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スーパーをグリーンピースが調査――マダラに放射能検出

2012年12月18日5:42PM

スーパーの前で食品の放射能検査を求めて活動。(撮影/Greenpeace・Jeremie Sutton-Hibbrt)

 国内の大手スーパーマーケットで売られている岩手県産のマダラからセシウムが検出――。

 国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが実施した調査で判明したもので、放射能汚染されたマダラが広く流通している実態が明らかとなった。同団体は大手スーパー五社の店舗(関東地方・東海地方)で販売されている魚介類商品を購入し、放射能検査を実施。調査結果は一一月二二日に発表された。

 九回目となる今回の検査はボランティアが各スーパーの店頭で購入した二五種類の魚介類商品を、第三者機関でゲルマニウム半導体検出器を用いて測定して実施。その結果、ユニー(アピタ)長津田店(神奈川県横浜市)で購入したマダラから一キロ当たり一六・九ベクレル、イオン熱田店(愛知県熱田市)で購入したマダラから同一四・七ベクレル、西友御器所店(愛知県名古屋市)で購入したマダラから同八・五ベクレルの放射性セシウム(134、137の合計)が検出された。

 日本で獲れるマダラは複数の系群に分かれており、太平洋北系群のマダラは東京電力福島第一原発沖を含む東日本太平洋沖を南北に移動している。今回放射性物質が検出されたマダラはいずれもこの系群のものが岩手県で水揚げされたと考えられる。なお、隣の宮城県ではいまだにマダラの出荷規制が続いている。

 鍋の具材として人気のマダラはこの季節、食卓に並ぶ魚介類の購入先の七割を占めるスーパーで広く売られている。しかし、放射能に関しては安全のしきい値がなく、小さな子どもを持つ親や祖父母を中心に不安は根強い。多くの客がスーパーに「食品放射能検査を実施・強化し、その数値を公表する」ニーズを知らせることで、消費者が十分な商品情報を基に自分の基準で選択購入できる体制ができる。

 消費者の不安を解消することが、漁業を守ることにもつながる。

(花岡和佳男/グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当、11月30日号)

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