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「君が代」停職処分取消訴訟――根津さんらに不当判決

 卒業式等の「君が代」斉唱強制を強化する都教育委員会の「10・23通達」後、四回以上の不起立等の累積加重で懲戒処分中、免職に次ぎ重い停職処分にされた、都立特別支援学校の根津公子教諭と河原井純子元教諭が処分取り消し等を求めた訴訟で、東京高裁(加藤新太郎裁判長)は三月二五日、控訴を棄却する判決を出した。

 都立学校では「君が代」斉唱時、起立しない生徒に司会の主幹教諭が「立ちなさい」と促したり、生徒会が開いた「君が代」テーマの討論会の顧問教諭を都教委が厳重注意にするなど強制が進むが、判決は「国家主義的な価値観を一方的に押し付ける教育は、少なくとも公立学校の教育現場には存在しない」と決め付けた。そして「控訴人の思想・良心の核心的部分の保持と、外部的行為として(起立せよと)命じられた行為の拒否とが、客観的・密接不可分に結び付くと評価できない」などの理由で、起立強制の職務命令を「憲法第一九条に違反しない」と判じた。

 また、「国旗・国歌の尊重という普遍性のある基礎的知識の付与は、普通教育で必要なこと」とし、「通達と職務命令は、教育への不当な支配を禁じた改定前教育基本法第一〇条には当たらない」とした。処分については「一定期間職場に立てない停職処分の選択は、より慎重な配慮が求められる」としつつ、「裁量権の濫用、逸脱なし」とした。ただ、「処分が極めて適切かつ合理的だとの評価を含意するものではない。許容される裁量権の範囲の上限というべき」と明示。免職処分なら違憲・違法、との見解を示した。

 会見で根津さんは「原発事故も国家の言うことを鵜呑みにさせる教育が主因。判断力・批判力を持てる生徒が育つためにも、上告して闘いを続ける」と語った。

(永野厚男・教育ライター、4月1日号)

【韓国】「原発推進」崩さぬ政府、世論調査で不安高まる

 四カ所で計二〇基の原子力発電所が稼働している韓国では、日本の福島第一原発の事故を連日大きく報道。原発の安全性に対する疑念が広まっている。だが、韓国政府は海外への技術輸出を含め、原発を積極的に推進。日本での事故を受けて安全対策の見直しを行なうことは表明したものの、推進路線を見直す姿勢はいっさい示していない。

 韓国は一九七八年に南部・釜山市郊外の「古里原子力発電所」が、同国の第一号基として運転を開始。現在は四カ所で計二〇基が稼働する。同国政府は、二〇三〇年までに原子力発電所を新たに一〇基建設する計画で、総発電量に対する原子力発電の割合を三四・一%(二〇〇九年)から五九%まで高めることを目標としている。また、原発技術の海外輸出にも積極的で、政府の「原発輸出産業化戦略」は、一二年までに九九六億ウォン(約七三億円)の予算を計上、李明博大統領自らが旗振り役となり、中東諸国などへの売り込みを行なう。

 今回の事故について、韓国大統領府報道官は「他山の石としたい」とコメントし、安全対策を強化する考えを示した。だが、運営会社の韓国水力原子力は「安全レベルは世界最高水準」と自信を示す。韓国政府が三月二八日に開いた原子力委員会(委員長・金滉植首相)では、安定的な電力供給には原子力発電が不可欠として、現行の原発推進政策を維持する方針を確認した。

 だが、一般の人々の反応は異なる。同日付の韓国紙『東亜日報』が掲載した世論調査の結果では、韓国内の原発について四三・二%が「安全ではない」と回答し、一年前に比べて不安を持つ人が倍増する結果となった。環境保護団体は「韓国の原発も福島と同じく運転開始から三〇年以上経っている。安全だとの保証はどこにもない」と話し、廃炉や新規建設の中止を訴えている。
 
(北方農夫人・在韓ジャーナリスト、4月1日号)

【ドイツ】全国各地の抗議行動が圧力に――原発推進政策の方向転換へ

 三月二一日、ドイツの首都ベルリン中心部にある首相官邸前で、国内各地にある原子力発電所の即時運転停止を求めるデモが開かれた。
 
 ドイツ政府は三月一四日に「老朽化した稼働中の原発の稼働延長を三カ月凍結」、翌一五日には「旧型原発七機の一時停止」をすでに発表しているが、これは福島原発の大事故を目の当たりにしたことだけでなく、一二日からドイツのシュトゥットゥガルトの六万人デモを皮切りに、突如として広がった全国各地での大規模な抗議活動が大きな圧力となったと思われる。
 
 反原発政策を掲げる社民党との連立を二〇〇九年に解消し、自民党と連立を組んで原発推進政策を採り続けてきたキリスト教民主同盟だが、その方向転換を迫られる形となった。メルケル首相は三月一二日に「ドイツの原発は安全」と強調したが、その発言内容を裏付ける根拠が何もないことを認め、とりあえずの措置として稼働延長の凍結と旧型機の停止を決めた。

 もともとドイツでは反原発意識は強く、一九七〇年代から原発の停止と廃絶を訴えるデモや集会が頻繁に開かれてきた。政治の世界でも二〇〇〇年に社民党と九〇年連合・緑の党の連立政権のもと、政府と電力業界が協定を締結し脱原発を宣言している。多くの国民の中に「原発は安全ではない」という意識が定着してきたといえよう。

 今回のデモでは震災の犠牲者を追悼するキャンドルが灯されるなか「福島は警告する すべての原発を即時停止せよ」「福島は日本だけでなくここにもある」といったプラカードを手にしたベルリン市民約三〇〇人が集い、日本語で「原子力? おことわり」と書かれたものも見受けられた。参加者の一人は「今後放射能汚染で命を落としてしまうかもしれない人たちのことも追悼している。放射能は時間をかけて生命体を破壊していくものだから」と語った。

(矢嶋 宰・フォトジャーナリスト、4月1日号)

女性・子ども・性的マイノリティ――災害時の性暴力防止を要請

 災害時に起こる問題の一つとして女性や子どもが受ける性暴力・暴力被害が指摘されている。そのため内閣府男女共同参画局は三月一六日、「女性や子育てのニーズを踏まえた災害対応について」を災害対策本部に提出。関係機関への周知とともに、性犯罪防止の観点から警察庁にも同要望書を提出して警備強化を含めた対応を依頼した。

 主な内容は
【1】被災地への輸送物資に含めるもの→生理用品、おむつ、粉ミルク、哺乳ビン、離乳食

【2】女性や子育てに配慮した避難所の設計→プライバシーを確保できる仕切りの工夫、男性の目線が気にならない更衣室・授乳室、入浴設備、安全な男女別トイレ、乳幼児への対応

【3】女性のニーズ等を反映した避難所の運営体制等→女性ニーズの把握、避難所の運営体制への女性の参画、地域の医療機関や保育・教育機関、男女共同参画センター等との連携、悩み相談サービスの提供と周知

【4】女性に対する暴力を防ぐための措置→警察など関係機関における警備強化、性犯罪等についての相談サービスの提供、安全な環境の整備

【5】妊婦等への配慮→病院・産院への迅速な搬送、高齢者・障がい者・外国人の直面する困難への適切な対応など。

 また、性的マイノリティに対する理解不足から生じる被害も懸念される。”共生社会をつくる” セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワークは三月一七日、性的マイノリティの避難所での生活は、日ごろの生活以上に大きなストレスを強いられ、深刻な二次被害を招きかねないとして緊急災害対策本部あてに要望書を提出。救援活動は「男女別」に限定しないでほしい、性的マイノリティへのハラスメントや性暴力の予防措置および被害者の相談・支援体制を確立してほしい、同性パートナーも「世帯」として扱ってほしい、などの要請を行なった。

(宮本有紀・編集部、3月25日号)

【フランス】各地で反原発デモ――原発継続是か非か大激論始まる

 五八の原子炉で電力の八割を供給する世界第二の原発大国フランスでも、一三日から各地で反原発デモが噴出。原発継続の是非を問う国民投票も提案され、大激論が始まった。

 反原発デモは、近隣に原子炉を抱えるボルドーやストラスブール、首都パリなどに続出。二〇日にはフェセナイムで一万人規模の反原発集会が行なわれた。六〇年来、独自核政策を国是としてきたフランスでは、画期的現象である。

 また「ヨーロッパ・エコロジー・緑」のダニエル・コン=ベンディット氏らも、すかさず国民投票を呼びかけ。だが「今は日本への連帯が先」「ここぞとばかりに恐怖を政治利用すべきではない」との批判が左右両翼から上がり、「すぐにろうそく生活には戻れない」と感じる国民も、拙速な対応には慎重姿勢を示した。

 一方、ジャン=リュック・メランション氏率いる左翼の党や共産党は、原発モラトリアムを提起。これに対し社会党はモラトリアムでは歯切れが悪く、(1)透明性(2)安全性(3)徹底検証(4)核キャパシティ増進のモラトリアム(5)国民的議論の五つを要求した。

 こうしたなか一五日の国民議会では、フランソワ・フィヨン首相が、「福島の教訓に照らし全原子炉の検査を行ない、結果を完全公表する」と約束。日本から詳細な経験がもたらされるのを待ち、原発検証に生かす方針を打ち出した。

 ただ、大激論の火ぶたが切って落とされたのは明らか。国民も、チェルノブイリ原発事故の際に政府が本土汚染の情報を隠蔽した事実を忘れておらず、危機感を隠していない。とくに第一号原発として一九七七年に始動したフェセナイム原発は、老朽化に加え、ドイツ国境の地震地帯にあり、運河の水面すれすれ。このため市民団体「核からの脱出」は、「いつ事故があってもおかしくない」と警鐘を鳴らす。他にも四二の原子炉が一九八〇年代の産物で、いずれ老朽化問題に遭遇する。

 このため科学者らを中心に、真剣に脱原発を模索する試みも開始されており、研究団体「ネガワット」は、広告など無駄な電力消費の削減、産業放熱リサイクル、風力、太陽熱など再生可能エネルギーへの転換を通じ、三〇年がかりで原発から脱する道を提起。注目されている。

 原発問題は来年の大統領選挙でも争点に浮上するとみられ、「安全神話」は神通力を失いつつある。フランスでも確実に、「アプレ・フクシマ(福島後)」が始まった。
 
(山本三春・在仏ジャーナリスト、3月25日号)

【米国】 原子力推進に警鐘――「日本から教訓得る」と大統領

 ペンシルバニア州スリーマイル島で起こった原発事故から約三〇年、米国内ではその記憶も薄らぎ中東原油依存を断ち、原子力エネルギー生産を推す機運が高まってきていた。その矢先に起こった日本の原発事故で、米国内の原発施設の見直しが求められている。

 米国には現在一〇四基の原発が稼働し、国内電力の約二〇%をまかなっている。オバマ大統領は、原子力エネルギー推進派。この点では共和党と歩調が合っている。二〇一二年会計年度予算で、原発建設に三六〇億ドル(約二兆九五〇〇億円)の融資保証を提案。現在三基が建設予定で、中でもジョージア州の二基には、連邦政府から八〇億ドル(約六五〇〇億円)の融資が保証されている。

 福島原発の事故後、米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は、「国内原発は日本に起こった災害に対応できる」と強気な姿勢を示したが、その安全性を疑う声が上がり始めた。

 三月一七日、環境・原子力監視団体「憂慮する科学者同盟」(UCS)は、昨年一四基に安全上の問題があったとするレポートを発表、NRCの監視の甘さを指摘した。これは三月一六日、下院エネルギー対策小委員会で議題となった、原発の安全性への懸案事項と一致する。
 
 懸念事項の中には原発の老朽化がある。一〇四基の内、約半数は建設後三〇年以上経つ。二三基の原子炉は福島第一原発と同じタイプで、四〇年以上前にゼネラル・エレクトリック社によって開発されたものである。バーモント州のヤンキー原発もこの中に入る。福島の事故以来、議員や市民団体からヤンキー原発閉鎖を求める議論が活発化している。

 一方、市民レベルでの原発恐怖も高まっている。日本からの放射性物質が西海岸へ達することを恐れ、また原発に不信を抱く市民の間で、ヨードカリ錠剤など放射能緊急品を買い占める動きが目立つ。
 
 そのような市民の不安を払拭する目的で、三月一七日オバマ大統領は「米原子力発電所は、大自然災害にも耐えうる」と強調した。その上で「日本の危機から教訓を得て、米国民の安全を確かにする」と話した。そのために「原発施設の包括的見直しを考える」と述べ、「原子力は将来のエネルギーに不可欠」と原子力推進の意向を再強調した。
 
(マクレーン末子・ジャーナリスト、3月25日号)

浜岡原発の運転停止を要求

 大震災による福島第一原発の事故を受け、東海地震の想定震源域に立地する浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止などを求める運動が愛知県名古屋市で活発になりつつある。

「東海大地震の前に一刻も早く、浜岡原子力発電所の停止を図ってください」とする要望書とともに署名簿を中部電力(中電)に提出したのは、名古屋の高校を卒業し、大学入学を控えた若者たちだ。

 代表の関口詩織さんが友人らに呼びかけ、七人ほどで三月一八日に立ち上げた。三月二〇日に名古屋・栄で署名集めを行なった後、三月二二日に中電を訪問した。「数を集めるより早くした方がいいと思った」と関口さん。高校の授業で原発について発表して以来、いろいろと調べてきた。「今の生活を維持するために、誰かを犠牲にするのは『犯罪』だと思う」とも指摘する。

 三月一九日には中電本店前で座り込みをするグループの姿があった。平和運動などにかかわってきた教員の墨総一郎さんは妻と息子の親子三人で駆け付けた。「今こそ原発をやめてください。中電・浜岡原発は防潮堤では守れない」とのメッセージを掲げ、「静かに意思表示をしたい」という。知人らと座り込みのリレーを続けていく考えだ。

 これらに先立ち、名古屋で反原発運動に長年取り組んできた中川徹さんら約二〇人が三月一四日、浜岡原発の運転即時停止を中電に申し入れた。「浜岡は福島以上の(事故になる)可能性がある」と停止を要求したものの、「わが社は別というような態度だった」という。

 
 環境問題に関する多数の著書を持つ田中優・未来バンク事業組合理事長の講演会が三月一九日、名古屋で開催された。田中理事長は「特に問題なのが浜岡原発。次の東海地震の起こる場所は浜岡原発の真下であると予測されている。だから、この原発は吹っ飛ぶ可能性が高い。しかし、中電は絶対に事故を起こさないと言って止めようとしない」と会場を埋めた満員の聴衆に語った。

 中電は震災発生後、浜岡原発を津波から守るため、高さ一二m以上の防波壁を二、三年以内に設置する方針を明らかにしたが、運転停止を求める市民らの声は収まりそうにない。

(澤村慎太郎・記者ネット名古屋、3月25日号)

福島第一原発で働く人々を守りたい――政府は造血幹細胞の採取・保存を

福島第一原発や同第二原発では、被曝の危険をかえりみず、事故の深刻化を防ごうと多くの人々が働いている。現在の医療技術を活用すれば、万一、放射線被害を受けても助かる可能性がある。だが、政府や東京電力は、この予防策に消極的だ。献身的に働く人々の危険を少しでも減らそうとする考えはないのか。

 深刻事故の終息がみえない福島第一原発には、東電社員や下請け、孫請けの「協力会社」社員に加え、自衛隊員やハイパーレスキューの消防職員など、さまざまな人々が努力を続けている。

 緊急事態への対応策として厚生労働省労働基準局長は三月一五日、省令を交付し、「緊急作業に従事する労働者の線量の上限を、一〇〇ミリシーベルトから二五〇ミリシーベルト」に引き上げた。通常時の被曝限度が「五年間につき一〇〇リシーベルトを超えず、かつ、一年間につき五〇ミリシーベルトを超えない」だから、文字通り”異例の措置”だ。

 三月二四日には、二〇~三〇代の作業員三人が被曝し放射性物質が皮膚に付着した二人が病院に搬送された。原発労働者のなかには、通常時の被曝限度の範囲内でも白血病などを発症し、被曝との関係が国によって認められた人もいる。

 しかも、東京電力福島事務所は三月三一日、線量計不足の状態で作業員を働かせていたことを明らかにしたのだ。〈同社によると、津波の影響で当初あった五千個の線量計の多くが使用できなくなり、現在使える線量計は三百二十個。同原発内では多いときには一日の作業員が延べ八百人に上り、全員が持てる状況ではなくなった。(中略)同社は「法令違反ではないが、全員に線量計を持たせることにする」としている。〉(『東京新聞』四月一日朝刊)

 あきれてしまう。電離放射線障害防止規則第八条は〈事業者は、放射線業務従事者、緊急作業に従事する労働者及び管理区域に一時的に立ち入る労働者の管理区域内において受ける外部被ばくによる線量及び内部被ばくによる線量を測定しなければならない〉と定めているのだ。

 原子力資料情報室の西尾貘・共同代表は「規則は一人ひとりの線量を測るよう求めています。法令違反です」と話している。

     1泊2日で採取が可能

 では、苛酷な現場で働く人々の危険性を軽減する方法はないのか。「あります。幹細胞を取り出して、凍結保存しておくのです」と、虎の門病院(東京都港区)の谷口修一・血液内科部長は話す。

 谷口部長によると、大量に放射線に被曝すると、免疫を担うリンパ球などの血液細胞が減り、感染症などの危険性が高まる。このときに、保存しておいた造血幹細胞を移植すると治療効果が高い。採取には通常、四~五日かかるが、国内未承認の薬剤「モゾヒル」を使用すれば一泊二日(もしくは二泊三日)の入院で採取が可能で、すでに同病院倫理委員会の承認など、未承認薬使用に必要な手続きは整えたという。

 日本造血細胞移植学会も三月二九日付の声明で「福島原子力発電所事故の作業者に対し、今後の長期化する作業に対応し念のために自己造血幹細胞保存が望ましいとされた場合、学会はその医学的、社会的妥当性を検討した上協力します。その採取・保存に全国の107施設が対応可能となっています」と明記した。

 だが東京電力や日本政府は四月五日現在(編集部注:4月16日現在でもなお)、対応しようとしない。

 政府関係者は「作業員にさらなる精神的、身体的負担をかけるから現時点では必要ないと判断しているようです」と話す。

 谷口部長が憤る。「危険な作業であることを作業員に正確に認識させるのが精神的負担だとすれば、それは論外です。彼らを決死隊員にしてはなりません。しかも、採取の安全性も証明されています。『国際的にも、国内的にも合意がない』との指摘もあるようですが、ヨーロッパ骨髄移植学会からの協力の申し出や日本造血細胞移植学会からの声明をどのように考えておられるのか理解できない。必要とあらば、アメリカ造血細胞移植学会や韓国、ドイツなどから具体的な声明を出してもらう準備はあります。有効な予防法を考え、実行し、万が一の事態でも救命する手だてを取るべきです」

     現場は毛布で雑魚寝

 残念ながら、原発最前線の作業は想像以上に苛酷なようだ。三月二八日に会見した経済産業省原子力安全・保安院の検査官によると、

〈現地には約400人の作業員がおり、原子炉建屋近くの「免震重要棟」という建物で寝起きしている。建物内でも1時間当たり2~10マイクロシーベルトの放射線量があるため、放射線を遮る鉛が入ったシートを床に敷いている。/食事は1日2回。朝にビスケット30枚程度と小さな野菜ジュース1本、夜は非常用のレトルトご飯と缶詰一つ。当初は飲料水も限られ、1人当たり1日ペットボトル1本(1・5リットル)だったという。(中略)作業ができない夜はミーティングを一本締めで終えた後、会議室や廊下、トイレの前などで毛布にくるまり雑魚寝をしている。〉(『毎日新聞』三月二九日朝刊)

 東京電力や政府の幹部はなにを考えているのか。作業員たちは、入れ替え可能な「機械の部品」ではない。一刻も早く、作業にあたっている方々の健康を守ることに全力をあげるべきだ。

(伊田浩之・編集部、4月8日号)