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森友学園問題で安倍昭恵氏の関与どこまで 迫田英典国税庁長官の参考人招致は?

安倍昭恵氏はだれが考えても「公人」であろう。3月5日、国会前。(撮影/横田一)

3月5日、森友学園問題の国会前集会(主催者は「森友10万人デモ実行委員会」)が開かれ、約200人が参加、2015年の安保法制反対集会と同じような雰囲気となってきた。「いりません!! 安倍晋三記念小学校」と銘打ったプラカードが立ち並ぶ中、映画監督や制服向上委員会の女子学生や三色旗を持った創価学会員らが次々とスピーチ。合間には「安倍は辞めろ!」のコールが入り、最後は10万人集会で安倍政権打倒の目標が確認される流れであったためだ。

目を引かれたのは「アッキード事件 ファーストレディは公人です」というプラカード。2日の参院予算委員会で山本太郎参院議員(自由党)が、“アッキー”こと安倍昭恵氏にかけて「アッキード事件」と質問すると、安倍晋三首相は「この問題の核心とは関係なく、名誉を傷つけるために委員会の場を活用」と強い不快感を示したが、昭恵氏の関与の解明こそ森友学園疑惑の核心なのだ。

小池晃参院議員(共産党書記局長)の質問に対しても安倍首相は「妻は私人」と反論したが、実態は限りなく公人に近い。昭恵氏の取材をすれば、すぐに気付くことだが、被災地をはじめ全国各地を飛び回る昭恵氏には、秘書が同行する。肩書は「内閣総理大臣夫人付」(「ASSISTANT TO THESPOUSE OF THE PRIME MINISTER」で、連絡先(所属)は「内閣総理大臣官邸」である。

防潮堤見直しや森林保護問題などの集会に参加、講演や質疑応答をする時の昭恵氏の決まり文句は「(この問題について)夫に伝えます」。集会で取り上げられたテーマ(課題)について「昭恵氏から安倍首相に伝わるに違いない」と主催者や参加者が確信する場面は、追っかけ取材の中で何度も見てきた。

安倍首相に日常的に直訴することができる昭恵氏は、並の国会議員以上の太いパイプと影響力を持つ“陳情窓口”と言える。昭恵氏が13年秋から熱心に取り組み始めた防潮堤見直しの集会で、安倍首相のビデオメッセージが流れたことがあったが、ファーストレディ(公人)の影響力を行使した賜物と捉えられたのは言うまでもない。

森友学園の講演でも防潮堤見直し集会と同様、昭恵氏には秘書が同行した。過去の昭恵氏の行動パターン(官邸の秘書が同行して陳情窓口となる)からすれば、学園側の要望を夫の安倍首相に伝えた可能性はきわめて高いといえる。

【迫田元理財局長の招致を】

一方、森友学園側の要望について安倍首相が役所に働き掛け(口利き)をした状況証拠もある。

宮本岳志衆院議員(共産党)は2月24日の予算委員会で、15年9月4日の森友学園関係者と近畿財務局の会談について問い質し、佐川宣寿理財局長から「会談記録を廃棄した」という答弁を引き出したが、その前日(3日)に安倍首相は、迫田英典理財局長(当時。現在は国税庁長官)と面談をしていたのだ。「近畿財務局の上部機関に当たる財務省の迫田理財局長に安倍首相が国有地の格安払下げを依頼、その翌日に東京からの指示を受けて近畿財務局が森友学園側と内容を詰めた」と考えると、一連の経過が自然に理解できるのだ。

1日の民進党ヒアリングでは、辻元清美・福島のぶゆき両衆院議員が記者との質疑応答でこの経過を問題視。

「1年で5回も会った理財局長は迫田氏だけで、他は1回か2回。しかも予算関連だから理財局長と主計局長とコンビで入るのが通例なのに、迫田氏は官房長と事務次官と入っている」(福島氏)

また昭恵氏の秘書に関する質問主意書を出した辻元氏も「当時の迫田理財局長は役人なのに答弁に出てこない。籠池泰典森友学園理事長だけではなく、(安倍首相と同じ)山口県出身の迫田氏を参考人招致すべき」と強調。安倍政権の疑惑隠蔽姿勢を浮き彫りにした。

森友学園の要望が、国会議員同等以上の“陳情窓口”である昭恵氏から安倍首相に伝わって、首相と面談をした迫田元理財局長の指示で近畿財務局が動いたのではないか――というのが、“アッキード事件”の構図といえるのだ。

(横田一・ジャーナリスト、3月10日号)

国家予算が姿を消す日(浜矩子)

日本から国の予算が消えてなくなる。そんな日がひょっとすると近いかもしれない。

こう思えてしまうのは、近頃、妙な理論が巷ではやっているからだ。火付け役は、内閣官房参与の浜田宏一先生だ。彼が「シムズ理論」なるものに心酔したと宣言した。以来、何かにつけてメディアにこのシムズ理論が取り上げられるようになった。

シムズはクリストファー・シムズ氏の名字である。シムズ先生は2011年のノーベル経済学賞受賞者だ。シムズ理論は、またの名を「物価水準の財政理論」だ。これを言いかえれば、要は「意図的無責任財政の薦め」にほかならない。デフレから脱却したいなら、政府は財政赤字の解消を追求しないと宣言しなさい。赤字垂れ流し大作戦を展開することでインフレ経済化を促進しなさい。そうすれば公的債務の返済など屁の河童。簡単に返せてしまえるようになる。

政府が無責任財政宣言を行なえば、国民も増税など行なわれないと安心しますから、財布の紐も緩くなります。それどころか、将来の物価上昇を見込んで買い急ぎ行動に走るでしょう。一気にデフレ解消です。なまじ財政再建などにこだわるから、デフレ脱却の埒があかないのです。

ざっくり言えば、こういうことである。これだけでも、かなりの際物論法だ。だが、これで驚いていてはいけない。なぜなら、この無責任財政大作戦が功を奏するためには、一つ、条件がある。それは、財政と金融の一体運営である。要は、中央銀行による国債の直接引き受けを解禁するということだ。これをやらないと、いくら政府が赤字垂れ流しを敢行し続けようとしても、国債に買い手がつかなくなる恐れがある。

今の日本国政府がすでにその状態に限りなく接近しつつある。日本銀行も、市場からの国債の買い取りは何とか減らしていきたがっている。日銀の国債大量購入のおかげで、金利形成にせよ何にせよ、金融市場において一事が万事、まともに機能しなくなっているからだ。

だが、直接引き受けを解禁してしまえば、世界が変わる。金融市場から、政府も日銀も姿を消す。内々の相対取り引きで、政府は日銀からいくらでもおカネを借りることができるようになる。無責任財政の薦めを首尾よく実践するには、どうしてもこれが必要になる。

もしも金融と財政のどんぶり勘定化が実現すれば、その時をもって国の予算はわれわれの前から姿を消すだろう。中央銀行がいくらでもお小遣いをくれるなら、そのような国の政府はいちいち国家予算などと言うものを編成して国会審議にかける必要はなくなる。

時あたかも1月20日に行なわれた安倍首相の国会冒頭施政方針演説は、財政健全化に一切言及しなかった。20年度をめどに基礎的財政収支(借金返済分を除外した収支)の黒字化を目指すという文言も、施政方針の中から消えた。安倍政権下の施政方針演説において、いずれも初めてのことだ。

国家予算を雲隠れさせるための準備は、すでに始まっている。どうも、そういうことらしい。シムズ先生は、こんなことに加担させられていることをご存じか。油断も隙もあったものではない。

(はま のりこ・エコノミスト。3月3日号)

セブンイレブン・ジャパン本部前でブラックバイトユニオンが抗議 「自爆営業やブラックバイトの撲滅を!」

セブン本部に改善を呼びかけた三井義文さん(中央)と青木耕太郎さん(右)ら。(撮影/片岡伸行)

「“自爆営業”やブラックバイトの撲滅を!」。東京・千代田区二番町にあるセブン―イレブン・ジャパン本部前で2月23日、コンビニ加盟店ユニオン(池原匠美委員長)とブラックバイトユニオンのメンバーらの声が拡声器から鳴り響いた。

風邪で休んだアルバイトの女子高生から「罰金」と称して2日分の賃金を一方的にカットしていた東京都武蔵野市内のセブン―イレブン店のオーナーの行為が先月、労働基準法違反だとして問題となったばかり。従業員や加盟店オーナーに自腹で購入させる“自爆営業”を含め、コンビニの現場では数々の問題が山積する。

同日は、元オーナーの三井義文さんと、ブラックバイトユニオンの執行委員・青木耕太郎さん、セブン店などコンビニでのアルバイト経験のある現役大学生らが集まり、一問一答形式で問題だらけのコンビニの実態を明らかにしながら、それを改善しようとしないセブン本部の姿勢を糾弾。岡山、滋賀、大阪、京都などからコンビニの現役オーナーも駆け付けた。

“自爆営業”のカラクリについて「契約を継続したいのであれば予約活動をと本部から言われ、オーナーも仕方なく“自爆”をやってしまう」「そのオーナーから従業員へ、さらに家族や友人まで……」といった「立場の弱い方へと押しつけるビジネスモデル」と批判。三井さんは「商法第14条」を引き合いに「本部・本店の名前を貸してやっている商売の責任は貸した側、つまり本部にある」と指摘し、「本部が世界一高いチャージ(指導料)で利益を吸い上げ、加盟店と従業員が在庫を抱えて低賃金で疲弊する。この構図を変えるために、ユニオンと話し合いましょう」と本部に呼びかけた。

その本部側には複数の社員が睨みを利かせ、参加者をビデオカメラで撮影する社員もいた。同日の行動の様子は「ニコニコ生放送」でも配信され、反響を呼んだ。

(片岡伸行・編集部、3月3日号)