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地震から1カ月以上のネパールで復興めざし――NGO活かす窓口一元政策

2015年6月18日5:48PM

ネパール・ヌワコット王朝付近のコミュニティも被災。(5月20日、撮影/蜂谷翔子)

ネパール・ヌワコット王朝付近のコミュニティも被災。(5月20日、撮影/蜂谷翔子)

4月25日にネパールをマグニチュード7・8の地震が襲ってから1カ月以上が経過。国内外での犠牲者の数は8000人を超える。

さまざまな機関による支援活動の中で被害の状況が少しずつ把握される中、徐々に地理的に到達するのが難しい場所への支援が最重要課題だと認識され始めている。

首都カトマンズの国際空港と大きな道路への被害が少なかった為、市内では物流がストップすることはなく物資の供給は比較的安定してはいるものの、地震が発生してから約2週間の緊急支援の段階で、モンスーンの雨期が迫る現地ではシェルターの需要が高まるが、テントをつくるターポリンという生地が不足して入手困難に。

非常事態の中で支援の方法を模索する中、ネパール政府は、ネパールの72郡に設置されているDDRC(地域災害リリーフセンター)を通じて、国内外のNGOが持っている物資、資金、人材が何なのか情報共有し、DDRCが支援能力に合った被災地を指定し、また他の支援団体との重複がないようにコーディネートするために「ワン・ウィンドウ・ポリシー(窓口一元政策)」というポリシーを採用。

ネパールで現在も支援活動をしている日本のNGOシャプラニールのカトマンズ事務所長・宮原麻季さんは、「このポリシーを活かして外部の人間が被災したコミュニティの中に入り込んでいき、平等主義に則った支援や、支援のミスユース(誤使用)がないように心がけ注力するべきだ」と話す。

彼女は震災前からシャプラニールで活動する中、ネパールの地方行政や省庁の人々と直接会って話をする機会がたくさんあり、「汚職が見えたりしてあまり楽しい想いをすることはなかったけれど、震災後、こんなに国際NGOに協力的な地方行政は初めて見たというくらい彼らはすごく一生懸命やっています」と評価する。

復興には長い時間がかかる。

(蜂谷翔子・ジャーナリスト、6月5日号)

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