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下品な首相に下品な官僚(佐高信)

前略 財務官僚殿

私が学生時代に入っていた郷里の寮の寮監の佐藤正能(さとうまさよし)先生は歌人でもありましたが、「聞きたきは抱負にあらず国政の重きを畏(おそ)る一言なるを」という歌をつくっています。聞きたいのはビジョンとやらではない、国の政治に携わる重大さを畏れる一言だ、ということでしょう。

「バカな大将、敵より怖い」という言葉がピッタリの安倍首相に当てはめて言えば「聞きたきは言いわけにあらず国政の重きを畏る一言なるを」となります。

この首相と呼びたくない首相は森友学園の籠池泰典を最初は評価していたわけですが、こうしたウサン臭い人間しか周囲にいないということが問題なのです。安倍個人の問題であると同時に首相という地位、権能を汚しているのだということが安倍にはまったくわかっていません。

それ以上に哀れにさえ思うのは、プライドのかけらもない財務官僚の醜態ですね。

いまは亡き元首相の橋本龍太郎氏のお父さんの龍伍さんは、東京帝国大学を出て、旧大蔵省(現財務省)に入ったあなた方の先輩ですが、つねづね、こう言っていたということです。

「国家公務員にせよ、政治家にせよ、株は持つべきではない。公務員も、政治家も、一般の者が手に入れることのできない情報にしょっちゅう接する。その人間が株を扱ってはいけない。もし知っている情報を使わなかったと言いはっても、あらぬ誤解を受ける」

     「総理も俺も長州人」と自慢する迫田長官

今度の問題に関わって言えば、首相の友人なら、なおさら認可や土地取得で疑われるようなことをしてはいけないし、首相もそうした人を近づけてはいけないでしょう。

この基本の基の字が、安倍はもちろん、「安倍に最も近い財務官僚」といわれる田中一穂(たなかかずほ)や、「総理も俺も長州人」などと自慢する迫田英典(さこたひでのり、理財局長から国税庁長官)にはまったくわかっていません。

かつて、大蔵官僚が過剰な接待を受けていたことが発覚してスキャンダルになった時、匿名での彼らの放言をまとめたテリー伊藤編著の『お笑い大蔵省極秘情報』(飛鳥新社)が話題になりました。この中で私も名前を挙げて脅されたので訴えたのですが、その第2弾『大蔵官僚の復讐』(同)で、彼らは厚かましくも開き直っています。

キャリアもバカ、国民はもっとバカと罵るノンキャリアに、たまりかねてテリーが、
「あなたは反省の色が全然ないじゃないですか」
と迫ると、
「我々は反省する必要がないんだから。間違ったことはなんにもしてない」
と蛙のつらにションベンなのです。

そして、怪しげな石油商から絵をもらった主計局長(当時)の湧井洋治(わくいようじ)について、ダーティさがわかりやすい湧井の手が後ろに回らない理由を、こう語っています。

当時、法務省は旧館がきれいに手入れされて残っている上に、裏に真新しいハイテクビルが建ちました。

それに対して大蔵省が、法務・検察は気に入らないから、コンピュータそのものは導入させません、その予算は認めません、と言ったら、あのビルはがらんどうになってしまう、というのです。

検察が証券局長室のガサ入れまでやりながら、証券局長だった長野厖士(ながのあつし)を逮捕しなかったのは、職務権限にからんで公判を維持できないかもしれないと思ったこともありますが、結局、大蔵省が怖いからだ、と匿名大蔵官僚は主張しています。証券局長以上に怖いのは、予算を握る主計局長の湧井であり、だから踏み込めなかったというわけです。

(さたか まこと・『週刊金曜日』編集委員、3月24日号)

「慰安婦」少女像がドイツでも設置される 日本国総領事は撤去を要求

ドイツに設置された像をなでるアン・ジョムスンさん。(提供/矢嶋宰)

3月8日、欧州では初となる「慰安婦」少女像がドイツ南部で設置された。場所はバイエルン州レーゲンスブルク近郊にある私立公園「ネパール・ヒマラヤ・パヴィリオン」内の一角。韓国・水原市からの50人ほどを含むおよそ100人の参席者たちの見守る中、除幕式が執り行なわれた。

「日本では像の設置を単純に反日行為だと受けとる人がいますが、これは『慰安婦』問題を通じて戦時下のあらゆる性暴力に反対し、平和の大切さを伝えるものです」

そう語るのは水原市「ドイツ平和碑推進委員会共同執行委員長」のファン・ウィスクさん。昨年、姉妹都市であるフライブルクでの像設置を日本からの横やりで断念した。今回は韓国系住民の手を借り準備して来たが候補地が二転三転、ぎりぎりのタイミングで当公園に決定したという。

この日は生存者のアン・ジョムスンさん(88歳)も立ち会った。14歳の時に「慰安婦」として連行された経験を持つ。

「日韓合意で『慰安婦』問題が解決なんて私にはとうてい受け入れられない。お金よりも誠意ある謝罪です。いまでも私たちのことを?つき呼ばわりする日本人がいるのもたまらない」

と像が世界に向けて放つメッセージに期待を寄せる。

この像設置を受けて在ミュンヘン日本国総領事も動いた。13日、公園の所有者であるヘリベルト・ヴィルト氏と面会し、像の撤去を要求した。ヴィルト氏に手渡した日本政府の立場を説明する書面には「(日韓合意に基づき)46人を対象に1000万円ずつ支払われ、支払うつもりだ」とあるが、これだとすべての生存者が受け取る意思があるかのような誤った印象を与える。日韓合意を批判し受け取り拒否を表明している女性たちも実際いるからだ。なおヴィルト氏は像撤去に応じる考えは今のところ示していない。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、3月24日号)