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混迷のアフガニスタン──タリバーン、親米軍閥、ISの三つ巴内戦化を避けるためには?

本田雅和|2021年9月18日3:36PM

自衛隊機派遣という「最悪の選択」

そうした長い歴史的背景の中で起きているのが今回の事態だ。そんな中で日本政府は、「邦人救出」を名目に、今回もまた、自衛隊機派遣という「最悪の選択」をしている。タリバーンはすでに「日本は敵でなく、協力してほしいので日本人には危害を加えない」と明言しつつ、「自衛隊には来てほしくない」との明確なメッセージを出していたのだから。(FNNによる報道官インタビューなど)

筆者もかつて、アフガニスタンでの戦闘激化で国外退避を決意したときは、自衛隊機に頼ろうなどとは毛頭考えなかった。安全な脱出手段とは思えなかったからだ。

1980年代に米軍がイスラム戦士ムジャヒディンに供与したとされる肩担ぎ携帯型スティンガーミサイルは反米ムジャヒディンにも流れていたし、現代ではさらに進化した航空機を狙える武器もある。タリバーンは8月に入って旧政府軍からドローン兵器を獲得したとの情報もある。

しかし政府は今回も、自衛隊輸送機など4機を派遣して最大500人の移送をめざしたが、なかなかカブール空港に近づけず、アリバイ実績作りのように、結果として「救出」した「邦人」は1人だけ。私もよく知る、かつて同じ戦場で取材したこともある「共同通信」のカブール駐在のベテラン女性通信員で、彼女にとって軍用機で救出してもらう必然性があったかどうか分からない。

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