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地元財界も廃炉要求の伊方原発――再稼働へ強まる策動

2012年3月29日5:50PM

 原子力安全・保安院は三月九日、四国電力が提出した伊方原発3号炉(愛媛県伊方町)の再稼働の前提条件となる安全評価(ストレステスト)の結果について「妥当」とする審査書の素案をまとめ、専門家による保安院の意見聴取会に提示した。この原発の前面海域断層による地震について国の地震調査研究推進本部は、「M八・〇程度もしくはそれ以上」と推定している危険地域(本誌三月九日号参照)。再稼働手続きを進める政府に対して反発が起こっている。

 愛媛県の財界を代表する県商工会議所連合会(会頭、白石省三・三浦工業会長)は一二日、再稼働に反対する見解を発表。運転開始から約三〇年を経た1号、2号は廃炉とし、3号は電力の安定供給のために一〇年程度稼働した後の廃炉を要求した。日本商工会議所は再稼働を求めており、地方組織の廃炉要求は異例だ。

 カギとなる地元合意について中村時広県知事のハードルは低いとみられているが、県議会合意について阿部悦子県議(環境市民)は「最大会派の自民党県議は福島を数多く訪れ、原子力安全委員会の班目春樹委員長の発言が二転三転したことへの不信感もある。再稼働一枚岩ではない」と分析する。

 一方、経済産業省前には九日夜、雨にもかかわらず七〇人以上の市民が集まり、「ストレステスト妥当」判断に抗議の声を上げた。東京都品川区から駆けつけたという二九歳の女性は「東電福島第一原発のような事故が起きない対策が取られているなんて信じられない。ご都合主義だ」と話している。

 再稼働強行を企む政府は、この国を滅ぼしたいのだろうか。

(伊田浩之・編集部、3月16日号)

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