週刊金曜日公式ブログ 週刊金曜日ニュース

「共謀罪」で処罰逃れやスパイの“密告”も

「共謀罪」法案の危険性を訴える海渡弁護士。東京都千代田区にて。(写真/星徹)

通常国会初日の1月20日、犯罪の計画段階で処罰する「共謀罪」法案に反対する集会が参議院議員会館で行なわれ、350人以上の参加者で超満員となった。

共産党・民進党・社民党などの国会議員十数人も参加し、法案の危険性を訴え、法案阻止の決意を語った。

安倍内閣はかつて三度廃案となった「共謀罪」法案を一部手直しし、「テロ等組織犯罪準備罪」法案として今国会に提出する意向だ。切迫した状況にある。

海渡雄一弁護士は、政府が「普通(一般)の人が対象になることはない」と言うことに対し、「ある団体が犯罪を行なったとされれば、もともと適用外でも、組織犯罪集団ということにされる。一種のトートロジー(同義反復)だ」と語った。さらに、1925年に制定された治安維持法と現在の「共謀罪」法案の共通性を指摘し、「体制に抵抗する団体を一網打尽にできるという点で、同じような効果をもたらす可能性が高い」と訴えた。

元法務大臣の平岡秀夫氏は、「もし『共謀罪』法ができれば、いったん犯罪を行なおうと(複数人で)合意したら、後から『やめよう』となっても、処罰されることになる。処罰を逃れるには密告するしかない」と語った。また、「スパイが送り込まれて犯罪を煽り立て、『やろう』と決めた後でスパイが“密告”するというケースも想定できる」とした。

(星徹・ルポライター、2月3日号)

沖縄の宮古島市長選挙で示された「民意」──“再選市長”の疑惑は多々(内原英聡)

任期満了に伴う沖縄県宮古島市の市長選挙は1月22日投開票を迎え、現職の下地敏彦氏(自民党推薦)が9588票で再選された。当日有権者数は4万3401人(女性2万1956人、男性2万1445人)で投票率は68・23%。投票総数は2万9614人だった。

いわゆる”保守系”の支持者が多いとされる宮古島市で下地氏は2009年に初当選し、13年は無投票(対立候補なし)で再選。昨年6月市議会では陸上自衛隊の配備受け入れを表明し、今回で争点の「民意が示された」「陸自配備に弾みがつく」といった声があがる。大手メディアも軒並みこの論調だが、「民意」は現職に厳しい視線を向けている、というのが実態だ。

今回、第一声で「大変厳しい選挙」としながら“陸自配備反対”を明言した奥平一夫氏(前県議、民進推薦)は9212票で第2位につけた。現職との得票差も376票まで迫る勢いだ。第3位の真栄城徳彦氏は6545票を獲得。現職市政の相次ぐ不祥事や情報隠蔽体質を批判。陸自配備計画も全容開示がされないかぎりは「反対」との立場を示した。第4位の下地晃氏(医師、社民党と沖縄社会大衆党が推薦)は4020票を獲得。関係者によれば下地氏は自衛隊の任務(島嶼における急患搬送など)を一部認める半面、配備計画は依然危険性が高いとし、中盤からは「断固反対」を強調した。

現職市政では数々の不正が判明、疑惑浮上も相次いでいる。14年度の観光プロモーション事業では行政手続きの不透明性をめぐり、市議会で調査特別委員会(百条委)が設置され現在審議中だ。

22日は市議補欠選挙(欠員2)も同時に投開票され、会社員の前里光健氏(8374票)に次いで陸自配備反対を貫く石嶺香織氏(「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」共同代表)が、7637票で初当選を果たした。宮古島市の今後が注目される。

(うちはら ひでとし・編集部、2017年1月27日号)