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「金曜デモ」撮影求めて仮処分申請――国会記者会が屋上使用拒否

司法記者クラブで会見に臨む白石草さん(右から2人目)。(撮影/まさのあつこ)

「七月二九日午後六時から午後九時までの間に国会記者会館の屋上を使用することを求める」

 こんな前代未聞の申立てを東京地方裁判所に行なったのは、一日一万ヒットを誇るインターネットメディア、NPO法人OurPlanet-TV代表の白石草さんだ。毎週金曜日夜に繰り広げられる官邸前デモを、官邸前にある四階建ての国会記者会館の屋上から撮影をしたいと頼んだところ、国会記者会の佐賀年之事務局長に「使用は国会記者会に加盟しているメディアに限る」と断られた。弁護士同行で二度三度申し入れたが断られ、「見通しが立たない」ことから裁判所によるスピード判断である「仮処分命令」を求めた。

 白石さんは「戦後初めてと言われるような無組織で集まってきた友だち、家族連れが参加するユニークなもの。官邸前は細い通路で把握が難しいが全体像を見せたい。市民のカンパで空撮プロジェクトをやったが、天候にも左右される。リアルに伝えるには屋上から長時間撮影したい。まずは二九日に国会を取り囲むデモがある」と取材権の保護を求めた。

 弁護に立つ小松圭介弁護士は「国会記者会は、広く報道の自由に資するために(衆議院から)国有財産の提供を受けている。記者クラブに所属しないことのみをもって、実績と実力のあるジャーナリストを排除する行動は自らの正当性の根拠を取り崩すものだ」と述べた。

 国会記者会は一五三社が加盟。その会費収入で元共同通信記者の佐賀事務局長を含め六人の常勤職員を雇用し、国会記者会館を管理。今回は常任幹事社四社(共同通信、『朝日新聞』、テレビ東京、『西日本新聞』)らが協議をして「白石さんの立ち入りは認められない」と決めた。

 国会記者会館の屋上はメディアの既得権益の象徴となった。裁判官の判断は近く出される見込みだ。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、7月27日号)