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朝鮮戦争停戦から六〇周年――平和協定求めるシンポ開催

2013年8月29日7:57PM

ジョンソン大統領時代に司法長官を務めたウィリアム・ラムゼイ・クラーク氏。(撮影/野中大樹)

ジョンソン大統領時代に司法長官を務めたウィリアム・ラムゼイ・クラーク氏。(撮影/野中大樹)

朝鮮戦争の停戦協定から今年で六〇年を迎えるにあたり八月一日、東京都千代田区の学士会館で「ソウル―ピョンヤン―東京 リレー国際シンポジウム 戦争から平和へ、朝米平和協定締結の道へ」が開かれた。主催はシンポ実行委。

基調報告としては、一九六七年から六九年まで米国司法長官を務めたウィリアム・ラムゼイ・クラーク氏が講演。「朝鮮半島はなぜ分断されたか。米国の軍事戦略を担った人々は、日本の安全のために基地を(韓国に)確保したかった。これは朝鮮にとって残酷きわまりない決定だった」とし、多数の朝鮮人が犠牲になったことは「ジェノサイド」だと指摘した。

パネルディスカッションでは、ブライアン・ベッカー氏(反戦反人種差別行動ANSWER事務総長)、鄭己烈氏(清華大学客員教授)らが朝鮮戦争の政治的背景や現在の政治状況について討議した。

ベッカー氏は、ブッシュ大統領(当時)がイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と呼んで緊張を高めた例を挙げ、「朝鮮半島はソウルでもピョンヤンでもなく、ワシントンの政治の結果に左右されている」と強調した。金英子氏(朝鮮大学校)は、日本が朝鮮戦争を通して米軍を支え、朝鮮半島の分断と緊張状態の維持に特別な役割を果たしている点を指摘した。

朝鮮戦争が勃発したのは一九五〇年。米国とソ連の代理戦争として、四八年に成立した大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が戦火を交えた。犠牲者は軍人・民間人あわせて数百万人と言われ、家族の離散もあいついだ。五三年に停戦協定が結ばれたが、現在も休戦状態にあり、東アジアにおける冷戦構造を規定しつづけている。

この日のシンポでは、平和協定締結への重要性が繰り返し説かれた。参加者は約三五〇人。七月二六日にソウルで行なわれたシンポには約二五〇人が出席した。

(野中大樹・編集部、8月9日号)

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