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旅行添乗員組合が最高裁で完全勝利

2014年2月14日5:50PM

最高裁前で完全勝利に歓喜する組合員ら。(写真提供/菅野存・全国一般東京東部労組執行委員長)

最高裁前で完全勝利に歓喜する組合員ら。(写真提供/菅野存・全国一般東京東部労組執行委員長)

 派遣旅行添乗員の時間外労働をめぐり、最高裁が画期的な判断を示した。全国一般東京東部労働組合阪急トラベルサポート支部が「事業場外みなし労働」を理由とする残業代の不払いは違法として、(株)阪急トラベルサポート(本社・大阪市北区)を訴えていた3件の裁判のうち1件について、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は1月24日、添乗業務の実態を見ると労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないとし、みなし労働を適用できないと判断。他の2件についても控訴審判決を支持し、同日付で会社側の上告を棄却した。

 組合側はこの完全勝利判決を受け、厚生労働省で記者会見に臨み、「6年にわたる長い闘いだった。労働組合で勝ちとった勝利。今後も組合員一丸となってがんばる」と決意を表明。弁護団の一人である棗一郎弁護士は「みなし労働について初の最高裁の判断。添乗員だけではなく、蔓延しているみなし労働のルーズな適用に待ったをかける判断だ」と評価した。

 旅行業界では「事業場外みなし労働」を口実とする残業代不払い・長時間労働が一般化しており、全国1万人の派遣旅行添乗員に労働組合を作り立ち上がるきっかけを与える画期的・歴史的な判決となった。

(菅野存・全国一般東京東部労組執行委員長、1月31日号)

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