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立憲ネット議員、沖縄へ――「民主主義の危機」共有

2016年4月27日10:13AM

4月4日、辺野古ゲート前で座り込み行動に参加する議員たち。(提供/仲村未央)

4月4日、辺野古ゲート前で座り込み行動に参加する議員たち。(提供/仲村未央)

「自治体議員立憲ネットワーク」(会員759名・以下「立憲ネット」)の沖縄研修が4月3、4の両日、沖縄本島北部恩納村内のホテルを主会場に行なわれた。講師に招かれたのは翁長雄志沖縄県知事、稲嶺進名護市長、浅井春夫立教大学教授の3氏。辺野古新基地建設問題を通じて沖縄から見えるこの国の「民主主義の危機」を共有した。

立憲ネットは安保法案の提出をめぐって世論が警戒を高めていた2014年6月に立ち上がる。「立憲主義」を踏みにじる安倍政権との対決を鮮明に打ち出し、全国の自治体議員に結集を呼びかけた。

これに呼応し、15年12月には「立憲ネットおきなわ」が発足。「法を恣意的に解釈運用し、力ずくで民意を封殺・弾圧する安倍政権の姿勢は、安保法においても、辺野古新基地建設においても同じだ」として連帯の裾野を広げた。沖縄会員は、県議16名を含む80名超。

「沖縄の民主主義はやわではない。米軍ともやりあう中で県民自ら人権を獲得してきた」(翁長知事)、「直接交付金による政府の懐柔は地方をないがしろにし市民を分断するもの。国と対立すればどこでも起こりうる」(稲嶺市長)と、基地問題をめぐり民意の先頭に立つ二人の首長は、全国の議員を前に問題の本質を各々の課題に照らして問い直すよう呼びかけた。

さらに、浅井教授からは、今日、全国の2倍にあたる沖縄の子どもの貧困率の表出は「沖縄戦及び米軍占領の歴史をおいては語れない」と述べ、軍事優先の社会がもたらす影響は複合かつ長期に、最も弱い者を虐げていくと分析した。

各地で足場を固める自治体議員のつながりは参院選「市民連合」を底辺で支えていくはずだ。改憲勢力3分の2阻止、安保法廃止、新基地建設阻止の具体的方針を打ち出す、立憲ネットの始動に注目と期待を集めたい。

(仲村未央・立憲ネットおきなわ幹事長、沖縄県議会議員、4月15日号)

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