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劉連仁生誕100年の墓前祭開催

2013年5月21日1:05PM

あいさつする劉連仁さんの息子・煥新さん。(写真/大谷猛夫)

 中国山東省高密市草泊村にある劉連仁の墓所で4月7日、劉連仁生誕100年の墓前祭が行なわれた。清明節直後の晴れた空の下、約150人が参加した。

 劉さんは、戦争末期に中国から北海道の明治鉱業に強制連行された。日本の敗戦間際の1945年7月に逃げ出し、日本の敗戦を知らずに北海道の山野を13年間逃げていた、中国人強制連行のシンボルのような人物だ。

 劉さんは日本政府を訴え、2001年に東京地裁で勝利判決を勝ち取ったが、判決が出る直前帰らぬ人となった。

 墓前祭で、中国の弁護士・康健さんは「あの年寄りがどんなに苦しみ、どんなに悔しい思いで亡くなっていったかを思い起こしながら、日本と中国の団結を固め、今後の闘いを進めていきましょう」と述べた。

 中国人強制連行事件訴訟弁護団長の高橋融さんは「劉連仁さんをはじめ、中国各地の労工が日本政府と企業を提訴して裁判が始まりました。日本の裁判は最終的にすべて敗訴でしたが、強制連行事件の最終判決は『当事者の交渉で解決すべき』となっています。解決にむけ運動を広げましょう」と語った。

 交流会では、強制連行被害者と日本の市民運動が力をあわせて、謝罪しない日本政府と企業に向けて日中共同で闘いを続けていこうと決意を固めた。

(大谷猛夫・中国人戦争被害者の要求を支える会事務局長、4月19日号)

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