、人の命を奪うことに対する罪障感、抵抗感が鈍磨していた」(二審)などとして、カレー事件の有罪判決の根拠にされているわけだ。
 しかし公判では、検察が主張した林眞須美の保険金殺人・殺人未遂疑惑二三件は、根本から大嘘だとしか思えない事実が次々と明らかになった。以下、被害者とされた六人について、一人ずつ論証する。

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第19回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」優秀賞

この命、今果てるとも

――ハンセン病「最後の闘い」に挑んだ90歳――                             

入江秀子

 全国に13箇所ある国立ハンセン病療養所の施設を地域に開放し、同時に、高齢化する一方の入所者たちの終生在園と快適な生活を保障するための「ハンセン病問題基本法」(ハンセン病問題の解決の促進に関する法律)が、08年6月11日、成立した。超党派の国会議員による議員立法として、提出されていた議案であった。
 ハンセン病問題は、01年のあの歴史的な熊本判決により、すでに解決しているのではないかと思われているようだが、黒川温泉(熊本県・南小国町)の宿泊拒否事件に象徴されるように、ハンセン病回復者に対する根深い差別は依然として続いており、全国に約2800人(本稿執筆時)いる療養所入所者のなかには、いまなお、帰郷も両親の墓参も果たせない人が多数いるのである。また直近のニュースでは、北京五輪の組織委員会が発行した外国人向け「手引」の中に「ハンセン病患者は入国できない」という一項のあることが伝えられている。
 熊本判決から7年経った今、この訴訟を闘った人たちが、さらにまた、かつて「強制収容所」だった療養所を、地域に開かれた、福祉、医療、文化の拠点にしたいという理想に燃え、新たな闘いに立ち上がった。そして法案成立時には実に93万人を超える署名を集めたのである。その運動の核となったハンセン病回復者の人たちは、平均年齢79・5歳。いわば命を賭けた最後の闘いでもあった。

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第19回「週刊金曜日ルポルタージュ大賞」優秀賞

『推 定 有 罪 すべてはここから始まった~ある痴漢えん罪事件の記録と記憶』

前川優

「無罪の推定」は刑事裁判の原則か?

 ボクたち家族は今、ほとんどどん底の生活を味わっている。二〇〇七年十一月二十九日に横浜市教育委員会から「免職にする」という辞令を受け、ボクの収入が途絶えることですっかり生活が変わってしまった。しかし、これはあくまでも経済的にであって、精神的にはこれまでに経験したことがないくらいの「家族らしい」家族生活を実感している、と言ったら悔し紛れに聞こえるだろうか。 (さらに…)

田母神俊雄空幕長(当時)の隊員向け講話全文

 田母神俊雄幕僚長(当時)が2008年1月30日、航空自衛隊熊谷基地(埼玉県)で1時間ほど約1200人の隊員に向けて話した内容の「記録文書」を公開する(本誌11月14日号20~21ページ参照)。なお、航空幕僚監部はこの記録文書について「部隊として組織的に記録を指示した事実はない」と、記録文書について肯定も否定も避けている。

田母神俊雄空幕長(当時)の隊員向け講話全文(17.5MB)

「大鹿靖明『AERA』記者への公開質問状」について

 ホームページに掲載した佐藤優さんの「大鹿靖明『AERA』記者への公開質問状」 (2007年5月11日)について、今年5月に読者から概略下記のような指摘がありました。

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2007年8月15日に靖国神社に参拝した国会議員リスト

2007年8月15日に靖国神社に参拝した全国会議員のリストです。

◆靖国参拝者リスト(衆議院)

*自民党
【本人:34名】
新井悦二
井上信治
小川友一
鍵田忠兵衛
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