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山城博治議長、長期勾留から保釈――「運動つぶしの不当弾圧だ。闘いは不滅」

2017年4月5日10:58AM

那覇地裁前に集まった山城博治さんらの支援者たち。(撮影/浅野健一)

辺野古と東村高江の米軍基地反対行動を巡り、威力業務妨害などの罪で起訴された沖縄平和運動センターの山城博治議長ら3人の初公判が3月17日、沖縄・那覇地裁(潮海二郎裁判長)であった。

筆者は3月8日、那覇地裁総務課に「記者席」での取材を要請したが、新盛誠広報係長は13日、「記者クラブ(13社)以外は認めない」と通告。22席の傍聴券に379人が並び、筆者は抽選に外れた。

弁護団や傍聴した支援者によると、山城さんは罪状認否に先立ち、「5カ月に及ぶ勾留と被告人の権利を奪う不当な処遇に、強い憤りを表明したい」「これはまごうことなき不当弾圧だ。闘いは不滅だ」と表明。起訴事実について、有刺鉄線一本をペンチで切断した以外は否認、「政府の横暴への抗議行動で、正当な表現行為」と訴えた。

『沖縄タイムス』は18日の社説で、「辺野古新基地反対の民意が無視される中、政治的表現として抵抗権を行使した」と指摘。『琉球新報』は「新基地建設の強行を眼前にし、やむにやまれぬ思いで及んだ山城議長らの行為は正当防衛に等しい」と論じた。

約500人の支援者が終日「裁判所は人権を守れ」などと訴えた。地裁入口は職員らが鉄柵のバリケードで市民を遮断し、多数の制服警察官が警備。「防犯カメラ作動中」の貼り紙があり、警察官がビデオカメラを支援者に向けた。

弁護人の池宮城紀夫弁護士によると、検察側は、地元の2紙が山城氏に書面インタビューした記事について、「接見禁止中の被告への取材は問題だ」と通告しているという。池宮城弁護士は「山城さんは少しやせたが、精神的には元気いっぱい。接見が禁止されている中、2紙に載る支援者の声が大きな励みになっている」と話した。

弁護側は閉廷後に保釈請求し、地裁は17日夜、保釈を認め、福岡高裁那覇支部も保釈を決定、山城さんは18日、保釈された。

(浅野健一・ジャーナリスト、3月24日号)

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