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非正規滞在の子どもらがパレード――「家族を分断するな」

渋谷周辺をパレードする非正規滞在の子どもら。(撮影/斉藤円華)

渋谷周辺をパレードする非正規滞在の子どもら。(撮影/斉藤円華)

「法務省は在留を認めろ」「家族を送還するな」。外国人で、出生または幼い時から在留資格がないまま日本で生活する子ども8人が20日、親や支援者らと共に東京・渋谷駅周辺をパレード(デモ行進)した。

パレードは子どもらを支援するNPO法人APFSが主催。子どもの多くは海外から働きにきた両親の下、日本で生まれ育った。専門学校で介護を学ぶ男性(18歳)の両親はフィリピン出身だが「フィリピンに行ったことは一度もない」と話す。娘が高校に通うイラン人の母親は「子どもにとっては日本が祖国」と訴えた。

1990年代、在留資格を持たずに働く人の数は最大で約30万に達した。NPOの加藤丈太郎代表理事は「在留資格を持たない外国人が、人手不足を補完する労働力として黙認されていた。ところがバブルが崩壊し、さらに結婚して子どもが生まれると、国の取締りが厳しくなった」と指摘する。

在留資格がなければ日本で就職できない。「在留申請してから8年が経つ子どももいる。このまま成人することだけは避けたい」と加藤氏。子どもらの親は入国管理局に摘発後は働けず、生活保護も受けられない。そのため親族の家に居候するなど、極めて不安定な生活を強いられている。

法務省は親や兄弟の帰国を条件に、申請する子ども本人に限り在留許可認定をほのめかす。しかし前出の専門学校生は「今、両親がフィリピンに帰国しても仕事を見つけ、生活することは厳しい。弟は小学3年だが、日本で学んだことを活かせない」と否定的だ。

「子どもの権利条約」第9条では、児童が父母の意思に反して父母から分離されないよう締約国に求める。日本も条約を批准するが、第9条を独自に解釈。強制退去による父母からの分離を正当化する。都合のいい時だけ就労を黙認し、家族の分断をゴリ押しする国の方針は「棄民政策」と言える。

(斉藤円華・ジャーナリスト、12月25日号)