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鬼怒川堤防改修より優先着工のスーパー堤防――既存の「緩傾斜堤防」で十分

2015年10月6日5:10PM

スーパー堤防予定地は着工地(左上楕円囲み)から左右に広がる。左上から右上の斜線は傾斜地堤防。(9月11日、撮影/まさのあつこ)

スーパー堤防予定地は着工地(左上楕円囲み)から左右に広がる。左上から右上の斜線は傾斜地堤防。(9月11日、撮影/まさのあつこ)

「鬼怒川は(略)ひとたび洪水が発生すれば甚大な被害が発生することが予想されます」――堤防強化を含めた国の「鬼怒川直轄河川改修事業」の継続を求めて茨城県が昨年10月に出した意見である。

実際、9月10日の台風18号で複数箇所の堤防が決壊し、甚大な被害が出た。一方、国がその下流で今年着工した東京都江戸川区北小岩の区間(120mで47億円)の被害はどうだったか。

「数年前に『緩傾斜堤防』という堤防補強を終えたばかりなのに」とスーパー堤防のムダを訴えるのは江戸川区スーパー堤防取消訴訟を支援する会の堀達雄事務局長だ。

一部河川敷に水が残るが、緩傾斜堤防を超え浸水した場所はなく(写真)、着工地前、数百m下流も同様。

スーパー堤防事業は総事業費12兆円で民主党政権下で廃止されたが、江戸川区で強行。優先順序が間違っているのではないか。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、9月18日号)

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