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宜野湾市長選で伊波氏敗れる――新市長「県外移転」の本気度は?

佐喜真淳氏の当確の報に、肩を落とす伊波氏(右)。(撮影/尾崎孝史)

 二月一二日投開票の沖縄県宜野湾市長選挙は、社民党や共産党、社会大衆党が推薦する伊波洋一候補が、保守の佐喜真淳候補(自民党、公明党、新党改革推薦)に約九〇〇票の僅差で敗れた。選挙期間中は両候補とも市内の米軍普天間基地について「県外移転」を掲げており、「争点が見えにくい」との声も聞かれた。だが、名護市の辺野古新基地建設を断念していない日米両政府が佐喜真候補の当選を狙っていたのは事実だった。

 今回の選挙結果について、辺野古移設に反対するヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表委員は「佐喜真候補の『県外移転』公約は、注意を要する」と指摘。同候補について、「元々、普天間の移転先があれば『受け入れるよう説得する』と発言し、県内移設について明確に反対と言わず、オブラートに包んでいる。だからこそ沖縄防衛局も佐喜真候補の当選のため、職員に親族の名簿まで作らせて選挙に介入しようと考えていたのではないか」と、警戒を隠さない。

 さらに伊波陣営では、選挙直前に日米両政府が「海兵隊グアム移転と普天間基地移設の分離」を発表したことについて、辺野古新基地建設反対を明言している伊波候補では普天間基地は固定化せざるを得ない――という脅しのメッセージとして受け止めていた。

 当面、佐喜真氏の基地に対する姿勢が問われるのは、海兵隊が今秋にも予定している垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間基地先行配備だ。米国では欠陥が指摘され、さらに同基地の騒音問題がより深刻になると見られるが、どこまで反対を貫けるか。

 しかも佐喜真氏は、基地交付金など防衛予算の増額を政府に求めていくと発言。これでは基地への依存が強まり、固定化につながりかねない。宜野湾市民の新市長に対する監視が求められている。

(成澤宗男・編集部、2月17日号)

“虹色のグリーン”に“無色のグリーン”――「緑の党」「緑の日本」が設立へ

左から、中山均、すぐろ奈緒、松本なみほ、八木聡ら「みどりの未来」各共同代表。(撮影/平井康嗣)

「エコでピースな地球の未来を政治でめざす」のキャッチフレーズのもと日本各地で「みどりの政治」に取り組んでいる団体と連携してきた「みどりの未来」が二月一二日、「緑の党」を今年七月までに結成し、二〇一三年の参院選に挑戦すると発表した。

 以前から脱原発を主張していた社民党は別格としても、東京電力福島第一原発事故後、脱原発をうち出す議員・政党が増えた。最近では公明党の主力支持団体創価学会の池田大作名誉会長も脱原発を早急に検討すべきと発言し、みんなの党、大阪維新の会など新興政党までが脱原発を掲げる。そんな中、国政選挙を見据えてエコロジー政治団体が動き始めた形だ。

「原発」と「おまかせ民主主義」にサヨナラというみどりの未来は、中村敦夫元参議院議員が代表を務めた「みどりの会議」の解散後の団体「みどりのテーブル」と、地方議員の集まりの「虹と緑」が二〇〇八年に統合して発足した。

「緑の党」はオーストラリアで生まれ、今では欧州を中心に世界各地で結成されている。みどりの未来も、各国の環境政党が所属する国際組織グローバルグリーンズに参加しており、日本版の「緑の党」は「国際的な連携をすることが特徴。また、NGOとも連携し、即時原発廃止のプログラムも持っていることが強み」(中山均「みどりの未来」共同代表)だという。そして、多様性を包容する参加型民主主義を実現していくという。

(右手前から時計回りで)加藤登紀子、中沢新一、マエキタミヤコ、宮台真司、いとうせいこう、鈴木邦男、鈴木耕、鈴木幸一の「グリーンアクティブ」発起人と賛同人。(撮影/平井康嗣)

 一方、翌一三日にも、脱原発運動を中心として「緑の党のようなものを目指す」という「グリーンアクティブ」が中沢新一氏、宮台真司氏らを発起人として都内で立ち上げを発表をした。

 中沢氏は、「3・11の後、日本人の間に力強くわき上がった“緑の意識”を目に見えるかたちでつくりあげていく。それは原発に依存しない社会をつくりだすことであり、むやみな自由貿易や自由主義経済へ抵抗することである。また、ネットの中に潜在している思いや声を引き出して現実社会へ大きく拡大していきたい。いきなり党という形でなく、もっとゆるやかなネットワークを通じて、多様な人びとを巻き込んで、日本をつくりかえていく組織をつくろうと考えている」と理念を語る。

 中沢氏は、東日本大震災以後、価値観が大きく転換し、言論活動を含めたあらゆる表現手段を考え、今回、このような行動を起こすことを決意したという。

 最近『愚民社会』(太田出版)を共著出版した発起人の宮台真司氏は、「どうして原発事故が起きたのか。どうして原発を止められないのか。それは何が事実か共有されていないから。専門家に任せてはだめ。くだらない誹謗中傷合戦をするイデオロギー勢力と思われてはならないことがこのプラットフォームを立ち上げる理由」と「党派的な運動」と一線を画し、イデオロギー色を排除する重要性を強調した。

「グリーンアクティブ」では、政治部門として「日本独自のエコロジー政党」である「緑の日本」を立ち上げ、脱原発を掲げる候補者から希望があればグリーンシールを貼っていくという。いわゆる「緑の党」運動との違いについて中沢氏は、「緑の党はヨーロッパの政治形態で、その歴史を抱えたまま日本に持ってくると日本人の想像力やこの国に相応しい活動形態が規制されるおそれがある」と話す。

 とはいえ両者に共通するのは、単なる「脱原発」ではなく、原発を招いた社会や形骸化した民主主義への思いだろう。多様な色を取り込もうとする「日本版緑の党」と、色を排しようとする「緑の日本」。今後の発展的な連携にも注目だ。

(平井康嗣・編集部、2月17日号)

全米でデモ「イランへの制裁止めよ」

 米国最大の反戦組織ANSWERなどの市民団体は2月4日、全米60カ所で、「核開発」を口実にしたオバマ政権のイランに対する挑発的行為を止めるよう訴える全国統一行動に初めて取り組んだ。ニューヨークで500人、サンフランシスコで600人が参加し、全米規模では数千人が抗議の声をあげたという。

 現地報道によると、各地の参加者は「戦争にノー、経済制裁にノー、軍事介入にノー、暗殺にノー」という横断幕を掲げ、繁華街などをパレード。このうちワシントンのホワイトハウス付近では、プラカードを掲げた100人あまりの参加者が「イランから手を引け」とシュプレヒコールを繰り返した。

 一方、『ワシントン・ポスト』は2月2日付で、パネッタ米国防長官が「イスラエルが4~6月、イランを攻撃する可能性が高いと信じている」と報道。さらにイスラエル政府に近い軍事問題専門のインターネットサイト「DEBKA」は1月末、米軍がイエメンのソコトラ島とオマーンのマシーラ島に、イランとの「いかなる事態にも対応する」ため、2月半ばまで5万人規模の空・海軍と海兵隊を密かに集結させており、現在両島に米軍の輸送機が連日物資を空輸していると報じている。

 オバマ大統領は現在まで、武力行使について具体的な言及は避けているがANSWERは今後もイラン戦争反対の運動を強化していく予定だ。

(成澤宗男・編集部、2月10日号)

NTT幹部らに賭博疑惑――ペナルティーは「バイアグラ」に「ソープランド」

NTTの広報紙的な存在である『テレコム・レビュー』が、幹部たちの“障害”ぶりを披露している。

 

 元国営公社という強みで民営化後も業界優位に立つNTT(日本電信電話株式会社)。先日、グループのNTTドコモは携帯電話の一部が通信障害を起こしたことで山田隆持社長が謝罪会見を行なった。しかし、グループ幹部連中の“障害”ぶりは既に意外な形で明らかにされていた。

 NTTグループ幹部たちの異常な“趣味”が明らかになった。NTTドコモの山田隆持社長ら現役の幹部と関連企業に天下りなどした元幹部のOBらが、長年にわたって賭けゴルフと賭け麻雀を堪能する例会を頻繁に開催し、「禁じられた遊び」にふけっている。しかもその中心人物が、自らの違法行為をメディアで自慢までしていたのだ。
「いったい、あの記事がどうして書かれたのか。あんなことを公言するなんて信じられないと関係者の間で話題になっていた」

 NTT関係者がこう語って首を傾げたのは、昨年一〇月、情報通信業界紙の『テレコム・レビュー』(「逓信」発行)が、一面全体で大々的に報じた記事だった。
 この業界紙は、NTTグループやKDDIなど情報通信企業や関連企業のほか、情報通信行政に関わる省庁や政界などで読まれている月刊紙で、発行部数は公称一万部。一般的な知名度はないが、関係者には注目されてきたメディアだ。

■「ゴルフを100倍楽しむ」

 日ごろは業界のトピックなど伝えているお堅い業界紙が昨年一〇月一五日号で唐突に掲載した記事の大見出しは、「ゴルフを100倍楽しむ法」。サブの見出しは「大評判 三原種昭(大明相談役)の『ベット集』」だった。

 その内容は、「広くNTT関係者の間」で、一五年前に賭けゴルフと賭け麻雀を徹底的に楽しむ目的で「MG会」と呼ばれる親睦会が自然発生的に生まれ、以後、年に五、六回も泊りがけの例会が開催され続けている、というものだった。

 そのゴルフで重宝されているのが「MG会の推進者」で「NTTグループ切ってのアイディアマン」とされ、現在はグループ傘下の関連企業「大明」に在籍している三原相談役の作成した独自のにぎり(賭け)ルール集なのだという。

 三原氏は、日本電信電話公社に入社し、後のNTTで常務にまで上り詰めた。その後、現在のNTTコムウェアの前身であるNTTコミュニケーションウェアの社長を務め、さらに大明の社長に天下りして、今は相談役となっている。

 いわば大物OBの三原氏は、記事中で「ゴルフは楽しくなければゴルフではない。くそ真面目にスコアだけを気にしないで、はち切れんばかりのベットを持ちこんでアフタープレーの場を盛り上げるのが醍醐味だ」と胸を張り、自分が作成した「にぎり」のルール集について自慢げに解説している。

■「賭博性を高めた」ルール

 たとえば、自信作というルールでは、ショート4ホールで一度もワンオンしなかった場合、「バイアグラ」というペナルティを受ける。なぜなら「旗竿が立ちっ放し」だからだ。また、グリーン周りのバンカーから一打で乗せられないと、「乗らないで出すだけ」という意味で「ソープランド」のペナルティが科される。一般的にも知られる「オリンピック」を、三原流にアレンジして「博打性を高めた」ルールもあるという。

 賭けのレートは不明だが、あるNTT関係者は「部長クラスでにぎる時、一つのペナルティは一〇〇〇円くらい。役員ならもっとレートが高いのでは」と話す。仮にレートが一万円ならば一〇万単位の勝ち負けになるだろう。

 MG会のメンバーは、現役幹部とOBがほぼ半分で総勢約一〇〇人。例会は沖縄を含む全国各地で行なわれる。出身地や所属先で東西に分かれ、関ヶ原に近い名古屋で行なわれる東西対抗戦には、ドコモの山田社長も「欠かさず参加」しているという。

 このほか紙面では、NTT西日本の伊東則昭副社長や、NTTドコモの元副社長で現在は関連企業「協和エクシオ」の石川國雄社長、NTT元常務で、現在は「古河電工」の石原廣司会長ら一〇人ほどが、中核メンバーとして紹介されている。

 言うまでもないが、賭けゴルフや賭け麻雀は刑法一八五条の賭博罪にあたる違法行為だ。NTTの幹部やOBたちが違法な例会を組織的に開催し、それを当事者が自慢げに公表するなど常識的には考えられない異常な状況といえるだろう。

 そこで、NTTドコモなど紙面に登場したメンバーの所属企業に当事者の見解や企業としての対応について質問したが、締め切り前に回答した企業は一社もなく、こちらから東西対抗戦の世話役という片桐清志相談役がいる「シーキューブ」の広報担当者に確認すると、「プライベートの話なので回答は控えさせていただきます」と答えた。さらに締め切り後、NTTドコモとNTT西日本から揃って、問題の記事は「こちらで対応した(取材を受けた)ものではないので、回答は控えさせていただきます」との連絡があった。

■出張費はポケットマネーに?

 とはいえあるNTT関係者は、この問題は「プライベートの話では済まされないのでは」と眉をひそめる。なぜなら、MG会の例会は「それぞれ幹事が参加者の交通手段や食事、宿泊などアゴアシすべてを手配し、メンバーが自腹を切ることがない。なのに、例会の参加費を出張費としている会社もある」というのだ。

 いったい幹事が支払う費用はどうやって捻出されているのか。また「宴会にコンパニオンが手配されることもある」とのことで、メンバーは無料で文字通りの大名遊びを満喫し、出張費までポケットマネーにできるというのだ。

 このNTT関係者は、MG会の話に限らず、NTTの幹部がゴルフや麻雀をする際には「外部の取引先が参加させられることもある」とも語る。その場合、「出入りの業者が、賭けで安易に勝てると思いますか? なかにはワザと負ける業者だっていないわけではない」というのだが……。

 どうやらNTTグループには、キャリアの幹部たちが美味しい思いをする“仕組み”がいろいろと存在しているようなのだ。

 一方、渦中の業界紙を発行する「逓信」には、NTT関連企業から多数の広告が出ているほか、「逓信」自体がOBの天下りを受け入れることもあり、いわばNTTの広報紙的な存在だと見られることもある。そんな業界紙が、いったいナゼこんな記事を掲載したのか。
 冒頭のNTT関係者は、「だから皆、不思議に思っている。今回、記事に名前の書かれた人はNTTグループ内でも技術系と呼ばれる人たちだった。それでグループ内の派閥抗争に関係あるのか? などと憶測もされている」と声を潜めた。

 問題の記事のリード部分には、「よく遊ぶ人は、よく仕事ができる。この会のメンバーが(NTT)グループを代表する腕利きの仕事師と趣味人間が集結している事実はあまり知られていない」とある。

 確かに、NTTドコモの山田社長はグループ全体を統括するNTT持株会社の次期社長有力候補としても注目されている実力者だ。とはいえ、こんな非常識な趣味人に日本を代表する大企業を統率させてもいいのだろうか。

(杉原章一・ジャーナリスト、2月3日号)

「ブレーキ」は統合、「アクセル」に変化なし――原発維持の原子力規制へ

 原子力規制に関するダブルチェックが任務だった原子力安全・保安院と原子力安全委員会を統廃合し、「原子力規制庁」と「原子力安全調査委員会」になる関連法案が一月末に閣議決定された。規制庁の定員四八五人を満たす人材は環境省にはいないため、経済産業省から三五九人、文部科学省から四五人、内閣府から六九人が出向する。各々はいずれも、これまで原子力を推進する立場にあった。

 常勤二人を含む「原子力安全調査委員会」は報道等で注目を浴びているが、規制作りの要となるのは、原子炉等規制法改正案で目立たない名称を付けられた「審査専門委員」(非常勤、若干名)である。ここに、原子力ムラ人脈をもとに御用学者が任命されることになれば、規制庁長官や原子力安全調査委員長が誰であれ、原子力規制行政は変わらない。

 なぜなら、原子力政策の源である「原子力基本法」の目的(第一条)は「原子力の研究、開発及び利用を推進する」ことにあるからだ。政府の東電福島原発事故調査・検証委員会は昨年一二月に中間報告を出したが、昨年三月二四日に首相執務室で示された「最悪シナリオ」が隠蔽されていたことは、年が明けてから判明した。

 同シナリオを書いた近藤駿介委員長率いる「原子力委員会」は、原子力基本法を根拠としており、統廃合を免れた。同氏は、昨年四月の衆院で三月一一日後、定例会を三週間も開催しなかった理由を「目の前で原子力が爆発しているような状況で、会議を開いて議論するのは適切でないと考えた」と答弁した人物だ。

 原子力推進体制の抜本改革がなされない理由を、内閣官房は「今回は安全規制組織(ブレーキ)の統合」と話した。つまりアクセルに変化はないというのだ。

 国会事故調査委員会の黒川清委員長が「『行政組織の在り方の見直し』を含めた調査の最中に政府が法案を決定したことは理解できない」と不満を表明したが、至極当然である。推進体制が変わらないのは会計も同様である。安全規制対策費が区分経理されるだけで、電源立地と電源利用対策費は不動である。四月一日に施行させる規制庁をスケープゴートに、原子力ムラを推進する体制に政権が蝕まれていると官邸は自覚しているか。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、2月10日号)

【米国】核廃棄物の最終処分をどうする――専門委は新組織の設立を提案

 米国に蓄積する核廃棄物の最終処分について二年近く検討を行なっていた専門家委員会が一月二六日、最終報告書をエネルギー省長官に提出した。米国には現在、稼働中や停止した原発施設七五カ所において六万五〇〇〇トン以上の使用済み核燃料が保管されており、毎年二〇〇〇トン以上が増加している。

 報告書は、核廃棄物の管理や最終処分地を決定する際に地元の同意を得ること、今後の核廃棄物管理を担当する新たな組織を設立することなどを提案している。高レベル放射性廃棄物の最終処分場の候補地として決まったものの、科学的にも手続き的にも問題が噴出したことでオバマ政権が中止を決めたネバダ州のユッカマウンテン計画の是非や、具体的な処分地候補などについては扱っていない。

 東京電力福島原発の事故の影響で、米国民の使用済み核燃料に対する関心は高まっている。だが、最終処分場が動き出すまでの険しい道のりはまさにこれからだ。

 二〇一〇年一月に発足した「米国の原子力の将来に関するブルーリボンコミッション」は、三つの小委員会(処分委員会、原子炉・核燃料サイクル技術委員会、輸送・貯蔵委員会)で、調査・検討を進めてきた。これについて報告書はまず、ユッカマウンテンが高レベル放射性廃棄物の唯一の候補地として一九八七年に決定されたにもかかわらず、オバマ政権がこの計画中止を決定したことからみて、今後最終処分地を決める際にはトップダウン方式ではなく、その地域の関係者の同意を基にした新たな手法が必要だとしている。そのためには、透明性や柔軟性、十分な話し合いが必要だという。

 報告書はまた、核廃棄物処分に特化した新たな組織の設立を提案している。処分地の決定、処分場の建設と運営が主な仕事で、使用済み核燃料の最終処分地への安全輸送の確保や、核廃棄物処分に関する技術の研究なども担当する。それぞれ一つ以上の地層処分場と中間貯蔵施設の建設の開始、また、核廃棄物の大規模輸送に対する準備を始めるよう提案している。

 日本も高レベル放射性廃棄物の地層処分を決めているが、処分地の見通しは立っていない。透明性や地元の合意が不可欠という提言は日本でも求められるものだ。

(村上朝子・ライター、2月10日号)

2.19脱原発杉並デモ

 世代や職業や政治に関係なく「脱原発」の一点でつながった”有象無象”デモが2月19日、東京・杉並区でありました。詳しくは、『週刊金曜日』2月24日号「金曜アンテナ」に掲載しますので、ぜひ読んでいただきたいのですが、本誌で使わなかった写真も多いので、ここに掲載します。(編集部・伊田浩之)

「責任を誰が負うのか半減期数十万年の核の危うさ」との短歌を持つ人たち

出発地点の蚕糸公園で横断幕を書く人も

パレードの先頭は、黄色い風船で飾られた散歩カーに乗ったキッズ隊

お菓子満載の台車も登場

いつも元気なドラム隊

約5000人(主催者発表)の参加で盛り上がった

脱原発を訴える替え歌などで盛り上がったカラオケカー

周囲を圧倒する巨大人形

まるで歌声喫茶。アコーディオンの伴奏で「早春賦」を歌う人たち

ユニークなプラカードの数々

離婚届に面会と養育費チェック欄を提案--井戸まさえ 衆議院議員インタビュー

――昨年四月一五日の衆議院法務委員会で、離婚届に面会交流と養育費分担の取り決めについてチェック欄設置を提案された。

 いま養育費を払っている人は一九%程度。その率を一〇〇%にするために法律改正したのだから、周知徹底のために効果的な方法ではないかと思った。

 協議離婚制度があっても子どもがいる場合は養育費の取り決めをしなければ離婚できない国がほとんど。だが日本はそこが緩い。日本も調停離婚の場合には審判で決めればいいし、協議離婚の場合には離婚届に面会交流月何回、養育費月何円と書くことができれば本当はいいのだが、DVなどで早く離婚したいという場合もあるから、そこも配慮した上で、親としての責務を自覚してもらうための方法だ。法務省側は最初、消極的な態度だったが、結局は実現した。

――なぜ法務省は態度を変えたのか。

 黒岩宇洋法務大臣政務官が検討すると答弁したこともあるし、よく考えたらいい方法だと思ったのだろう。法律に明記した以上具体的な施策をしないといけないが、ポスターやチラシをつくっても効果は期待できない。この方法なら離婚届を出す全員が目にするので効果があるし、費用もあまりかからない。

――届の提出時に質問されたら、窓口でも「決めてなくても受け付けます」でなく「受け付けられますが、あとできちんと決めてくださいね」と言ってもらうことが必要になる。

 それは重要なことで、各窓口で「法改正でこうなりました」と伝えてもらわないといけない。

――これは大きな一歩だが最初の一歩。次の一歩は?

 いま養育費を払わなくても、過去の不払い分は取り立てができるから、あとで一括請求されたりしますよ、と「逃げ得」はないことを周知させることが次のステップだ。

(まとめ・撮影/宮本有紀・編集部、2月10日号)

4月1日の改正民法施行に伴い実施――離婚届に面会と養育費チェック欄

 法務省は二月二日、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況をチェックする欄を設ける様式変更の民事局長通達を全国の法務局長に出した。面会交流や養育費分担を取り決めるよう明文化した改正民法が四月一日に施行されるのに伴い実施される。

 二〇一〇年人口動態統計によると、離婚件数は二五万一三七八件で、そのうち未成年の子どもがいたのは五八・五%だった。

 民法では、父母は親権の有無にかかわらず、離婚後も子どもの養育費の支払い義務があり、子どもは父母に養育費を請求することができると規定している。しかし、実際には養育費を受ける子どもはごくわずかで、取り決めすらしていないケースが大半である。諸外国と比べても、日本の養育費の支払い状況は極めて低く、母子家庭の貧困化が社会問題になっている。

 厚生労働省は五年に一度、全国母子世帯等調査を行なっているが、直近の二〇〇六年度調査によると、養育費の取り決めをしている母子世帯の割合は三八・八%で、現在も養育費を受けている母子世帯の割合はわずか一九%にとどまった。離婚時に養育費の取り決めがほとんど行なわれていないことが最大の要因だが、離婚届の用紙には職業や世帯構成を問う欄はあるが、養育費の取り決めの有無を問う欄はなかったため、離婚するカップルの多くが、養育費を離婚時に決めるものという認識に欠けていた。

 昨年六月の民法改正で、協議離婚において定めるべきものの具体例に、監護費用の分担、養育費の支払いが条文上明示されることになった。その法案審議で民主党の井戸まさえ衆議院議員が、「最も効果的な周知徹底の仕方」として離婚届用紙にチェック欄を設けることを強く求めていた。

 今回の改正は大きな一歩だが、養育費が確実に支払われるために、さらなる取り組みが必要だ。

 本来支払うべき人が支払わないことで、児童扶養手当や生活保護に頼らざるを得ない状況は、国にとっても負担が大きい。手厚くすべき人に十分に支払えないということにもなりかねない。なにより、子どもにとって「別れても自分のことを心配してくれる親」と思えることは、子どもの成長にとってとても大切なことなのだ。

(坂本洋子・mネット・民法改正情報ネットワーク、2月10日号)

基地全面撤去か「県内移設は反対」止まりか――宜野湾市長選は「現代史の分岐点」

 前市長の病気辞任に伴う沖縄県宜野湾市の市長選挙が、二月五日に告示された。日米両政府によって米軍再編では「セット」とされた海兵隊のグアム移転と同市内の普天間基地移設が四日に「分離」になると発表され、同基地がそのまま固定化される恐れも出てくる中、元市長の伊波洋一候補(社民党、共産党、社会大衆党推薦)は「世界一危険な普天間基地の全面撤去」を掲げ、一二日の投開票に向けた選挙戦に突入した。

 普天間基地「県内移設」に固執する日米両政府に対し、沖縄県民の憤りは収まらない。昨年一一月に沖縄防衛局の田中聡前局長による「レイプ発言」があった後も、引き継いだ真部朗局長の指揮で一二月末、普天間基地の辺野古移設に向けた環境影響評価書が、市民の抗議をよそに午前四時という常識外れの時間に運び込まれた。

 さらに防衛局は一月二六日、米軍が辺野古基地と一体運用を狙っている東村高江のヘリパット基地建設に向け、自然破壊が懸念される中、工事の強行を試みた。

 現場に座り込んだ住民らの抗議行動で阻止されたが、ここで訓練予定の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイは、米国でも「飛行中にエンジンが停止した場合の緊急着陸装置が欠如している」と指摘された欠陥機。しかも配備先は普天間基地である。周辺住民の命に関係するにもかかわらず局は、環境影響評価書の準備書段階まで、配備予定を知りながらオスプレイについて記載しなかった。

 そして、今回の真部局長による宜野湾市長選挙への介入だ。局が持ち込んだ評価書を休み明けの県庁が開封した一月四日当日の午後三時、真部局長は総務部を通じ同市在住の職員と市内に選挙権のある親族のリスト作成をメールで指示している。すでに一二月三〇日の段階で伊波候補と、佐喜真淳候補(自民党、公明党、新党改革推薦)の擁立が決定しており、仕事始めからただちに介入を開始していたことになる。露骨な地位利用だが、政府は真部局長の更迭を拒否している。

 こうした防衛局の一連の動きが示しているのは、いかに県民が反対しようが、米国の意向のみに従ってあくまで基地を押し付けようとする政府の姿勢だ。

 提出された環境影響評価書自体、ジュゴンやサンゴ、潮流などの調査の不備などが表面化。このため、県の環境影響評価審査会では「内容に不明点が多すぎて審査できない」「差し戻すべきだ」といった意見が出ているという。

 ところが防衛省の田中直紀大臣は、第一回目の審査会すら始まっていない一月一五日の段階で、「辺野古新基地の年内建設着工」を示唆。形式手続きすら無視するかのような意図をうかがわせた。

 一方、伊波候補と対決する佐喜真候補は、自民党すら賛成した一昨年の「普天間基地県外移設」を求める県議会決議に、県議として最後まで反対した人物。自身のブログでは普天間基地「県外移設」を求めているが、「県内移設は反対」と言い切らないのが問題なのだ。 五日の第一声では、沖縄の世論が沸騰している真部局長の選挙介入問題について一言も触れていない。

 今回の「分離」発表によっても、依然辺野古における新基地計画は正式に断念されていない。同時に米国側は普天間基地の固定化を見据え、基地の修理費などを新たに日本側に求める構えだ。しかも沖縄では、本島の陸自増強や与那国島での自衛隊基地建設など、米軍の対中国海軍封じ込め戦略と連結したキナ臭い動きが目白押しとなっている。宜野湾市の選挙結果次第では、一挙にこうした動きが加速化しかねない。

 外国の軍隊の言うがままになって基地を押し付けられ、生命が危険にさらされるような現実が復帰から四〇年経ってもさらに続くのかどうか。その四〇年の節目に初めての県内選挙となった宜野湾市長選は、「現代史の分岐点」(照屋寛徳衆議院議員)となるだろう。

(成澤宗男・編集部、2月10日号)