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ドイツ緑の党議員が福島を訪問

「原発に関する情報の隠蔽は、日本固有というよりも原子力固有のものでしょうね」とジルビア・コッティング・ウール議員。(写真/平井康嗣)

「原発はドイツでも最大のテーマ」

 ドイツ緑の党のジルビア・コッティング・ウール連邦議会議員が3月10日に来日し、福島県郡山市で会見をした。

 ドイツでは昨年の福島原発事故以後、メルケル首相が原発廃炉宣言をしている。3月11日、郡山市内の県民大会で挨拶した大江健三郎氏は、ドイツが脱原発に至った理由を国内倫理委員会の存在に見いだしていたが、ジルビア議員の話を聞くと実態は生々しくまだまだ気を抜けないと思えてくる。

 ドイツでは緑の党が連立政権に加わった1998年から2005年の間に、22年までに国内の原発全廃をすることを一度決めていた。しかし「脱原発に抵抗があった産業界は原発推進の大きなキャンペーンを組み、メルケルの保守政権へと交代した。そしてメルケルは脱原発政策をひっくり返して延命策にしたのです。今でも大手エネルギー会社は抵抗している。日本と同じシナリオです」(ジルビア議員)というのだ。廃炉宣言をしたのも福島原発事故やバーデン・ビュルテンベルク州で緑の党州首相の誕生という民意の高まりを受け、このままでは選挙を勝てないと判断したからだそうだ。不人気の消費税増税を意気揚々と進める野田首相にとっては馬の耳に念仏か。

(平井康嗣・編集部、3月16日号)

「改正しないのは立法不作為」――民法改正求め院内集会

 婚外子差別撤廃と選択的夫婦別姓導入などの民法改正が法制審議会で答申されてから一六年。政権交代で期待は高まったが、いまだ実現していない。国際女性デーの八日、「立法不作為を問う! 民法改正を求める院内集会」(主催/mネット・民法改正情報ネットワーク、共催/日弁連)が参議院議員会館で行なわれ、民主、公明、共産、社民、無所属の議員一一人を含む一〇一人が参加した。

「家族が崩壊する」という理由で選択的夫婦別姓に反対する勢力があるが、井戸まさえ衆院議員(民主)は「私は離婚、再婚を経験し、子どもと私は氏が違い、子ども同士も氏が違うが、仲良く暮らしている」と話し、井上哲士参院議員(共産)も「離婚の場合は旧姓に戻すことも元の姓を名乗ることも、子どもだけが元夫の姓を名乗ることも許されている。婚姻家族には認めないのは女性の人格権を蔑ろにしている」と批判。今野東参院議員(民主)は「法務部門会議でも、この問題になると普段来ない人が来て反対と大きな声をあげる」などと発言した。

 松あきら参院議員(公明)は「民主党が腹をくくればできる。ここに来て何かおっしゃってもダメで、党内でまとめきれないでどうして実現できるのか」と述べ、糸数慶子参院議員(無所属)も「政権を取ったら変わると思い、実際には何も変わらないのは沖縄の基地問題も同じ。裏切られている」と民主政権の公約違反を指摘した。

 一方、閣僚時に実現できなかった福島みずほ参院議員(社民)は「閣議決定できなかったことは本当に残念。民法改正法案が提出されないという事態を変えたい。今国会での議員立法提出に全力でとりくむ」と決意を述べた。

(宮本有紀・編集部、3月16日号)

地元財界も廃炉要求の伊方原発――再稼働へ強まる策動

 原子力安全・保安院は三月九日、四国電力が提出した伊方原発3号炉(愛媛県伊方町)の再稼働の前提条件となる安全評価(ストレステスト)の結果について「妥当」とする審査書の素案をまとめ、専門家による保安院の意見聴取会に提示した。この原発の前面海域断層による地震について国の地震調査研究推進本部は、「M八・〇程度もしくはそれ以上」と推定している危険地域(本誌三月九日号参照)。再稼働手続きを進める政府に対して反発が起こっている。

 愛媛県の財界を代表する県商工会議所連合会(会頭、白石省三・三浦工業会長)は一二日、再稼働に反対する見解を発表。運転開始から約三〇年を経た1号、2号は廃炉とし、3号は電力の安定供給のために一〇年程度稼働した後の廃炉を要求した。日本商工会議所は再稼働を求めており、地方組織の廃炉要求は異例だ。

 カギとなる地元合意について中村時広県知事のハードルは低いとみられているが、県議会合意について阿部悦子県議(環境市民)は「最大会派の自民党県議は福島を数多く訪れ、原子力安全委員会の班目春樹委員長の発言が二転三転したことへの不信感もある。再稼働一枚岩ではない」と分析する。

 一方、経済産業省前には九日夜、雨にもかかわらず七〇人以上の市民が集まり、「ストレステスト妥当」判断に抗議の声を上げた。東京都品川区から駆けつけたという二九歳の女性は「東電福島第一原発のような事故が起きない対策が取られているなんて信じられない。ご都合主義だ」と話している。

 再稼働強行を企む政府は、この国を滅ぼしたいのだろうか。

(伊田浩之・編集部、3月16日号)

福島との連帯呼びかけ――山田医師が柏市で講演

 首都圏に近いホットスポット(高濃度放射能汚染地域)の一つ、千葉県柏市の中央公民館で三月一一日、小児科医の山田真さん(東京・八王子中央診療所理事長)を講師に「子どもたちを放射能から守る! 小児科医が見た福島」と題する講演会が開かれた。主催は、二〇〇四年に結成された「食の安全と環境を考える会」(柳沢典子代表、会員約五〇人)。

 冒頭、山田さんが同日に柏市役所の生け垣で測定した放射線量を紹介。「〇・三五マイクロシーベルトあり、これは僕が福島以外では見たことのない高い数値」と述べると、約八〇人で埋まった会場からは驚きと不安の声が漏れた。

 講演の中で山田さんは、福島市内で健康相談会を重ねてきた経験から、「今や福島はあきらめの現状に見える」とし、「昨年秋以降、引っ越したくても引っ越せないという人の相談が増え、年明けからは『避難』という言葉も出なくなってきた。行政に要求してもダメなので要求しない。健康調査も住民に情報が開示されず、福島の中で封じ込められている」と指摘。一方で、福島県出身者への差別が広がっている事例を紹介しながら、「福島が助からないことには他の土地も助からない。“放射能は安全”などと福島で押さえ込まれている限りは、柏市など線量の高い場所のある地域も放置される」と話し、福島との連帯を呼びかけた。

(片岡伸行・編集部、3月16日号)

「勤務時間の把握は可能」と高裁――「みなし」認めずHTS敗訴

 派遣旅行添乗員で組織する全国一般東京東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部組合員六人が、添乗員に対する「事業場外みなし労働」適用の是非をめぐって提訴していた不払い残業代請求訴訟控訴審の判決が三月七日、東京高裁で言い渡された。大竹たかし裁判長は、「事業場外みなし労働の適用あり」と判断した一審判決を取り消し、付加金を含め、総額約二七〇〇万円の支払いを阪急トラベルサポートに命じた。

 判決では、「正確な添乗日報」等から、添乗員の労働時間の把握が可能であるとし、「事業場外みなし労働」の適用を否定。組合側の逆転勝利となった。

 判決後の会見で、原告の一人である大島由紀さんは「四年近く闘ってきた。会社は添乗員の処遇を改善するべき。この判決が自分たちだけではなく、すべての会社に波及することを望む」と訴えた。

 国内ツアーにおける「事業場外みなし労働」の適用はないとした昨年九月の高裁判決に続き、今回は海外ツアーについても司法は「時間把握は可能」と判断。この判決で、国内・海外ツアーにおける高裁レベルの判断が出そろったことになる。

(菅野存・全国一般東京東部労働組合執行委員長、3月16日号)

自然保護より雇用確保の愛知県――トヨタ、施設用地買収で提訴される

トヨタ自動車が計画するテストコースの予定地周辺。(撮影/澤村慎太郎)

「全体の奉仕者であるべき公務員が一私企業のために仕事を長らく行なってきたことは悪質である」

 トヨタ自動車が愛知県豊田市と岡崎市に広がる里山に建設するテストコース計画をめぐり、名古屋地裁に三月七日、こんな訴えが起こされた。愛知県企業庁がトヨタから約三〇〇億円の資金を提供され、建設用地の買収を請け負ったことを地方自治法などに違反するとし、無効の確認を求めるものだ。

 原告の一人である「全国環境保護連盟」(神奈川県鎌倉市)の岩田薫代表は「一私企業のために県の職員が土地の買収もアセスメント(環境影響評価)もやり、造成が終わったら引き渡すという。工業団地とはまったく違う。(県の事業として)公益性があるのか、裁判所に判断してもらいたい」と説明する。

 トヨタなどの計画によると、豊田市にある本社周辺での研究開発機能を強化するため、約六五〇ヘクタールの敷地にテストコースや研究開発施設などを建設。トヨタや地元から要請を受けた県が、企業庁内に専門部署「研究施設用地開発課」を設置し、二〇〇七年以降、調査や用地買収を進めてきた。岩田代表は「(地権者が)県の公共事業のためと勘違いした事例が多数存在する」とも指摘する。

 一方、県企業庁は「産業振興に加え、四〇〇〇人弱が働き、インフラ整備や雇用確保など地域振興も図ることができる。一社だけのためではなく、県全体の利益につながる」と主張。環境影響評価書の縦覧が二月末で終了し、今夏にも造成工事に入る意向を示している(用地買収費を含めた事業費約一一〇〇億円はトヨタが負担)。

 予定地内では絶滅危惧種「ミゾゴイ」(サギの一種)の繁殖が確認されるなど、環境破壊への懸念もある。岩田代表らは同時に、大村秀章知事らが公務員職権濫用罪に当たるとして名古屋地検に告発。少しでも着工を遅らせたい考えだ。

(澤村慎太郎・記者ネット名古屋、3月16日号)

「黒塗り文書」の情報隠し続ける推進派に異議――世界の反TPP反FTA論者集結

議論を重ねる各国の論客ら。日本のTPP推進派への批判も鋭い。(2月19日、ソウル市内。撮影/横田一)

「橋下徹市長はTPP(環太平洋戦略経済連携協定)への交渉参加に賛成していますが、多分、内容をあまり知らないのではないか」

 こんな疑問を投げかけたのは、韓国の通商問題専門の弁護士で『韓米FTAハンドブック』の著者でもある宋基昊弁護士。二月一九日、「TPPのひな型」と米国通商代表部が強調する米韓FTA(自由貿易協定)の調査で訪韓した日本の国会議員との懇談会で、「石原慎太郎都知事と橋下市長の連携の可能性が注目を集めている」との発言が出た直後、宋氏はこう指摘したのだ。

「石原知事はTPP反対だが、橋下市長は賛成。韓国で都知事に相当するソウル市長は、給食への遺伝子組み換え食品の使用を禁止する条例をはじめ三〇の条例がFTAに抵触、変更を求められる恐れがあると懸念表明をしています」

 三月一二日と一三日、宋弁護士をはじめ関係各国の専門家や国会議員やNPOが参加した「TPPを考える国際シンポジウム」が都内で開催され、活発な議論をした。韓国からは、韓米FTA全面破棄を求める国会議員の急先鋒の権永吉氏も参加。三月に発効予定の韓米FTAだが、食の安全や医療分野などでの弊害が知れわたり、四月の総選挙や年末の大統領選挙で一大争点に浮上。野党連勝の場合は破棄の可能性が高い。

 米国の参加者は、ラルフ・ネーダー氏が創設したNPO「パブリック・シチズン」のロリ・ワラック課長(貿易担当)とピーター・メバードック課長(医薬品担当)。日本ではTPP推進一色のように報じられる米国だが、北米自由貿易協定(NAFTA)で失業率増加や賃金低下を招き、米国民には自由貿易協定への嫌悪感が根強く、一部の多国籍企業が中心となってTPPを推進しているのが実態だ。

 TPP交渉参加国であるニュージーランドからは、緑の党共同代表のラッセル・ノーマン国会議員と、『異常な契約 TPPの仮面を剥ぐ』(農山漁村文化協会)編著者のジェーン・ケルシー教授(オークランド大学)が参加。TPP交渉をめぐる最新情報について紹介していった。

 二日間の日程はかなり過密。初日は、午前中に永田町で「議員間意見交換会」、一二時からは有楽町駅前で街頭演説会、そして一三時半には日比谷公園からデモ行進に出発。終了後は一五時からの「TPPを考える国際シンポジウム」に集結するという具合だ。

 翌日も九時から、「専門家会議」で日本医師会や消費者団体などの関連団体と意見交換。「医療・医薬品」と「保険・知的財産・食の安全」と「米韓FTA」の三部構成で、第三部では宋氏と権氏らが全国建設労働組合の関係者と条例への影響などについて議論をした。

 一方、今回の国際シンポについて説明した七日の記者会見では、TPPの新聞広告案に関する黒塗りの文書も配布された。タイトルは「TPP交渉参加に向けた協議に関する広報 平成23年度最重要・重要広報テーマ(新規)に係る政府広報」。電通が作成して一月一三日に内閣府大臣官房政府広報室に提出したものだった。

 この新聞広告は二月に主要全国紙などに掲載予定だったが、TPP慎重派が問題視。掲載延期となった。そこで川内博史衆院議員が「『交渉に参加するのか否かは国民的議論を経て判断する』というのが政府の方針。それに沿った広報であったのかを検証しないといけない」として情報開示を求めた。

 しかし請求から一カ月ほど経った三月五日、ほとんど黒塗りにされた文書が届けられた。

 これに対し川内氏は「全面公開を求める国民の声を巻き起こしていく」と意気込みを見せた。「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦前農林水産大臣も「食の安全は守られるとか、国民健康保険制度には悪影響を与えないとか、TPPへの交渉参加を一方的に推進するような内容が盛り込まれていたのではないか。徹底的に追及していく」と強調。TPP慎重派と推進派のせめぎ合いは、今後さらに激しさを増しそうだ。

(横田一・フリージャーナリスト、3月16日号)

福島で「被害者支援法」制定求める集会

健康調査について話す阪上武さん。(写真/満田夏花・FoE Japan)

 長引く原発事故の影響を踏まえ、健康影響の回避のための管理体制の構築や、避難者や影響地域にとどまっている住民を支援するため、「原発事故被害者支援法」の制定を求める集会が3月3日、福島で開催された。主催は国際環境NGO FoE Japanおよび福島老朽原発を考える会の2団体。

 福島老朽原発を考える会の阪上武さんは、福島における県民健康調査は、目的が「不安解消」にあり、放射線の影響が少ないことが前提となっている点、甲状腺がん以外の疾病が考慮されていない点などを指摘。内部被曝を個別に把握し、被曝低減策を行なうことを提言した。筆者は、広く選択的避難区域を設定し、生活再建支援や保養プログラムなど、避難者・在留者双方を支援する政策の必要性を訴えた。

 弁護士の福田健治さんは、避難権・移住権・帰還権などを踏まえた支援策、健康管理手帳の配布や医療費無料化などを内容とする「被害者支援法」の提案を行なった。

 参加者からは、避難者が事業を起こす際の低利融資提供などの支援、子ども・妊婦のみならず若い女性への配慮、将来の健康影響に備えて今何をすべきか、などについての議論が交わされた。参加者の一人で、郡山市から静岡県に避難した男性は「これは自分たちの問題。当事者として立法化にむけて取り組んでいきたい」と語った。

(満田夏花・FoE Japan、3月9日号)

米国で沖縄の構造的差別訴え――稲嶺名護市長が訪米報告

「海にも陸にも基地を造らせない」という姿勢を貫く稲嶺進氏。(撮影/渡瀬夏彦)

 普天間飛行場の辺野古移設実現に固執する日本政府に対し、一貫して拒否の姿勢を貫いている名護市の稲嶺進市長は二月二七日、名護市主催の訪米報告会の場で、あらためて「辺野古基地建設反対」を訴えた。

 会場の市民会館大ホールには名護市民や県内各地から駆けつけた人々が、稲嶺市長および同行した玉城デニー衆院議員(民主)の報告に聞き入った。

 稲嶺市長らは二月六日~一〇日、米国ワシントンを訪問。国務省、国防総省、米国連邦議会(上・下院)議員や関係者(軍事委員会、歳出委員会、財務委員会、外務委員会)、シンクタンク等、計二〇人と会談し、講演会や記者会見などを行なった。

 稲嶺氏は「地元の市長が来たということで関心は高かった。(普天間移設問題は)日本国内の問題ではないか、という声もあったが、それに対しては、一六〇九年の薩摩侵攻以来の沖縄の歴史を話し、沖縄を犠牲にすることで繁栄を享受してきた日本による構造的差別が今もずっと続いている、と話した」「米国では『抑止力』とか『沖縄の地理的優位性』とかは問題になっておらず、財政問題が大きな比重を占めていることがわかった。抑止力論もパッケージ論も根拠を失っていることを実感した」などと報告。

 会場の県内大学生から「日本と米国の認識の違いはどこからくるのか」という質問が出ると、稲嶺氏は「日本には軍事専門家がいないと言われた。五年の間に首相が六~七人、防衛大臣が九~一〇人も替わるような国とはまともに話ができない、ということだ。日本は米国に対して情報提供していない。私たちは米国に対しても本土に対しても、正確な情報を提供していくことが必要だ」と回答。

 また「市民に約束した『海にも陸にも基地を造らせない』意思を貫き通してきたが、日米両政府は改めて辺野古へのV字案を確認。たくさんの大臣が『理解を得る』として沖縄入りしたが、名護まで来た人は一人もいない。嘉手納あたりに大きなバリアがあるらしい」と皮肉り、笑いを誘った。

(浦島悦子・フリーライター、3月9日号)

杉並・里子虐待死、都議会で質疑――石原都知事「最悪の結果」

 東京都が養育を委託措置していた三歳女児を虐待死させたとして、杉並区の里親で元声優の女性(当時四二歳)が傷害致死容疑で逮捕・起訴された事件が三月一日、開会中の都議会定例会本会議の一般質問で取り上げられた。

 質問したのは民主党の松下玲子都議。(1)国通知が死亡事例の検証時期について「発生後、準備が整い次第、速やかに開催する」と規定しているのに対し、都が児童福祉審議会に事件検証を依頼したのは、女児死亡一年後の里母逮捕の後だった理由、(2)里親に養育委託後、里子が安全な生活を送っているかどうかの現場確認や里親の養育支援を十分に行なっているか、(3)女児の不正出血について「原因不明」のままで、セカンドオピニオンを取らなかった理由――などを質した。

 杉村栄一都福祉保健局長は「事件発生後、杉並児童相談所は保育園、医療機関から可能な限りの情報収集を行ない、内部検証を実施したが、虐待の有無など死亡に到った経過の事実把握が困難だった」と弁明。里子の実生活での安全確認については「委託後一年以内に家庭訪問している」と述べるにとどまり、杉並の事件では女児の自立支援計画策定は里親宅で行なったが、その後は電話での経過確認しか行なっていなかった事実には言及しなかった。

 都は改善策として、二〇一二年度から(1)すべての里子の心理面接を定期的に実施、(2)夜間・休日の里親からの相談受付実施、(3)定期的な里親宅訪問を行なうと表明した。一方で、女児の性器からの出血については答弁しなかった。

 石原慎太郎都知事は答弁の中で「最悪の結果。多くの養育家庭の労苦や努力を無にしてはならない」とした。

(小宮純一・フリージャーナリスト、3月9日号)