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東電集団告訴第2陣七千人超え――今月末まで締切延長

 東京電力福島第一原発事故の刑事責任を問う集団告訴第二陣の告訴人が、七〇〇〇人を超えたことがわかった(七六〇〇人。一〇月二二日現在)。

 福島原発告訴団による集団告訴は、第一陣(福島県民一三二四人)の告訴状が八月一日、福島地方検察庁に受理されているが、第二陣は、集団告訴への呼びかけを福島県民から全国民に広げたもの。

 事故から一九カ月以上が経過した現在も、だれひとり刑事責任をとっていない中、「原発ムラ」を支える東電、国、御用学者らの責任を追及する刑事告訴・告発へは、「私たちの思いを伝える絶好の機会」と申し込みが相次ぎ、八月の受付開始から約二カ月で七〇〇〇人を突破。陳述書には「福島在住の大学生の息子の身を案じ、3・11後、長期にわたり凄まじい恐怖を味わった。子孫にまで続く不安を生涯にわたって抱えることになった。関係者の刑事責任を強く問いたい!」(東京・五〇代女性)、「私の叔母は福島に住んでいる。私にとって東北は特別な土地である。原発事故により、空気や土壌は放射能汚染され、我々は被曝者となった。福島を返せ! 子供達の健康を返せ! 日本を返せ!」(東京・四〇代女性)などと痛切な怒りと叫びの声が綴られている。

 反響の大きさに、告訴団では予定していた書類の受付締切を急遽、一〇月一五日から一〇月三一日(必着)に延長した。告訴団事務局は、北海道から九州まで各地にある。詳しくは以下の告訴団本部へ問い合わせを。(電話080・5739・7279 Mail:info@1fkokuso.org URL:http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/)

(山村清二・編集部、10月26日号)

「さようなら原発集会in日比谷」に6500人参加

パレードする集会呼びかけ人たち。(写真/伊田浩之)

 大江健三郎さんや鎌田慧さんらが呼びかけた「さようなら原発集会in日比谷」が10月13日、東京・日比谷野外音楽堂で約6500人(主催者発表)が参加して開かれ、青森県大間町の小笠原厚子さんが電源開発(Jパワー)による大間原発建設再開を強く批判した。

 小笠原さんの母、故・熊谷あさ子さんは半農半漁の暮らしを続けながら、建設予定地の土地買収を拒否し続け、電源開発は炉心の位置をずらすなど異例の対応を迫られた。東日本大震災で建設は中断していたが、10月1日、北村雅良社長が建設再開を発表した。

 政府は2030年代の原発ゼロを目指すとして原発の新増設は認めない方針だが、「稼働期間40年」という原則を当てはめると、同原発は50年代以降まで運転が可能となり、矛盾する。

 小笠原さんは集会で「母が強硬ないじめや嫌がらせ、村八分に耐えられず土地を売っていたら、2010年には大間原発は稼働し、3・11を迎えていたかもしれない。事故が起きたら全国の国民が被害者になる。政府は『原発ゼロ』と言ったんじゃないんですか。政府は嘘つきです」と訴え、拍手を浴びた。 

 参加者らはこの後、日比谷公園から東京電力前、銀座、東京駅、常盤橋公園までパレードし、道行く人に原発からの脱却を訴えた。東京電力前では警官による過剰警備が目立った。

(伊田浩之・編集部、10月19日号)

経団連とともに自民党との蜜月関係を優先――JA会長、実は脱原発に弱腰

実は脱原発に弱腰な萬歳章全国農業協同組合中央会会長。(撮影/横田一)

 自民党の安倍晋三総裁が、多くの国民が望む「原発ゼロ」を阻む最大の“障害物”になりつつある。総裁選後の新執行部人事で、同じ核武装論者で「核の潜在的抑止力を維持するために原発を止めるべきではない」と考える原発維持派の石破茂元防衛大臣を幹事長に起用。政調会長にも、党内有数の原発推進派で電力会社に甘いことで有名な甘利明元経済産業大臣を抜擢した。安倍総裁の兄・寛信氏が勤める三菱グループなどの原子力・軍事関連業界が大喜びするような面々で党幹部を固めたのだ。

 しかも脱原発の民意を無視する安倍総裁に対し、有力な支援団体は「次期総選挙で自民党の政権復帰と安倍首相誕生は確実」とみて、すり寄り始めている。

 一〇月一一日、安倍総裁は野田佳彦首相ら与野党幹部とともに、東京都内で開かれた全国農業協同組合中央会(JA全中)の全国大会に出席した。この大会で初めてJAグループは、将来的な脱原発を活動方針に決定。このことは事前に発表されていたのに、来賓挨拶で安倍総裁は、原発事故やエネルギー政策の食い違いについて一切触れなかった。その後に挨拶をした福島みずほ社民党党首ら野党の出席者が次々と脱原発を訴えたのとは、あまりに対照的だった。

 マイクの前に立った途端、会場から「総理!」との掛け声が飛んだ安倍総裁が熱弁をふるったのは、TPP(環太平洋戦略経済連携協定)について。「自由な貿易活動は日本にとって必要だ」としながらも、「聖域なき関税撤廃を要求されるのであれば、TPPを締結することはあり得ない」と強調した。

 すると、会場からは大きな拍手がわき起こり、TPP交渉参加への意欲を改めて示して「異議あり」とのヤジを浴びた野田首相との反応の違いを見せつけた。

 しかし、放射能汚染の被害に苦しんだ農家にとって、TPP反対も大切だが、脱原発も同じぐらい重要なはずだ。当然、安倍総裁に対し、「原発維持とは何事だ!」といったブーイングが起きても不思議ではないが、異論はまったく出なかった。これでは、JAグループは「脱原発の実現より自民党との蜜月関係構築を優先している」とみられても仕方がないだろう。

 そんな本音は、全国大会の六日前に開かれた記者会見で透けて見えた。多くのメディアではJAグループが脱原発の方針を表明したと報じられている。しかし筆者が「JAの方針と自民党の原発維持の政策は食い違っている。安倍総裁が政策を変えない限り、次期総選挙では自民党候補を応援しないのか」と聞くと、萬歳章会長からは「総選挙では脱原発について候補者への縛りはしない」という拍子抜けした回答が返ってきた。

 脱原発が本気なら選挙前に「原発ゼロに政策転換をしないと、自民党を応援しない」と迫らないとおかしい。そこで、「安倍総裁と直談判をしないのか」とも聞いたが、萬歳会長は「安倍総裁と近々、直に話し合う機会を持てる状況にはない」という弱腰の答えに終始した。TPPについては「農業が壊滅する」と特別決議をして、萬歳会長も「総選挙で争点化、支援する候補者の条件にする」と明言した。脱原発が同じ扱いにならないのは、自民党を支援したいとしか考えられない。

 一〇月九日、安倍総裁ら党幹部は日本経済団体連合会・米倉弘昌会長ら幹部との政策対話に出席し、原発ゼロの見直しで意気投合した。米倉会長も、内閣改造を終えた政権与党の民主党新執行部よりも、野党の安倍総裁との対話を先行させたのだ。そして両者は、二〇三〇年代に原発ゼロを目指す野田政権の方針について「無責任だ」と批判。ここでも安倍総裁は「原発の安全神話に立っていたことは反省しなければならないが、経済成長に必要なエネルギーについては責任ある対応が必要」として、原発維持を訴えた。

 次期総選挙は脱原発が争点になるのは確実だが、JAグループや経団連が支援する安倍総裁率いる自民党と、本気で脱原発の実現を目指す政治勢力との対決の構図になりそうだ。

(横田一・フリージャーナリスト、10月19日号)

「ストップいじめプロジェクトチーム」立ち上げ

プロジェクト代表の荻上チキさん(中央)。(写真/赤岩友香)

 いじめを苦にした生徒の自殺が相次ぎ、いじめ問題が社会問題化している。解決への兆しさえ見えないいじめ問題に一石を投じようと、「ストップいじめプロジェクトチーム」が結成され、10月5日に東京都・霞ヶ関の文部科学省記者クラブで結成会見が行なわれた。代表は評論家で『シノドス』編集者の荻上チキさん。

 プロジェクトは、新たにいじめの相談窓口を設けるのではなく「既存リソースを活用」して、いじめに悩む子どもたちの一助となる環境作りを行なう。

 7つの緊急プロジェクトとして、(1)子ども向け“いじめ対策ポータルサイト”「ストップいじめ!ナビ」(2)さまざまな相談機関を簡単に探せる「いじめ相談検索ページ」(3)「いじめを受けたときの対処法Q&A」(4)「あしたニコニコメモ(いじめ&いやがらせ対策メモ)」(5)保護者向け「家庭におけるいじめ発見チェックシート」(6)学校向けに「いのちの生徒手帳プロジェクト」シール案(7)メディア向け「いじめ報道ガイドライン」――が発表された。

 プロジェクトメンバーの一人である認定NPO法人チャイルドライン支援センター代表理事の太田久美さんは「大人が本気になれば子ども社会は変わる」と語り、サイトの活用を呼びかけた。

「ストップいじめ!ナビ」http://stopijime.jp

(赤岩友香・編集部、10月12日号)

基準値千倍のベンゼンなど検出――難透水層抜けた汚染

東京都は築地市場が移転する豊洲地区で、「地下数メートルにあり、汚染の地下深くへの浸透を防いでいる」と説明してきた粘性土層の難透水層から、環境基準の最高一〇〇〇倍のベンゼンなどが検出されたと九月一三日に発表した。本誌は、七月一三日号で一級建築士の水谷和子さんによる都のそれまでの調査結果の検証をもとに、「難透水層に『ザル』同然の疑いがある」と報じたが、それが裏付けられたことになる。

 都の発表によれば、難透水層付近以深で環境基準を超えたのは、ベンゼンで調査した一一三地点中六八地点(六〇%)、シアンは同三七地点中一六地点(四三%)、ヒ素にいたっては、同一四一地点中一三九地点(九八%)にのぼった。「不透(難透)水層内には汚染が広がっている可能性は低いので調査も対策もしない」という汚染対策の大前提が覆ったことになる。

 この点について、都の新市場整備部・古澤正彦基盤整備担当課長は「なぜ不透水層内に汚染が広がったのかの原因は調査中です。しかし、汚染の位置は確定しており、確実に掘削除去します」と述べた。

 だが、都が発表した地質断面図によれば、たとえば青果市場が移転する五街区と呼ばれる地域の難透水層は旧地盤面から約九メートまでだが、今回の発表ではその下からも多数の汚染が見つかっている。汚染は難透水層を突き抜けている可能性があるのだ。この点について古澤課長は、「請負業者の技術者がボーリングで上がってくる土質形状を、目視で不透水層内と確認したと聞いている」と答えた。

 これに対して水谷さんは「都は、連続した粘性土層を確認すべしという環境省の指針を守っていないので汚染を見逃すことになるのです。汚染の受け皿はないも同然の結果なので次の粘性土層まで調査すべきです。目視だけで突き抜けていない証拠もなく、汚染の位置は確定していません」と話した。

 これまでの大前提が崩れた以上、都は少なくとも市場関係者や消費者に対する説明会を開くべきだ。

(永尾俊彦・ルポライター、10月12日号)

「20年期限」で復興住宅から追い出し――神戸市に住民が抗議

 阪神・淡路大震災の被災者が暮らす借り上げ復興公営住宅からの転居強要をめぐって、兵庫県と神戸市が大揺れに揺れている。

 神戸市の論理では「契約期間は二〇年なのだから、満了で出て行ってもらう」として昨年来、対象約三八〇〇戸に対して、その説明会と“転居先斡旋”を繰り返してきたが、一部を除いて進んでいない。「期間満了」は早い住宅で三年後からだが、住民側からは「入居当時から二〇年で出て行けとは聞いていない」「入居許可書にも書いていない」「悪いようにはしない、延長すると聞いていた」といった反論や抗議が続出。借り上げ公営住宅入居者連絡協議会(安田秋成代表)を結成して、市長への手紙や署名運動、議会への陳情、市役所前宣伝などで世論に訴えてきた。

 六月二〇日の参議院災害対策特別委員会やその後の“直訴”でも、当時の中川正春防災担当相から、「生活の維持には配慮が必要」「複数の選択肢を示すことが大切」「早期解決を」など、自治体の再考を促す前向き答弁を引き出している。

 加えて、一〇月二日の神戸市議会決算特別委員会では、神戸市の“二枚舌”答弁を覆す「動かぬ証拠」が出現。「神戸市すまい審議会 安心な住生活部会」(二〇〇九年一二月二一日)の議事録が情報公開され、「(二〇年後に)出てくれとは言っていない」「期間延長その他の手法を検討」など、住民側主張の正当性を裏付ける当局者の言明が、随所に記述されていた。この日の委員会で当局は「意思形成過程の議論」とスリ替え答弁したが、「神戸市の嘘つき答弁を許すな」「神戸市には致命的な新資料」と、住民側の怒りはすさまじい。

 同審議会では、市営住宅の七〇〇〇戸縮減を目指す「第二次マネジメント計画」を審議しており、「二〇年期限」を持ち出すことで被災入居者を追い出し、乗り切ろうという、冷酷な弱者切り捨て行政の姿勢が鮮明になっている。一方の兵庫県は、非公開の検討協議会でも論議中だが、転居の基本方針は神戸市と変わらず、同じく住民側の抗議にさらされている。

(たどころあきはる・ジャーナリスト、10月12日号)

ドイツで旧植民地への「記憶と清算」の催し――黙殺され続ける法的責任

ドイツのベルリン・ポストコロニアル主催のアフリカ地区スタディーウォーク。(撮影/矢嶋宰)

 一九〇四~〇八年にかけてドイツ領南西アフリカ(現ナミビア共和国)で植民地政府の暴政に対し蜂起したヘレロ族とナマ族が虐殺された。両族合わせて八〇%に近い人々が命を落としたといわれるが、虐殺命令が出されたのが一九〇四年一〇月二日とされており、この日を迎えるとドイツの首都ベルリンでも「記憶と清算」をめぐる催しが市民により開かれてきた。

 テーマのひとつが「通りの改名」。一九世紀末から一九三〇年代にかけてベルリン市内の一部をアフリカ地区とし、植民地支配の中心的役割を果たしたドイツ人や植民地の名前を次々と通りの名にした。昨年五月ベルリン・ミッテ区議会は同地区をポストコロニアルな観点から「学びと記憶の場」とすると決定したにもかかわらず、通りの改名には触れていないことからアフリカ系市民とその支持者たちから抗議の声が上がっている。

 また遺骨の返還問題も浮上している。虐殺されたヘレロやナマの頭部数千体分が優生学等の資料としてドイツに送られたが、ベルリンのシャリテ病院が昨年二〇個の頭蓋骨を一世紀ぶりに初めてナミビアに返還した。ちなみに当時確立された優生学理論は後のナチスの人種差別政策の一根拠とされ、民族浄化等へとつながっていく。

「植民地支配に対する謝罪と賠償が進まないのはアフリカに対する根本的差別意識が原因」とイスラエル・カウナティケ氏(ヘレロ、ベルリン在住)は語る。氏らの尽力により今年三月、ドイツ連邦議会で責任を問う動議が提出されたが、与党の反対で否決となった。  

 政府は謝罪と賠償を棚上げし、あくまで「経済援助」に固執、責任回避を続けている。ドイツがナチスの過去克服のため時間と労力を費やしてきたことは国際社会の中でも認知されているが、植民地支配の清算に話が及ぶと消極的な態度に転じ、戦後の経験をこの分野で生かしているとは言えない。

(矢嶋宰・フォトジャーナリスト、10月12日号)

内部被曝問題研究会が独自調査結果発表――意図的に低い放射線量提示か

記者会見での矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授(中央)。(撮影/古川琢也)

 医師や物理学者、福島県在住者を含む一般市民などで構成される「市民と科学者の内部被曝問題研究会」が一〇月五日、公益社団法人自由報道協会主催のもと東京都内で記者会見を行ない、福島県の空間線量を計測しているモニタリングポストの値を検証した独自調査の結果を発表した。

 同研究会は今年九月以降、文部科学省が福島県相馬市・南相馬市、飯舘村などに設置しているモニタリングポストのうち約一〇〇カ所を検証。これに校正済みの放射線測定器を密着させて測定する調査を網羅的に行なったところ、わずかな例外を除き、公表されているモニタリングポストの値よりも一・一~一・三倍程度高い値が出た。また、モニタリングポスト周辺の除染されていない地域でも計測したところ、一・五~二・五倍程度高い値が出たという。

 同研究会によると、各モニタリングポストは表土を広範囲に削った場所や、公園や保育園など、すでに除染済みの場所に設置されていた一方、除染されていない公園などには設置されていなかった。同会会員として会見した物理学者の矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授によれば「周辺地域の住民が浴びている正確な放射線量を知るには、モニタリングポストが示す値のおよそ二倍で考える必要がある」ということだ。矢ヶ崎教授はまた、「モニタリングポストの計器そのものに、線量を低めに示す傾向が共通してある」とも指摘しており、除染と併せて、あらかじめ数値が低く出るよう意図的かつ系統的に操作された疑いも示唆している。

 文部科学省原子力災害対策本部は本誌の取材に対し、「意図的に数値を下げるようなことはしていない」と改竄の意図を否定している。だが「市民と科学者の内部被曝問題研究会」では、未調査のモニタリングポストについても今後検証を進めていくという(関連記事24・25ページ)。

(古川琢也・ルポライター、10月12日号)

海自護衛艦「しらゆき」でも隊員虐待――札幌地裁が国に賠償命令

 護衛艦しらゆき(山本勝也艦長=事件当時)艦内で先輩隊員から暴行を受け心的外傷後ストレス障がい(PTSD)を負ったとして元海上自衛官Aさんが国を相手に起こしていた国家賠償請求訴訟で、札幌地裁(石橋俊一裁判長)は九月二一日、一五〇万円の支払いを国に命ずる判決を下した。

 しらゆきは海上自衛隊横須賀総監部(吉川榮治総監=事件当時)の所属で、事件は二〇〇五年夏から秋にかけて起きた。横須賀ではおりしも護衛艦たちかぜ(落修司艦長+当時)の新隊員虐待・自殺事件が問題になっていた。たちかぜで虐待の調査や対策がなされている一方で、別の艦では虐待が進行していたわけだ。

 判決によれば、原告のAさんは〇五年に一般隊員の枠で海上自衛隊に入隊、2等海士としてしらゆきの砲雷科・射管(射撃管制装置)部署に配属された。以後、艦内で生活しながら仕事を覚えていたところ、先輩士長や3曹から次の暴行や暴言を受けたという。

 ▼見張りを交代する際、規定時間より早くこなかったのがよくないとして、安全靴で両すねを三回蹴られアザができた▼同僚と一緒に記録していた作業日誌について、同僚のつけ忘れを理由に腹や足を拳骨で殴られた▼舷門(停泊中の艦の出入り口)当直の際、マイクを使った号令の口調が「人を見下したようだ」として足を蹴り、胸を拳で殴り、ヘルメットで頭を叩かれた▼当直の引き継ぎを誤り寝ていると、後部甲板に連れていかれ、足払いをかけられ、座り込んだところを平手で顔を殴られ、腕や足や頭を蹴られた▼海に流した段ボール紙を双眼鏡で追尾する訓練中、見失ったと報告すると、後頭部を殴られ双眼鏡に目を打ちつけた▼「役立たず、すぐに辞めてしまえ」との暴言を浴びせられた。

 訴訟の中で自衛隊側は暴力を否定。だが、元同僚の目撃証言などもあり札幌地裁は国の主張を退けた。一方で暴力とPTSDとの因果関係は否定しており、原告側(代理人・市川守弘弁護士)はこれを不服として控訴を検討中だ。

(三宅勝久・ジャーナリスト、10月5日号)

韓国で日本のパンクバンドがライブ――竹島あっても「隣の奴を愛せ」

SYSTEM FUCKERのボーカル、YU-TAさん(左から2番目)。(撮影/竹内一晴)

 「最近、上の奴らがごちゃごちゃとうるさいことを言ってるけど、俺たちの仲は絶対に引き裂くことはできない。隣の奴を愛せ」

 九月八日、韓国・ソウル市内のライブハウスでソウル、プサン、名古屋を拠点とする国内外のハードコアパンクバンド一二組が出演する壮大なイベント「THE MORE I SEE Vol.1」が開催。愛知県豊田市出身のバンドであるSYSTEM FUCKERのボーカル、YU-TAさんがステージ上で冒頭のように言い放つと会場は歓声に沸いた。竹島(韓国名・独島)領有権問題で日韓関係が緊迫する最中の公演だったが、自分は「右でも左でもない」というYU-TAさんは韓国の友人たちとの関係は「何も変わっていない。それがいい」と語った。

 SYSTEM FUCKERは豊田市の駅前で約二〇年前から開催されてきたゲリラライブ「炎天下GIG」に魅了されたメンバー四人で構成。二〇一一年からは先輩バンドから引き継ぎ、近隣住民の苦情や警察の規制に抗し完全無許可の無料路上ライブを継続する。ギター担当のATSUMIさんは「ホールやライブハウスに当たり前にお金を支払ってライブをするSYSTEMへのアンチテーゼとしてやっている部分もある」と話す。トヨタ自動車の「企業城下町」として人口四〇万人を擁する豊田市だが、市内には「まともなライブハウスもない」有様。自らの手で文化を創り出す同バンドは九月九日に弘益大学前の公園での野外ライブにも出演。圧倒的なパフォーマンスをソウル市民の目に焼き付けた。

(竹内一晴・ライター、10月5日号)