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安倍政権の検証映画『2887』完成・公開 
「危うい8年間」を記録

池添徳明|2021年9月22日4:13PM

映画『2887』の河野優司監督(左)。横浜市「シネマ・ジャック&ベティ」で。(撮影/池添徳明)

アベノミクス、憲法改正、福島原発、辺野古新基地建設、拉致問題の五つのテーマから、安倍晋三政権を検証した記録映画『2887』が完成した。

澤地久枝、斎藤貴男、小出裕章、知花昌一、蓮池透、浜矩子、松元ヒロの各氏ら16人が登場。首相在職日数が、2019年11月20日に歴代最長の2887日となった安倍氏の足跡をたどる。

明治大学映画研究会出身で横浜の高校教諭だった河野優司さんの初監督作品。「デジタル技術と機材の進歩で映画製作のハードルが下がった」と河野さん。コロナ禍での取材は制約が多く困難を極めたが、思わぬ副産物もあったという。たとえばお笑い芸人の松元ヒロさんは、舞台の出演依頼が激減したことで、貸し切り劇場で贅沢なインタビュー撮影が実現した。

「安倍前首相個人よりも、憲法を破壊するアベ的な自民党政治が描けたと思う。こんな危うい社会があったという8年間と、それでも異を唱えてしっかりものを言う人たちがいたことが記録できた。出演した16人の声を聞くことで日本社会が見えてきた」と河野さんは力説する。

福島原発事故による避難者で出演者の一人、福島原発かながわ訴訟原告団長の村田弘さんは、「アベ政治がいかに憲法を壊してきたか、その視点が映画には貫かれている。原発も沖縄の辺野古も拉致問題も、この10年間で何も解決していない。そして今は新型コロナウイルス。今の時代を考える格好の材料の映画だ」と熱く語った。

9月11日から17日まで横浜市中区のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」で劇場公開される。カラー、105分。午後3時30分から1日1回上映。東京の「シネマハウス大塚」でも9月25日から28日まで1日2回上映。全国各地の「九条の会」や市民団体での自主上映も計画している。

(池添徳明・ジャーナリスト、2021年9月10日号)

 

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