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座り込み500日目、辺野古ゲート前に1200人――海保の暴力的警備が続く

2015年12月7日1:00PM

抗議船に飛び乗ってきた海上保安官。女性の腕を締め上げ(右)、船長からキーを奪った(左下)。(撮影/尾崎孝史)

抗議船に飛び乗ってきた海上保安官。女性の腕を締め上げ(右)、船長からキーを奪った(左下)。(撮影/尾崎孝史)

11月18日、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ、第一ゲート前。新基地建設のための資材搬入を阻止するため、市民が座り込みを始めてから500日目の夜明けを迎えた。

ここでは連日、警視庁から送り込まれた機動隊によって、市民の強制排除が行なわれていた。こじあけられたゲートから、資材や重機を積んだトラックが進入していった。前日には、辺野古埋め立ての代執行を求め、国が知事を提訴するという緊迫した状況になっていた。

「きょう、1000人の県民がここに結集してゲートを閉めます。歴史をかけた闘いの時だ!」

午前6時半、沖縄平和運動センター議長の山城博治さんがマイクで訴えた。呼びかけに応え集まってきたのは県内各地の住民たち。国会議員や“mamaぐるみ”の女性、SEALDs RYUKYUの若者も列に加わる。護送用のバスで待機している機動隊は押し黙ったままだ。

「ついに1000人を超えたようです! 誇りある県民と全国の仲間が機動隊の暴挙を止めた!」

7時半、山城さんの報告に歓声がわく。この日集まった市民は1200人にのぼった。工事用車両の進入は確認されなかった。“基地封鎖”を成しとげた一日だった。

一方、海の上では人命にかかわる過剰警備があった。

この日、工事の強行を止めようと、市民がカヌー13艇と小型船4隻に乗り込み、海に出ていた。午後2時、工事区域を示すオイルフェンスを超えると、海上保安庁(海保)のボートが猛スピードで突っ込んできた。筆者がいた船にも海上保安官が飛び乗り、船長の腕を締め上げた。

ほどなく別の抗議船について連絡が入る。

「海保に拘束された船長が意識不明となり、嘔吐をくり返している」

船長は保安官4人に押さえ込まれ、デッキに倒れ込んだという。救急車を呼ぶよう保安官に訴えるが、対応してくれない。その後、意識を回復した船長は、「海保に馬乗りにされた。殺されると思った」と語った。

船長失神の知らせを受け、山城博治さんはこう話す。

「きょう、あれだけ多くの人がゲート前に集まった。そこに恐怖する権力の姿が見える。機動隊も海保も、“市民をけちらせ”と安倍政権から指示を受けてきているわけだから。

仲間が暴力にさらされるのはたまらない。ここには、怒りも喜びも悲しみもすべてある」

(尾崎孝史・写真家、11月27日号)

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