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過労死をなくそう!龍基金――二紙の記者が受賞

2013年8月29日7:53PM

「過労死をなくそう!龍基金」中島富雄賞の第七回授賞式が八月四日、東京・すみだ産業会館で開かれ、代表の中島晴香さんから、過労死や過労自殺問題を意欲的に報じてきた『東京新聞』記者の中沢誠さんと皆川剛さん、『産経新聞』記者の小野木康雄さんの三人に賞が贈られた。中沢さんらは「これを励みに、引き続き過労死問題に取り組んでいきたい」などと述べた。

 同基金は、(株)すかいらーくに勤務中の二〇〇四年八月に過労死で亡くなった中島富雄さんの遺志を継いで設立。〇七年から過労死や過労自殺根絶のために活動する団体・個人を顕彰し、これまでは闘う当事者や遺族が中心だったが、今回はそれらを伝えるマスコミの役割も重要とし、初めて報じる側の受賞となった。

 授賞式では、昨年同賞を受賞したワタミ過労死遺族の森豪・祐子さん夫妻が、入社二カ月で死亡した娘・美菜さん(二〇〇八年当時・二六歳)の過労自殺についてワタミフードサービス前会長の渡邉美樹氏(現・参議院議員)の責任を追及している問題について報告。「八月二日付の『朝日新聞』にインタビュー記事が載ったが、まったく反省などしていない。『二四時間働け、三六五日働け』などという人が国会議員になってしまい、この国の将来が不安」などとし、引き続きワタミの社会的責任を追及していく決意を述べた。

 また、「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子世話人代表が、「過労死防止基本法」制定をめざす請願運動について「議員連盟もでき、一〇〇万人署名は現在、四五万人まで近づいている」とし、協力を呼びかけた。第二部では、『毎日新聞』記者の東海林智さんが「労働は商品ではない! いのちと働く者の尊厳を守るために」と題して講演した。

(片岡伸行・本誌編集部、8月9日号)

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