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口コミで人気! 改憲やTPPのリーフレット

リーフレット。(提供/リサーチファクツ)

リーフレット。(提供/リサーチファクツ)

 改憲やTPP(環太平洋戦略経済連携協定)の問題点を解説した街頭配布用のリーフレットが話題を呼んでいる。市民独自の情報収集と発信を目指す、東京の市民団体「リサーチファクツ」が制作。昨年7月の制作直後からまったくの口コミだけで「分かりやすく、メッセージが素晴らしい」「普通のビラより受け取りがいい」といった評判が広まり、その後、手配りに協力したいとの申し込みが相次いだ。すでに首都圏を中心に、2万部近くが配布された。

「ちょっとおかしくないですか? いまの日本!! 知ってるようで知らない 驚きの真実!」というタイトルのリーフレットは、A3判のサイズを四つ折りにしたもの。改憲について戦前の言論弾圧の歴史も交えながら、自民党の改憲草案で人権が大幅に後退し、戦争する国家への準備と密接に関連して民主主義を危うくする目論見だと訴えている。

 制作した「リサーチファクツ」の関係者は、「インターネットはもちろん、ツイッターですら宣伝していないのに、反響が予想外に大きくて驚いている。政治に無関心な若者層を特に意識してカラフルに作成したが、そうした世代に浸透しているようだ。もっと地方にも普及させたい」と語っている。

 申し込みは、1部20円以上のカンパが必要。連絡は「リサーチファクツ」まで。Mail research_facts@yahoo.co.jp

(成澤宗男・編集部、2月14日号)

福島・子どもの甲状腺がん患者――「疑い」は16人増に

 どこまで子どもの甲状腺がん患者は増えるのか。第14回福島県「県民健康管理調査」検討委員会(星北斗座長)は2月7日、福島市内で会議を開いた。子どもの甲状腺がん検査で、26万9000人の受診者のうち、がん患者は33人(前回比7人増)、「疑い」は41人(同9人増)で、前回より16人増の計74人が甲状腺がん、あるいはがんの疑いと診断されたと発表した。

 検討会のたびに患者が増加しているが、星座長は「(患者数は)想定の範囲内。放射線等の影響との関係は検討する必要があるが(影響は)考えにくい」との見解を示した。県立医大は県の委託で調査を実施、さらに「研究」の名目で、大学の倫理委員会に申請して承認を得た。申請書では「小児甲状腺がんは年間100万人あたり1~2名程度と極めて少なく、結節の大半は良性」(2011年9月)としていたが、患者数が増えてくると、「最新の研究で4000~5000人に1人」「スクリーニング効果(検査による早期発見)」と当初の基準を変える見解を示してきた。

 33人という数字は、福島県内の拠点病院等での新たながん登録で肝臓がん33人、すい臓がん30人(11年総数・全年齢、国立がん研究センター)に匹敵する。放射能の影響を考慮しない場合、各地で同率の子どもが潜在的に甲状腺がんであると想定され得るが、国・厚労省による対策の動きはない。調査結果は「福島県の地域限定」に矮小化される可能性もある。

 同医大の鈴木眞一教授は同日、甲状腺がんの遺伝子解析・ゲノム調査を今後、行なうと説明。「保護者に説明できる根拠」を示すとした。調査と治療、研究、情報の管理と活用が特定のグループに独占され、医療政策が「県―県立医大」という閉鎖系で完結する可能性も否めない。この検討会が「新たな安全神話」構築の場にならないよう、今後も多様な視点でチェックしていくことが重要だ。

(藍原寛子・ジャーナリスト、2月14日号)

舛添氏の「蔑視発言」許さない――連帯広げた女性たち

「女たちの会」の立ち上げ会見=2月6日、東京都内で。(撮影/片岡伸行)

「女たちの会」の立ち上げ会見=2月6日、東京都内で。(撮影/片岡伸行)

「女は生理のときはノーマルじゃない。そんなときに国政の重要な決定、戦争をやるかどうかなんてことを判断されてはたまらない」「女性は本質的に政治に向かない」などの女性蔑視発言をする男(舛添要一氏)を当選させてはならないと、「舛添要一を都知事にしたくない女たちの会」は東京都知事選投開票日前日の2月8日、東京・新宿の舛添要一選挙事務所を訪れ、わずか2日間ほどで集まったインターネット署名3670人分の賛同者リストなどを提出した。その願いは叶わなかったが、立ち上げからわずか数日で広範な「反舛添」の声が集まったことで、同会では「女たちの連帯」に手応えを感じたようだ。

 選挙終盤の5日夜にサイトを立ち上げ、翌6日に俳優の木内みどりさんら十数人が都内で立ち上げ会見を開催。サイトへのアクセスは3日間で13万に達するなど、支持する政党も都知事候補も異なる幅広い女性の共感を集めた。同会のほかに1日にアカウントを作成した「舛添に投票する男とセックスしない女達の会」もネット上で反響を呼び、『ル・モンド』など海外主要紙が「セックス・ストライキ」などと報じたが、いずれも日本の主要メディアは黙殺した。

 すっかり「女性の敵」となった格好の舛添氏だが、冒頭の発言のほか「奴らはカネを持ってる。日本の預貯金の半分はジジババが持ってんだよ。消費税上げたら年寄りからも取れる」「生活保護の母子家庭は怠け者」など、お得意の福祉分野でも問題発言には事欠かない。舛添氏当確が伝えられた9日夜、「女たちの会」は、「これらの(舛添氏の)問題を知らないまま、同氏に投票した有権者はたくさんいたでしょう。たいへん残念」とした上で「私たちは今後も、ゆるやかな連携を保ちながら、舛添氏が都知事として何を言うか、何をするのかを、厳しくみていきたい」とのコメントを発表した。 

(片岡伸行・編集部、2月14日号)

厚労省が農薬残留基準引き上げへ――危険性認識しながら基準作成

厚労省に申し入れるグリーンピースや反農薬東京グループなど(左)。(撮影/グリーンピース)

厚労省に申し入れるグリーンピースや反農薬東京グループなど(左)。(撮影/グリーンピース)

 欧州で進む農薬規制とは逆に、日本では食品への農薬の残留基準が大幅に緩和されようとしている。そこで国際環境NGOグリーンピース・ジャパンとほか4団体は2月3日、厚生労働省に対して残留基準の引き上げの即時凍結を求め、要請書を提出した。しかし、同省は残留基準引き上げの危うさを「認識」していながら、基準案を作成していたことがわかった。

 同省は昨年10月、ホウレンソウ、ハクサイなど約40種類の食品に含まれるクロチアニジンの残留農薬基準値を最大2000倍と大幅に緩和する基準案を作成。その後のパブリックコメント(一般からの意見聴取)では、異例の1000件を超える意見が集まった。このためグリーンピースでは1月17日から、規制緩和に反対するオンライン署名を開始。約2週間で8000筆以上が集まった。

 これを受け、2月3日の要請書提出時の同省との話し合いでは、現行の引き上げ基準案のままでは、体重16キログラムの子どもが、ホウレンソウを40グラム食べた場合、急性中毒を起こす可能性もあることをNGO側が指摘。しかし、同省の担当者は「認識はある」と回答しながらも、「科学的知見に基づき精査する」と消極的な姿勢を示すにとどまった。同案はもともと、農薬メーカーの申請をもとに作られたもの。人体への影響を認識しながらも、メーカーの利益を優先して基準案が作成されたことを確認する場となった。

 欧州連合(EU)では昨年12月1日から、ネオニコチノイド系農薬3種(クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム)を使用禁止にしている。さらに同12月17日には、欧州食品安全機関(EFSA)が一部のネオニコチノイド系農薬は子どもの脳や神経などへの発達神経毒性をもつ可能性があるとの科学的見解を発表した。日本も十分な検討を行なうまで、基準の改定は凍結すべきだ。

(成澤薫・グリーンピース、2月14日号)

「関電労組」政治団体が無届け組織に多額支出――6000万円超が使途不明に

関電労組政治活動委員会が無届けの下部組織に支出した際の領収証。具体的使途は不明だ。(撮影/三宅勝久)

関電労組政治活動委員会が無届けの下部組織に支出した際の領収証。具体的使途は不明だ。(撮影/三宅勝久)

 原発推進を掲げて、舛添要一氏を支援した日本労働組合総連合会(連合)傘下にある政治団体「関西電力労働組合政治活動委員会」(大阪市北区・壬生守也代表、的井弘会計責任者)が、政治団体届け出のなされていない23の下部組織に対して、5年間で6000万円を超す支出を行ない、結果的に全額が使途不明になっていることが政治資金収支報告書などから明らかになった。

 政治資金規正法では、無届けの政治団体による寄附受けや支出は禁止されている(8条)。違反した場合は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金という罰則もある(23条)。届け出をせずに政治活動をすれば収支が報告されず、政治とカネが闇に包まれてしまうからだ。「関電労組政治活動委」から無届け団体への支出はこれに抵触する恐れが高い。

 関電労組政治活動委が総務大臣に提出した2012年分政治資金収支報告書には、同年の支出総額は約6600万円。このうち計1041万円を、「政策研修会費」などの名目で同委員会の下部組織23団体に払ったと記載されている。一度の支出額は6万円から155万円で、延べ35回。1万円未満の端数はなかった。

 23団体の名称・所在地は次のとおり。

▽関電労組政治活動委員会北地区推進委員会=大阪市北区

▽同南地区推進委=大阪市住之江区

▽同兵庫地区推進委=神戸市

▽同姫路地区推進委=姫路市

▽同京都地区推進委=京都市

▽同和歌山地区推進委=和歌山市

▽同奈良地区推進委=奈良市

▽同滋賀地区推進委=大津市

▽同若狭地区推進委=福井県美浜町

▽同東海地区推進委=名古屋市

▽同北陸地方本部推進委=富山市

▽同本店地区推進委=大阪市北区

▽同大阪北地区本部=大阪市北区

▽同大阪南地区本部=大阪市住之江区

▽同兵庫地区本部=神戸市

▽同姫路地区本部=姫路市

▽同京都地区本部=京都市

▽同和歌山地区本部=和歌山市

▽同奈良地区本部=奈良市

▽同滋賀地区本部=大津市

▽同若狭地区本部=福井県美浜町

▽同東海地方本部=名古屋市

▽同北陸地方本部=富山市

 23団体は、近畿・北陸・東海9府県という広範囲にまたがっていた。またすべてに「関電労組政治活動委員会」の名称がついていた。明らかに政治団体だ。

 そこで各地の選挙管理委員会に問い合わせたところ、23団体のいずれも設立届けは出ていなかった。無届けの任意団体だったのだ。

 2011年以前についても調べたところ、同様の支出が多数見つかった。

▼11年=無届け23団体に対して延べ32回・計1047万円を支出

▼10年=無届け21団体に対して、延べ32回・計1379万円を支出

▼09年=無届け21団体に対して、延べ34回・計1304万円を支出

▼08年=無届け21団体に対して、延べ46回・計1480万円を支出

 以上の支出に先述した2012年の1041万円を合わせると、08年から12年の5年間に6251万円ものカネが無届け団体に支出されたことになる。具体的使途が不明なので、裏金に化けたと勘ぐられても仕方がない。

 取材に対して関電労組政治活動委関係者は「(23団体は)内部組織」と回答。「内部組織に払った金を支出に計上するのは間違いではないか」「なぜ政治団体届けをしないのか」との質問には「政治資金規正法にのっとって処理している」と繰り返すだけだった。

 同政治活動委は関電労組と表裏一体の関係にある。経営者の言いなりになって原発を進めてきた御用組合のモラルは、とことん堕落してしまったのか。

(三宅勝久・ジャーナリスト、2月14日号)

辺野古基地建設に第2弾の非難声明

 言語学者のノーム・チョムスキー氏や歴史学者のジョン・ダワー氏ら国際的に著名な学者ら29人が1月7日に「世界の識者と文化人による、沖縄の海兵隊基地建設にむけての合意への非難声明」を発表したのを受け、同月28日には新たに74人が加わって「沖縄の人々の人権を無視する安倍晋三首相とオバマ米大統領に異議を申し立てる」とした内容の声明第2弾が公表された。

 今回、「私たちは沖縄県内の新基地建設に反対し、平和と尊厳、人権と環境保護のためにたたかう沖縄の人々を支持します」と題した声明には、「平和研究の父」と呼ばれるノルウェーの政治学者ヨハン・ガルトゥング氏や、オーストラリアの反核運動家のヘレン・カルディコット医師、日本でも評論活動で著名なオランダの政治学者カレル・バン・ウォルフェレン氏、カナダの生物学者のデイビット・スズキ氏らが名を連ね、より多様な顔ぶれとなっている。

 同時に発表されたプレスリリースでは、1月の名護市長選挙での稲嶺進市長再選を、「住民の多数派による新基地建設の拒否は、仲井眞弘多知事と、仲井眞氏が米国の移設案に従うように重圧をかけた安倍晋三首相への不信任票に相当するもの」と評価。なお賛同者は、声明の賛同署名をインターネットで世界に呼び掛けている。日本語版はURL http://chn.ge/1glVJSwで。

(成澤宗男・編集部、2月7日号)

国連軽視の日本政府に抗議――人権勧告の実現を!

「すべての人に尊厳と人権を!」と東京・渋谷の街をデモ行進。(撮影/西中誠一郎)

「すべての人に尊厳と人権を!」と東京・渋谷の街をデモ行進。(撮影/西中誠一郎)

「国連・人権勧告の実現を! すべての人に尊厳と人権を」と題した集会が1月25日、開かれた。

 日本政府は1960年代末から国連の人権条約を批准するようになった。「人種差別撤廃条約」「自由権規約」「社会権規約」「難民条約」「女性差別撤廃条約」「拷問等禁止条約」「子どもの権利条約」「障害者権利条約」などである。それぞれの条約委員会は加入各国の人権状況を検証するため、政府報告書の提出と定期審査を義務づけており、日本政府に対しても多くの勧告が出されてきたが、政府は状況改善に消極的だ。

 集会は「大熊ワタルとジンタらムータ」の自由闊達な演奏に始まり、参加団体の発言が続いた。

 安倍政権下で公人の暴言が相次ぐ「従軍慰安婦」問題、国連人権理事会から「奴隷的」とされた外国人技能実習制度、世界141番目にやっと批准された障害者権利条約、「性的マイノリティ」への人権侵害、朝鮮学校の「高校無償化」排除、被差別部落やアイヌ・沖縄差別、教育現場の「日の丸・君が代」強制と処分問題、国連人権高等弁務官から懸念表明された特定秘密保護法、福島原発事故被害者の人権救済など、市民社会と協力して政府が誠実に取り組むべき人権問題ばかりだ。しかし日本政府は「従軍慰安婦」問題への拷問禁止委員会勧告に対して、昨年6月「法的拘束力がないから従う義務なし」と閣議決定するなど、国連の人権勧告を軽視・無視している。独立した「国内人権機関」の設置や、各条約で定めている「個人通報制度」の批准もいまだに実現していない。

「日本政府は『積極的人権主義』こそ目指すべき」。田中宏一橋大学名誉教授は集会の最後に訴えた。

(西中誠一郎・ジャーナリスト、2月7日号)

洋上被曝の原子力空母への交代――市民団体が強く抗議

 東京都知事選で「脱原発」を連呼する小泉純一郎元首相だが、その出身地・神奈川県横須賀市で、原子力空母をめぐる問題が起きている。発端は、米海軍横須賀基地に配備する原子力空母ジョージ・ワシントンを、同じ原子力空母ロナルド・レーガンに来年にも交代させると、在日米海軍司令部が一方的に発表したこと(1月15日)。地元の市民団体は「レーガンは『トモダチ作戦』で洋上被曝し、訴訟に発展している問題の空母。地元への説明・同意なしの発表も許されない」と抗議している。

「原子力空母の母港化を阻止する三浦半島連絡会」によると、「3・11」後の米国による支援として喧伝された「トモダチ作戦」だが、東京電力や日本政府の誤った情報で洋上被曝し健康を害したとし、米国では当時の乗組員が損害賠償を求める訴訟を提起。8人で提訴した訴訟は昨年3月に126人もの集団訴訟に発展している。原告らは甲状腺の異常や腸からの出血などの症状を訴えているという。

 その原子力空母レーガンへの交代を一方的に発表すること自体が「国民、市民無視だ」とコメントを出したのは「原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会」。日本国内で現在稼働中の原子炉は横須賀の原子力空母と原子力潜水艦のみ。横須賀出身の小泉元首相さえ「原発ゼロ」を求めている中、洋上被曝で訴訟中の問題の空母を配備することは「原発ゼロ」を求める多くの国民への「挑戦」であり、「いまだ継続する被曝の影響、リスクを、基地従業員や周辺の住民が被ることを意味する」と指摘。共同代表で弁護士の呉東正彦さんは「横須賀市民の住民投票によって民意を問う取り組みを検討していきたい」と話す。

(片岡伸行・編集部、2月7日号)

橋下市長が辞職、出直し選挙へ――「私物化」と批判も

会見で辞職と出直し選挙を表明する橋下氏(右)=2月3日、大阪府公館。(撮影/粟野仁雄)

会見で辞職と出直し選挙を表明する橋下氏(右)=2月3日、大阪府公館。(撮影/粟野仁雄)

 大阪市の橋下徹市長は2月3日、大阪市内で会見し、「市長を辞めます」と表明した。各会派の反対で大阪都構想が行き詰まり、「民意に問う」もので、必然、出直し選挙となるが、「駄々っ子などのレベルではない。行政の私物化だ」との強い批判の声が上がる。

「二重行政の解消」を名目に府と市を統合する「大阪都構想」は大阪維新の核となる政策。同会は10月の住民投票を経て来年4月からの実施を目指し、四つの分割案から中央区と北区を特区とし大阪市を5分割する案への絞り込みを目指したが、1月31日に開かれた法定協議会では「選挙協力」など「貸し」のあった頼みの公明党が土壇場で反対に回り、都構想は完全に行き詰まった。ただ、自身の「慰安婦」発言(昨年5月)以降、同年9月の堺市長選では維新が推した候補が都構想に反対する現職に敗れ、維新の会の府議からも離脱者が出て府議会は過半数割れするなど窮地に陥っていた。

 突然、賭けに出た形の出直し選挙について「橋下市長がつくった土俵には乗らない」として自民党、公明党、民主党、それに共産党も候補者を立てない構えだが、同市長は「協議会で反対するなら対立候補を立てて反対すればいいはず」と反論。「都構想の賛否を問う選挙ではない。市民に設計案を示させてもらうための選挙。賛否は住民投票で」と説明する。

 一体、市民は都構想にどれだけの関心を持っているのか。選挙になれば山場を迎えていた市営地下鉄の民営化問題など多くの課題がストップする上、選挙費用には数億円がかかる。橋下氏は「そのくらいの金は民主主義には必要な費用」とするが、原発問題では「金がかかる」を理由に住民投票を拒否していた。めっきり落ちた維新の会の求心力とメディアの関心。自らに注目を集め、選挙という“ゲーム”を使ってかつての勢いを取り戻したいとの思惑が透ける。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2月7日号)

舛添氏の危うい“政党交付金ビジネス”――3千万円超が自宅家賃に還流

政党交付金による“売り上げ”で業績上々の(株)舛添政治経済研究所=東京都世田谷区。(撮影/三宅勝久)

政党交付金による“売り上げ”で業績上々の(株)舛添政治経済研究所=東京都世田谷区。(撮影/三宅勝久)

 原発再稼働を目指す安倍自民党や連合の後押しを受けている舛添要一・東京都知事候補をめぐり、公金感覚の欠如を疑わせるような事実が発覚した。妻・雅美氏が代表取締役を務めるファミリー企業「株式会社舛添政治経済研究所」(東京都世田谷区)に対し、税金である政党交付金から、1998年以降、累計で事実上3000万円を超す金が払われていたのだ。

 舛添政治経済研究所は舛添氏の自宅を所在地としている。役員はすべて舛添氏の家族だ。同氏自身も2007年8月まで代表取締役や取締役をしていた。

 政党交付金使途等報告書(官報記載の要旨)の記載によれば、1998年と99年に自民党から舛添研究所に対して、「原稿料」として計63万円が政党交付金で支出されたのを皮切りに、同研究所の“政党交付金ビジネス”(とでも表現できそうなカネの動き)が始まる。本格化するのは自民党東京都参議院比例区第28支部(舛添要一支部長・主たる事務所は自宅)が設立された2001年以降だ。

 同支部に自民党本部経由で年間1000万円~3500万円の政党支部交付金が入る。そして同支部は舛添研究所に対して、「事務所家賃」などとして200万円~300万円を支出する。繰り返すが、看板が異なるだけでこの「支部」も「研究所」も舛添氏の自宅だ。確認できた研究所への支払い状況は次のとおり。

▼2001年=226万7887円(家賃・車庫代・共益費・ホームページリニューアル手数料)

▼2003年=234万円(家賃)

▼2004年=312万円(家賃)

▼2008年=252万円(家賃)

▼2009年=252万円(家賃)

 04年には、自民党宮城県第5選挙区支部から舛添研究所に、「政経セミナー講師料」として50万735円が政党交付金で払われている。

 2010年、舛添氏は自民党を離党、改革クラブから改称した「新党改革」の代表となる。同時に「新党改革比例区第4支部」を自宅住所に設立、以降は同支部が政党交付金(1100万~4100万円)の受け皿となり、引き続き家賃を舛添研究所に支出していく。

▼2010年=63万円(28支部分)/175万7000円(家賃)

▼2011年=294万9000円(家賃)

▼2012年=337万8000円(家賃)

 以上、合計額は約2200万円にのぼる。

 これらは帳簿上税金からの支出が明白なものにすぎない。舛添氏の自宅には、自民党28支部(現在は解散)や新党改革第4支部のほか、資金管理団体の「グローバルネットワーク研究会」「舛添要一後援会」(解散)が置かれている。そしてこの2団体からもそれぞれ月額10万円~16万円の家賃が舛添研究所に払われてきたのだ。支部と「後援会」や「研究所」の間で頻繁に金銭がやり取りされているところをみれば、ファミリー企業である舛添研究所に「還流」した税金は、実質的に3000万円を超す。

 舛添研究所が受け取っている賃料は、政党支部と「後援会」「研究所」の3団体(2011年以降は、支部と「研究所」の2団体)から、あわせて毎月平均四十数万円、年間約450万~530万円にのぼる。この「売り上げ」の大半が税金だったというわけだ。

 なお、同社の決算によれば、利益剰余金は約1100万円、純資産2億4000万円(2010年6月期)。業績は上々である。

 舛添研究所の所在地である建物は、1989年に舛添氏が自宅として新築。あさひ銀行(現りそな銀行)により極度額9000万円の根抵当権が設定された。94年、舛添研究所の名義に変更。担保は合計で3億6000万円に増えたが、参議院選挙に初当選した翌年にあたる2002年にすべてを抹消し、2013年に再び舛添要一氏の名義に戻している。利息を含めれば4億円近い借金を10年ほどで返済したことになる。それほどのカネがあるにもかかわらず税金から「家賃」を払わせるとは、品性を疑う。

(三宅勝久・ジャーナリスト、2月7日号)