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大阪地裁がヘイトスピーチ禁止仮処分――男性は決定無視し排除

大阪地裁(森純子裁判長)は昨年12月20日、大阪市生野区の在日コリアン集住地へのデモを告知した「在日特権を許さない市民の会」元幹部の男性に対し、NPO法人「コリアNGOセンター」の事務所から半径600m以内でのヘイトスピーチのデモを禁止する仮処分決定を出した。昨年ヘイトスピーチ解消法が成立してから同様の仮処分決定は横浜地裁川崎支部に続き2例目である。

センターの申立書によると、男性はネット上で「チョンコ(コリアンの蔑称)を見たら犯罪者と思え」「1匹殺すことは同胞である日本人10人を助けることになる」などと繰り返し、「防犯パトロール」と称するデモへの参加を呼びかけた。こうした差別的言動によって在日コリアンが平穏に生活し事業を行なう権利を奪われ、人格権を侵害されるとしてデモの差し止めを求めていた。

しかし仮処分決定後も男性は政治活動としてポスティングを実施すると表明。同月29日午後、禁止区域内に立ち入ろうとしてカウンターから抗議されたが、「核武装せよ」などと書いたビラを住宅に配布した。この間、カウンターや大阪府警の機動隊員ら数百人が男性を追って移動し、辺りは騒然とした空気に。機動隊が男性を区域外に排除する騒ぎになった。

センターの郭辰雄代表理事は「仮処分が認められたことはヘイトスピーチの規制に向けて大きな第一歩といえる。今回の仮処分を無視するような行為に対してもヘイトスピーチを抑制する効果はあった」と評価する。

また、この男性に対しては、別のNPO法人「多民族共生人権教育センター」の代表らも同月28日、大阪法務局に人権救済を申し立て、今回のデモ告知を含めネット上で繰り返すヘイトスピーチの削除をサービス提供会社に働きかけるよう求めている。

(平野次郎・フリーライター、1月20日号)