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東京都府中市のガソリンスタンド――組合が自主営業開始

2013年2月27日5:37PM

「職場を守ろう」と声をあげる組合員たち。(撮影/清水直子)

 東京都府中市のガソリンスタンドで、労働組合が職場を占拠し、自主営業を行なっている。同労組は二〇一一年七月、時間外労働の割り増し賃金支払いなどを求めて、調布市と府中市内のガソリンスタンドで働く従業員で結成。従業員二〇人の過半数が加入している。

 二カ所の事業所を経営するのは(株)柴田商店(柴田昌克代表取締役社長)。同労組によると、柴田社長は、店長や工場長など「名ばかり管理職」であった組合員の職務手当を残業代に含める計算方法で算出し一方的に振り込み、一二年一一月には営業時間を二四時間から半日に一方的に短縮するなど、問題のある対応に終始。

 そこで、組合の中心メンバーである管理職の組合員が東京管理職ユニオンに二重加盟し、同ユニオンの支援を受けて一二年一二月、会社に交渉を申し入れた。すると柴田社長は年末の賞与を支払わず、車検など収益率のよい業務を中止するよう指示。今年一月三〇日には、ガソリンスタンドの破産手続きに入り、従業員全員に解雇を通告したため、労働組合が自主営業を開始した。

 東京管理職ユニオン書記長の鈴木剛さんは「経営者の失策や身勝手な都合による偽装倒産・偽装破産が増えている。事業は黒字であり、経営者一族は駐車場やマンションの賃貸事業を行なう地元の大地主。債務超過といっても経営者一族からの会社への貸し付けがほとんど。組合員は、車検整備工場も運営し、長年顧客からの信頼を得ていい仕事をしてきた。経営者の責任を追及しながら、労働者自身の手で職場再建したい」と語る。

 自主営業中のガソリンスタンドは、京王線飛田給駅近くの「府中白糸台SS」(府中市白糸台六ー八ー三)。ガソリンの供給が停止されたため、現在は車両整備などを中心に運営している。問い合わせは東京管理職ユニオン 電話番号 03-5371-5170。

(清水直子・ライター、2月8日号)

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