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サーモン流通の陰 三菱商事の海外養殖場計画に深刻な海洋汚染への危惧

チリ・マガジャネス地域の三菱商事サーモン養殖場。(提供/グリーンピース・ジャパン)

安価なチリ産養殖サーモンは消費者にとってありがたい存在だが、サーモン養殖が海に深刻なダメージを与えることは知られていない。養殖場から抗生物質や飼料、魚の死骸やフンが海に流出し、有害な赤潮の発生原因となっているのだ。

チリ南端部のマガジャネス地域は、絶滅危惧種のシロナガスクジラやチリにしかいないハラジロイルカなど、海洋生物の南米最後の楽園だ。そこへ300を超えるサーモンの養殖場計画が忍び寄る。

三菱商事(株)の子会社セルマックは、ノルウェー、カナダ、チリでサーモン養殖事業を展開している。環境団体オセアナの報告によると、同社がチリで使用する抗生物質の量はノルウェーでの使用量の最大約500倍に及ぶ。同社は25カ所の養殖場を申請し、内10カ所はハラジロイルカが最も観測される国立保護区にかかる。

国際環境NGOグリーンピースは、三菱商事に申請撤回を求める署名を今年から開始。これまでに国内外で15万人以上の声が集まっている。同社は「環境・社会的に責任ある生産基準を厳守している」とするが、生態系への影響を危惧する人々や地元住民の不安は拭えていない。

恩恵を受ける日本の消費者もこの深刻な問題を直視し、残り少ない手つかずの自然を守るために声を上げてほしい。

署名はURL http://act.gp/salmonへ。

(小松原和恵・グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当、4月21日号)