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新石垣空港訴訟――「環境影響は小」と棄却

 新石垣空港建設に反対する市民グループらが、国が沖縄県に出した空港設置許可処分の取消しを求めた裁判で、東京地裁民事第二部(川神裕裁判長)は六月九日、「さんご礁の保護など十分な対策は取られ、自然環境への影響は小さい」として訴えを棄却した。原告側は控訴する方針。

 裁判では、沖縄県が二〇一三年三月に開港を予定する新空港建設をめぐり、土地を共有する原告らが環境影響評価(アセス)法並びに航空法に違反しているとして、国の設置許可を取り消すよう求めていた。

  判決は「さんご礁に流出する赤土を防ぐ十分な対策は取られ、降雨時の流出を監視する仕組みもある。赤土等流出防止対策には、むしろ一応の有効性も認められる」とした。また「樹木の伐採や工事の騒音でコウモリなどの動物の生息環境は変化するが、島の中の別の場所で生息することができ、本件空港周辺のみにとどまらず石垣島全体で考慮していく視点が重要である」とし、沖縄県の保全手段について一応の合理性を認め、アセス手続きも問題ないとした。

 さらに、地下に空洞がある滑走路の安全性については「計画書に航空機の荷重に耐え得るものとして記述されている」ことを理由に、「設置許可を出した国の判断は適当」とした。この判断については裁判所は被告(国)さえ想定していなかった航空法第四二条を引き合いに出し、「実際の滑走路が強度を有するかどうかは完成時の審査事項である」からと述べ、「検査で問題があれば、完成時に安全性を調べれば良い」という論法には呆れるだけだ。

 原告の「八重山・白保の海を守る会」の生島融事務局長は「裁判官に現地まで見てもらい、五年間も審理したのは何だったのか!」と長期化した審理の間に工事が進み、空港建設が既成事実化していることに怒る。また足立修一弁護士は「コウモリは石垣のどこかで生きていけばいいという判断は粗っぽい。沖縄県のやっていることを追認するだけの姿勢には腹が立つ」と語った。

(しんどうけんいち・原告、6月17日号)